ソイラーメンチーズましまし
いつものあのラーメン屋さんへ「ソイラーメン」
「スープ出汁がいつもより効いてもいい?」「いい」
「チーズましまし出来ますよ」「お願いします」
100円の煮卵追加してズルズル食べていた時
坂を降りてくる自転車が見えた。
あ!あの方だ‼︎
去年コーヒー飲みにきて
自転車のパーツ海外から取り寄せようがよー
なかなか揃わんがよーー
気長に待つがよーー。
と言っていたあの方が走りに行くフル装備で坂を下ってきた。
交差するのは大通りゆえ一旦停止して車の切れ目をうかがっている。
手を振ってみた。
その方気付いてこっちを見る。
口をパクパクさせながら
「走りに行きようが⁇」と言い
その方親指を立てる。
本当ならば怪我と休業を挟んだ久々の再会で
聞きたいことも山ほどあるけど
食べかけのラーメンを置いといて外に出て世間話するのは
ちょっと憚られ、その方も多分同じ気持ちで
手を振り合って別れたのです。
たったそれだけのこと。
その方とSNSで繋がってはおらずもちろん電話番号も知らない。
この先この話をする機会がなかったとしても
この目の前にある一皿を置いて店外に出て話をすると言う選択肢はなかった。
この一皿に込められた手間と時間と想いを
自分なりに大事に守ったと言う気がした。
食事中、コーヒーを飲む途中
電話で外に出て数十分帰って来ない客もいる。
知り合いが来て外で喋り倒す客もいる。
違和感を感じていた出来事を自分が繰り返さなくて良かった。
作る人にリスペクトを。
されて嫌なことはするな。
食べ納めのこの店。
また外食難民になるなー。
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