ダブリンぶらり(2) 蔵書マニアの夢
私がダブリンのイメージを得たミステリ小説『刑事シーハン/紺青の傷痕』では、最初の事件の被害者が、ダブリンにある大学の講師という設定。なのでその大学は、小説中に再三再四登場しました。
大学の名はトリニティ・カレッジ(ダブリン大学)。
この大学、創設は1592年と古く、アイルランド最古の大学であると同時に、英語圏最古の七大学のひとつだそうです。1592年といえば、日本ではまだ戦国時代ですからね。
ということで、この大学、ダブリンの観光名所にもなっているのです。ちょうど夏休みの時期だし、さっそく訪問。
ワールドコン会場のコンベンションセンターから徒歩でトリニティカレッジへ。街中をぶらぶらと歩くのはなかなか興味深くていいんですが、さすがにけっこうありました。あとで市内を走る路面電車(ルーアス)を使うようになりましたが、このときはまだ使いかたを知らなかったんですよね。
到着した大学は、各国の観光客でけっこうな混雑でした。構内はこんな感じ。
この一角は、いってみれば旧ゾーン。右手の建物の奥にはコンクリート製のモダンな校舎もありました。
ひょっとすると、中庭のこの石だたみも、大阪城や姫路城の石垣よりも古いんじゃないかな。
観光名所のこの大学の目玉商品(?)が、図書館。ここだけは入場有料なのに、入り口には長蛇の列。行列苦手な私は心が折れかけましたが、並んでいたら意外にすんなりと入れましたね。
ここは、アイルランド最大の図書館で、その蔵書は500万点におよぶとか。なかでも、1200年も前につくられた聖書の写本「ケルズの書」は、もっとも有名な本であり、世界でもっとも美しい本といわれていて、観光客のお目当てはこれ。残念ながら、この本だけは特別の収蔵庫に収められていて、ここだけは写真撮影禁止。だから見たい人は自分でググってね。たしかに一見の価値のある美麗さでした。
ただ、その書よりも心を打たれたのは、壮大そのもののメインルーム。こちらは撮影OK。
この広大なスペースの左右が、すべて書棚で埋めつくされています。圧倒されます。
子どものころから本が好きで、趣味は読書。大人になってからは本を職業にしてきた私は、コレクター体質もあって、当然のようにかなりの量の本を集めていますが、いやいやとてもとても。
もちろん、私の蔵書の一冊一冊の価値は、ここに所蔵されている貴重な本の足元にもおよびませんが、それよりも「量」で圧倒されたのが、なんか悔しい。わが家の全蔵書を持ちこんでも、ここの書棚一列も埋められなさそうですからね。
うーん、これくらいのスペースがウチにあればなぁ(笑)
いちおうシェイクスピア先生にも敬意を。
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