外出自粛映画野郎「夜空の大空港」
せっかく「恐怖のエアポート」とカップリングのDVDを買ったので、つづいて「夜空の大空港」のほうも観ました。
1966年の作品ですが、日本で放送されたのは1972年と1974年だそうなので、どちらで観たにせよ、ほぼ半世紀ぶりの再見ですね。わりと覚えている点が多かったのは意外でした。
「恐怖のエアポート」を観たときもそうでしたが、出演者については「お、こんな人も出てたんだ」というのが次々。
機長役のヴァン・ジョンソンはなんとなく当時も意識していたんですが、なんでかな。これに先立って、なんかで観ていたんでしょうか。
主役のFBI捜査官のジャック・ロードはどうか。「007/ドクター・ノオ」でフェリックス・ライターを演じていた人ですが、当時はまだ観ていなかった気がします。
その助手というか部下を演じていたのが、オリジナル「スパイ大作戦」の主要メンバーであったグレッグ・モリスだったのはちょっとびっくり。当時はもう「スパイ大作戦」は観ていた気がしますが、記憶になかったですね。まあ、あんまり印象に残る役ではないですからね。
そのほかにも、ジョン・サクソンとかマイケル・サラザンとか、後年よく観ることになる役者さんが出ていました。でもたぶん初見当時はまだ顔見知りではなかったのかな。
そうしてみると、どうやら私がこの映画を観たのは初放送の1972年2月20日の「日曜洋画劇場」、あの淀川長春さんの解説付きだったようです。ぜんぜん覚えてないけど。
さてこの映画、数ある航空サスペンス(エアポート一族)の走りとして有名なんですが、それだけではありません。
まずは「ある一定を超えると(下回ると)爆発する爆弾」の元祖として、のちに「新幹線大爆破」とか「スピード」とか後継者を次々と生み出したのですが、これは以前にも書きましたね。
ですが、もうひとつ、けっこう画期的なものを生み出しています。
それは、これといった理由もなく犯行に走るマニアックな犯人です。
当初は身代金を奪おうとする爆破犯ですが、最終的には爆破することそのものが目的になり、その歪んだ心理をエドモンド・オブライエンが見事に演じています。
あまり確信はありませんが、こうしたマニアックな、犯行そのものが目的になる犯人というのは、たぶんこの映画が走りでしょう(たぶんですよ)
こちらも、のちにたくさんの後継者を生んでいます。
同じ爆破犯だけでも、「マッド・ボンバー」とか「ジェット・ローラー・コースター」とか。ああ、「スピード」のデニス・ホッパーもそうですかね。
TVムービーだったこともあって正当に評価されているとは言いがたい作品ですが、けっこうこのあとのサスペンス映画に与えた影響は巨大なものがあるんではないでしょうか。
この作品のアイディアは、脚本も書いたロッド・サーリングのものだそうで、いやはや、さすがですね。
「恐怖のエアポート」と二本立てのこのDVD、ほんとにお買い得だと思いましたよ。いや発売元からは何ももらってないですよ(笑)
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