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外出自粛映画野郎「ルパン三世/カリオストロの城」

いまさら私なんかが語るまでもなく、日本アニメ史上に残る最高傑作のひとつであります。以上。

それにしてもこれ、1979年の作品だからもう40年以上前なんですね。初公開の時(12月だった)どこの映画館だか忘れたが、駆けつけて観たのも懐かしい思い出。

もちろん、幼少期に「鉄腕アトム」の放送が始まり、「鉄人28号」「狼少年ケン」で成長したアニメ世代の私ですが、小学校時代に「ウルトラQ」が始まり「ウルトラマン」で特撮怪獣ものに移行したせいで、その後はあまりアニメにはハマりませんでした。「ゲゲゲの鬼太郎」「巨人の星」など単発的には観てましたが。

その後は当時の風潮通り、中学生くらいからアニメを「卒業」して映画を観ていたわけですが、そんな私をアニメに引き戻したのが「ルパン三世」でした。

とはいえ、観始めたのは1977年の第2シリーズあたりから。赤ルパンですね。第1シリーズはだいぶ後になってから再放送で観たクチです。

コレクター体質でマニア性質の私はあっという間にルパンにハマり、原作コミックもふくめてかなり深入りしました。当時何枚も発売されたサントラ盤LPもほぼ全部買ってましたね。

で、こんなことも考えていたのです。→ハリウッド版「ルパン三世」

そんなわけで、「カリオストロの城」を観にいったころには、すでにルパンマニアと化していたのです。

そんな赤ルパン育ちの私にとって、この「カリオストロの城」の水色ルパンのキャラはしっくりこなかったのを覚えています。それでも魅了されて何度も観ているうちに、その真価に気づいた気がします。あんがい奥深いからね、この映画は。

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ところで、今回この映画を観たのはずいぶんひさしぶりになります。

というのも、ここ十年ほど、わが家で映画を観るのは、たいてい息子とともに観ることになるから。この「カリオストロの城」を、ルパン未見(当時)の息子にいきなり見せるのをためらったのです。

じつは、ここにこの映画の唯一(かどうかはともかく)の欠点があるのです。

「カリオストロの城」はもちろん単発作品で、これだけで観ても充分面白く出来ていますが、それでも「ルパン三世」シリーズの1作であることは間違いありません。そしてそれゆえ「ルパン三世」を知らないものには、完全に楽しむことができない可能性があるのです。

長い歴史(この映画の時点ですでに10年くらい)をもつ「ルパン三世」の基本フォーマットを知らないと、わかりにくいと思うんですよね。私自身は初見時からすでにルパン・ファンだったのでずっと気づきませんでしたが、息子に見せようと思ったときに、ハタとこのことに気づいたのです。

「カリオストロの城」でいえば、なぜ五右衛門が後から来てすんなりと仲間に加わるのか、彼らの関係性を知らなければ戸惑う設定です。ルパンと、不二子や銭形とのかかわりも然り。いっさい説明なしですからね。

こうした設定部分は、原作やテレビシリーズに全面的に拠っているわけで、そこを知らない観客は想定されていないのです。

これは、先にテレビシリーズがあり、その人気を背景に製作された劇場版としては逃れられない宿命ではあります。

私が「カリオストロの城」とならぶ昭和アニメの双璧と思っている「うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー」も、じつは同じ欠点を有しているのですね。

そうしてみると、この映画が当時、海外のアニメ好きにどんなふうに受け止められたのかは、興味深いですね。もちろんいまでは理解され、高く評価されているわけですが。

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2015年から2018年にかけてテレビアニメの「ルパン三世」第4シリーズと第5シリーズが放送され、それを息子も観ていたので、ようやく機が熟したと思って、今回鑑賞したわけです。

時を同じくして、NHKで「未来少年コナン」の再放送も始まったので、タイミング的にはベストだったようです。いや何がどうベストかはわかりませんが(笑)

「ルパン三世/カリオストロの城」1979年/監督・宮崎駿/脚本・宮崎駿、山崎晴哉/原作・モンキー・パンチ/100分

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