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ハルク・ホーガン映画祭

【2014年7月8日】

もうじき、ハルク・ホーガンが来日する。

WWEのプロレス興行にゲスト的に参加するとのことで、さすがに試合はしないようだが、なに、プロレスラーは試合をしなくてもプロレスはするもの。ひさびさにホーガンのプロレスを日本で見られるわけだ(私は見に行けませんが)

現在のプロレスラーの中では、世間的にも圧倒的に高い知名度を誇るハルク・ホーガンが、その知名度を獲得したのは、映画のおかげである。

それまでもプロレス界でちょっとは知られていたホーガンだったが、「ロッキー3」にプロレスラー・サンダーリップス役で出演し、スタローン演じるロッキーと戦ったおかげで、世界的に有名になったのだ。

当時は新日本プロレスにちょくちょく来日していたが、映画公開後は背中にカタカナで映画の役名の「サンダーリップス」がでかでかと入ったガウンを着用していた。それくらい、この役の浸透度は高かった。こうして得た知名度は、ホーガン自身、そしてWWF(現WWE)の総帥ビンス・マクマホンが存分に利用する。

ハルク・ホーガンをエースに押し立てて全米侵攻を果たしたビンス・マクマホンは、ホーガンを使って映像産業にも進出。当初はTVシリーズなどにゲスト出演させる程度だったが、野望家らしく、自ら映画製作に乗り出す。そこで製作されたのが、ハルク・ホーガン主演の映画群だ。ざらっと挙げてみると、以下の通り。

 「ゴールデンボンバー」No Holds Barred (1989)
 「マイホーム・コマンドー」Suburban Commando (1991)
 「Mr.ベビーシッター」Mr. Nanny (1993)

1年おきにきっちり作ってはいるが、まあ、みごとにB級映画ぞろいですなぁ(笑)

おまけに、最初の「ゴールデンボンバー」はそれなりにシリアス風味のアクションだったが、1本で限界を感じたのか、その後はコメディに転じ、気のいい大男が暴れるドタバタ映画になっていった。まあその方が向いていたかな。

このあとはWWFを離れて、テッド・ターナー配下のテレビ局TBSが所有するWCWに移籍したこともあって、TVムービーやシリーズへの出演が増え、映画出演は減ってしまった。

1998年に突如として「デストロイヤー」(The Ultimate Weapon)「クロオビ・キッズ/メガ・マウンテン奪回作戦3」(Ninjas:High Noon at Mega Mountain)「トレジャー・ミッション/破壊島」(McCinsey's Island)と、3本もの劇場映画に出演したのは、いったい何の狂い咲きだったのやら。

このほかにも、ゲスト出演やカメオ出演が多数ある。TVの「特攻野郎Aチーム」とかね。

なかでも1990年の「グレムリン2」はワンシーンのみだったが、なかなかの傑作シーン(劇場公開時のみで、ソフト版では割愛されているらしい) TVで顔が売れているレスラーは、使いやすい人材なんだろう。

けっきょく日本でちゃんと劇場公開されたのは、最初の「ゴールデンボンバー」と「マイホーム・コマンドー」くらいで、ほかはみなビデオ発売のみ。そのうえ、ブルーレイはおろかDVDも未リリースのものがほとんどという状態。

プロレスでは歴史に残るスーパースターも、まあそんなレベルの「映画スター」だったわけだ。

だが、このホーガンを見てプロレスラーに、そして映画に進出して成功した後進に、ザ・ロック(ドウェイン・ジョンソン)がいるわけで、そういう面では道を切り開いた英傑だったといえよう。

アックス・ボンバーァァァァァァァァァァァァァ!(大森隆男ではない)

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【2019年2月21日】

こんな記事が流れてきた。

オイオイってな感じだが、まあ月日の流れも感じるわな。上記したような映画にならないことを祈りますよ(笑)

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