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サントの息子

エル・イホ・デル・サントがひさしぶりに来日した。

といってもピンとこない人が多いだろう。プロレスかメキシコ三文映画に興味がない限りは。

未発売映画劇場」で完全チェックにチャレンジ中の、あのサント

メキシコ映画の伝説にして、プロレスのスーパースター(ルチャリブレのスペルエストレージャ)、誰もが知ってる、あのサントの正真正銘の息子が、エル・イホ・デル・サント(El Hijo del Santo) リングネームは文字通りに「サントの息子」の意味だ。サントは10人の子に恵まれているが、そのうちの一人なのだ。

父・サントの晩年である1982年にリングデビュー。すぐに最優秀新人王と年間最高人気選手賞を獲得。その後もUWA、WWA、AAA、CMLLで世界王座を次々と制覇するなどして、メキシコの各団体の壁を越えたスペルエストレージャとして君臨し続けている。

ついに未来日に終わった父・サントと違い、日本のリングにも1990年の初来日(ユニバーサル連盟)以来、数回にわたって登場している。今回の来日は13年ぶりとかで、たぶん50歳を超えているのだが衰えないファイトぶりを見せてくれた。

週刊プロレスでも、もちろん紹介された(左はウルティモ・ドラゴン)

私は残念ながら後楽園ホールで観戦することはできなかったが、サムライTVの映像で、聖者二世のありがたいお姿を拝見できた。

さて、父・サントはリング上のファイトばかりでなく映画の世界でも華麗にかつ膨大な作品で活躍を見せ、その全貌をただいま探求中なのだが、じゃあ息子はそっち方面ではどうなのか?

さっそく、おなじみIMDBで調べてみた。

El Hijo del SantoがACTORとしてヒットする映画は、全部で19本あった。ただし、IMDBのデータにはプロレスビデオのたぐいも含まれるので、いわゆる「映画」に絞ると、たぶんその半分くらい。偉大な父にくらべるとずいぶん少ないな。

よく見てみると、1960年代末から70年代初期の数本は Jorge Guzmánの名(たぶん本名)で、父・サントの映画に出ていたようだ。年代から見て、たぶん子役だろう。じゃあいずれ、サント映画完全チェックでお目にかかれるかな。

エル・イホ・デル・サントとしての正式デビュー映画は、1981年の「Chanoc y el hijo del Santo contra los vampiros asesinos」 コミックヒーローのチャノック(Chanoc/こちらも数度映画になっている人気キャラ)とのコンビで殺人バンパイアと戦うという、まさに父・サントの路線を引き継いだような映画ではないか。

父・サントもゲスト出演しているようで、王位継承的な映画なんだろう(右下を見よ)

ただ残念ながら、年に2~3本の映画に出演し続けた父と違い、その映画キャリアは長くは続かなかったようだ。

メキシコ映画の環境も変わっており、すでにルチャ映画の時代は終わっていたのだろう。こればかりは時代の違いで、仕方がない。

この「El hijo de Santo en frontera sin ley」(1983年)では、あのミル・マスカラスとも共演しているようだ(左下に仮面貴族の雄姿が) ううむ、ちょっと見てみたいぞ。

いずれ、サント映画の完全チェックが終了したら、追撃戦として息子の分も見てみるとしようか。いつになるかわからんが(笑)

そういえば、5年ほど前に、サントの孫のニエト・デル・サントがプロレスリングノアに留学したという話題があった。エル・イホ・デル・サントの息子ではないようだが、その後どこへ行ったのだろうか?

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