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平成ガメラどうでしょう

おもしろくって、気に入って、何度でも見たくなる映画ってありますよね。私にも十数本の「見返したくなる映画」があるんですが、そのなかでも今のところ最新の映画が「シン・ゴジラ」なんですね。

で、昭和28年の最初の「ゴジラ」からこの作品にいたるまで、数多くの怪獣映画がその歴史を積み重ねてきたんですが、その過程で「シン・ゴジラ」に直接大きな影響を与えた作品があります(もちろん私見です)

それが「平成ガメラ」です。

いうまでもなくガメラとは、かつてのメジャー映画会社であった大映が、ライバル東宝のゴジラに対抗して、1965年に製作・公開した「大怪獣ガメラ」で初登場した怪獣で、ゴジラとならぶ日本怪獣映画史のスーパースター。1971年の第7作「ガメラ対深海怪獣ジグラ」まで製作されたところで、親元の大映が倒産して中断したためにゴジラとは登場作品数で大差をつけられていますが、その知名度は決して劣るものではありません(怪獣世代にとっては)

その後、1980年に「宇宙海獣ガメラ」で弱々しく復活したものの不発に終わり、ガメラはスクリーンから姿を消しました。

そのガメラが、満を持して復活したのが1995年の「ガメラ/大怪獣空中決戦」でした。これが「平成ガメラ」の誕生です。

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ちょうどアマゾンビデオで3部作が配信になったので、チャンス到来。「シン・ゴジラ」のルーツのひとつであろう「平成ガメラ」をひさしぶりに見直してみました。

じつは公開当時でも、たとえば「自衛隊が初めて怪獣映画に出た」という画期的出来事があったりして、リアルな怪獣映画としての評価はけっこう高かったですね。このへんも「シン・ゴジラ」につながっている気はします。

ただそのあたりの論考をするには、私には決定的に欠けているものがあるんです。じつは私、「平成ゴジラ」をあんまりきちんと見ていないんですね。「平成ガメラ」と同じくらいの時期にゴジラがどう作られていたかは重要ですからね。

なので、「平成ガメラ」から「シン・ゴジラ」への道は、また機会を改めて考えようっと。ここでは「平成ガメラ」をリードした特撮監督の樋口真嗣が「シン・ゴジラ」をも手掛けたことでもふれておけば十分でしょう。

また私的にはエンドタイトルで流れる爆風スランプの「神話」が当時のお気に入り曲で、カラオケでも歌ったことを思い出しておきましょう。

で、話は「平成ガメラ」の第2作である「ガメラ2/レギオン襲来」(1996年)に移ります。

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この映画の前半の主舞台は北海道・札幌。公開当時やその後も、北海道未経験だった私には、まったく土地勘のない町だったのでピンときてませんでしたが、去年北海道初上陸を果たしていたので、今回は感じ方が全然違いましたね。これは新たな発見でした。

ところで、第1作を見ている最中、福岡ドームのシーン(ギャオスを捕獲すべく作戦展開中にガメラが殴りこんでくる)で、いっしょに見ていた息子が「あ、この曲!」と一気に盛り上がりました。知ってる人はとっくに知っていたんでしょうが、あのシーンの音楽は「水曜どうでしょう」の予告編などで繰り返し使われていた、例の曲なんですね。そういえばあの番組の藤村Dは「平成ガメラ」のファンだと聞いたことがありましたっけ。

ということでなんとなく予感はあったんですが、札幌市民が避難するシーンで広報車のマイクを握って避難を呼びかけていたのが、ミスターこと鈴井貴之だった事に気がつきました。出演時間およそ5秒くらいですか。

まだ「水曜どうでしょう」が開始される前くらいの時期で、もちろん当時は存在すら知らなかったミスターさんですが、時の流れは面白いですね。とはいえ、当時はまだ無名。もちろん後年この番組にハマって何百回もミスターのご尊顔を拝することになるとは、知る由もありませんでした(じつは大泉洋安田顕も出ていたそうなのですが、こちらは今回も気づきませんでした)

考えてみれば、この「平成ガメラ」が出来てからすでに四半世紀が過ぎようとしているのですから、当然といえば当然ですね。

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で、第3作「ガメラ3/邪神〈イリス〉覚醒」(1999年)ですが……

伝奇やオカルト色(古い言いかただね)が強まり、なんか怪獣映画っぽさを失ったような気がします。いちおうサイエンス色が強かったレギオンと、あえて差をつけたかったのかもしれませんが、失敗だったんではないでしょうか。

この第3作が興行収入的に期待を裏切る結果だったことで、「平成ガメラ」は3部作で終了になったと言われています。その意見には賛成ですね。やっぱりこの第3作は、失敗だったんでしょう。残念ながら。

前に書いた気がしますが、私が映画館でちゃんと見た最初の怪獣映画がそもそもの第1作である「大怪獣ガメラ」なんですね。だからガメラにはちょっと思い入れもあるんですが、そうした身からすると、やはりライバルのゴジラに大きく差をつけられていたのは、なんとなく残念な気がするのです。

ゴジラは「シン・ゴジラ」で決定版ともいえる傑作になりました。さて、「平成ガメラ」を手掛け「シン・ゴジラ」も作った樋口監督、いつかは「シン・ガメラ」を見せてくれるのでしょうか。

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