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VHSの墓場

今の(まあ今に限っていないですが)悩みのタネは、わが家のスペースを大幅に侵食しているVHSビデオ・カセットの群れです。

はじめてVHSのデッキを買ったのはいつだったか。

最初は親が導入したのを使っていた気がしますが、社会人になった最初のボーナスで、レーザーディスクのプレイヤーと一緒に、音声多重対応のデッキを買ったのは覚えています。だから、1982年のことですか。

それ以来、私の身のまわりにはビデオカセットがどんどん蓄積され続けました。体脂肪や内臓脂肪と同じですね(笑)

導入当初はテレビ番組の録画が主。ただ生テープ(もう死語ですね)の値段が高かったせいで、録画保存する番組も少なかったのですが、その後値段が下がるにつれて、見る見るうちに量が増え始めました。

映画、アニメ、ドラマ、プロレス中継などなど。テープ代をケチるので、三倍速録画がほとんど。画質は、まあ見られるかな程度のもんでしたが。

次いで、ビデオソフトなるものが増えてきました。こちらは主に映画です。

最初に買いこんだのが「007/ゴールドフィンガー」の輸入ソフトで、字幕なしなのに30,000円もしたことは前にどっかに書きましたが、その後もこれという映画に絞って、コレクションしていました。高かったんだよ。まだ国内発売ソフトの数も少なくて、「荒野の七人」とか「大脱走」とかは、最初は輸入品だったな。

やがて国内発売が増え、さらに廉価版が出はじめると、わが家に流入するビデオカセットの勢いは増します。

またこのころから、海外(アメリカと香港)に出かけると、現地でビデオソフトを買いこむようになりました。日本未発売のソフトもあったし、当時は円高で、日本で買うよりも断然安かったからです。ただ、ビデオカセットは重量が半端なく重かったので、よく空港で重量超過料金を取られたもんです。

80年代後半にはレンタルビデオ店のブームが到来し、数多くのソフトがわが家のデッキを通過していきました。

その後に来たのが、レンタル店で御役御免となったソフトの大安売り。中古品ですね。潰れかけたレンタル店の店先に、へたすれば1本100円とかで売られていた、名も知れぬ(笑)映画の数々が我がコレクションに加わっていったわけです。

こうして肥大し続けたわが家のビデオカセット山ですが、いつからDVDなどに移行したかは、よく覚えていません。

さっき録画したビデオを眺めてみたら、プロレスの「ハッスル!」の録画とかあったんで、たぶん2000年代の半ば過ぎまでは、ソフトもデッキも現役だったようです。

ああ、でももう10年くらいにはなるのか。

もちろん現在では、ソフトはDVDやBDに、録画はHDでと完全移行し、VHSやデッキの出番はなくなっています。

となると問題は、この膨大なVHSの山をどうしたらよいか、ですね。

もちろん私はコレクターなんで、売り払うとか捨てるとかいった選択肢はありません

再生用のデッキも徐々に手に入りにくくなってきているようですが、いちおう稼働しそうなデッキは3台ほどキープしています。でもここ10年ほど、どれひとつとして動かしてないんですが。

VHSをデジタル化するサービスもありますが、そこまで費用をかけるのも考えもの。

自分でやる手もありますが(そのための設備は用意可能)問題は膨大な時間がかかることなんですよね。6時間の録画をダビングするのに、きっちり6時間かかる計算ですから、デジタルデータ化に全部でどれくらい時間がかかるのかすらわかりません。だからアナログって嫌いなんだよ(笑)

そんなわけで、ずっとわが家にありつづけることになりそうです。

【写真はほんの一部です(コレクターの見栄)】

昔よく本で読んだ話に「象の墓場」ってのがありました。

野生の象は死期を悟ると、自ら人知れぬ奥地の秘境のある地点におもむき、そこで死んでゆくというもの。大量の象の骨で埋まった「墓場」のイラストをよく見ました。

わが家のビデオカセットも、そんなもんになるんでしょうか。

ただ、象の墓場には高価な象牙も眠っているので、トレジャーハンターが躍起になって探し回るんですが、わが「VHSの墓場」にはお宝は皆無そうなので、いずれ息子あたりの手で廃棄されるんでしょうね(笑)

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