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500円映画の見つけかた

ホームセンターの隅によくある、DVDの安売りワゴン。そこは、ここでしか見つからないような「迷画」の宝庫だ。ワンコインで手に入るが誰も買わない、そんな映画を見てみたんだが……

ということで続けてきた「500円映画劇場」 ずいぶんとタコな映画を見てきました。

再三書いてきたように、この世界は「玉石混交(ほとんど石)」 いまだ「玉」には出会っていないような気はしますが、いつかは珠玉の傑作に出会い、500円玉ワンコインでそれをコレクションに加えるというラッキーを期待しています。

ところでその500円映画ですが、そもそもそれって何なんでしょう?

私が定義してたのは「安売りコーナーで売られている500円(くらい)の映画で、日本劇場未公開のもの

前説に書いてあるように、ホームセンターとかの量販店などにちょくちょく見かけるDVDの安売りワゴンが、その供給源。その価格はおおむね税込み500円ですが、しばしば値崩れして、一枚100円とかのケースもあります。

基本的には2種類があります。新品と中古品

中古品というのは、レンタル店から流出したものがそのほとんどで、「レンタル落ち」などと表示されていることも。管理用のタグが貼ってあったり、ジャケットが日焼けしているのが特徴。なので、ハリウッドのヒット作品などもまぎれこんでいますが、それはいちおう対象外です。画質などには問題ありません(デジタル時代だからね) ちなみに、販売権などの問題があるのか、大手の日本映画はほとんどありません。

そんなわけでいろいろ入り混じっているのですが、きちんと整理されていることは稀なので、山盛りになっているDVDの中から真の「500円映画」を見分けるには、それなりの知識と眼力がないといけません(大げさ)

もういっぽうの新品とは、正真正銘の新品。たいがいの場合、ひとつのワゴンに同じ映画が2枚以上同居していたら、それは新品です。

なぜそんなものがとお思いでしょうが、DVDというのは書籍などのような再販商品でないことがその理由です。

つまり「売れ残りが安売りされている」のです。

ね、玉石混交(ほとんど石)の理由がわかるでしょ。

ほかにも、テレビ流れのバラエティソフト、子ども向けのソフトや教育用ソフト、いにしえのカトゥーンアニメなども混在しているので、要注意ですね。

ついでに言っとくと、私が500円映画を購入する際に自らに課している鉄則がひとつ。

調べない

この趣味が面白いのは「一期一会」の縁があるから。だから、見かけたときには即購入するのがベスト。

もちろん、ワゴン全部を買い占めるなんてことは(いくら単価が安くても)できないので、その中から何本かを選ぶのは、自分の鼻と勘とが頼りなのですが、そのさいに下調べなどは一切しません。いや買い物のついでに立ち寄ることばかりなので、そもそも調べてからワゴンに向かう、なんてことはありませんが。

いまのネット社会ならば、どんな映画でも、たいがいはデータとか感想とかがアップされていて、サクサクっと検索すれば、その映画の基礎データや評価や感想が見られます。

でもそれを先に見ちゃあ、面白くない映画の評価は自分で決めるから面白いんです。

というわけで、基本的にミズテンで買うことになるのであります。

その結果は「500円映画劇場」をお読みいただければおわかりのとおり。クズ石ざくざくのボタ山を果てしなく掘り続けるハメになっているわけです。自業自得ですね(笑)

まあこうして続けていると、どうしたってお馴染みさんは出来てきます。

なんとなく見覚えのある男女優ができたり(そもそも名の知られた俳優に出会うことはめったにない)監督やスタッフ、とくにプロデューサーに見知った名前が増えてきたり。

あの映画の次にはこんなの撮ってたのか、忙しいねえ、とか、あんたまたこんな映画に出てるのか、ちっとは仕事選べよな、とか。

しかし、こうして見ても見ても、まだまだ見ていない映画がヤマのようにあるから、世界は広い。映画の世界は底なし沼

そんな500円映画にどんな存在意義があるかというと、じつはちゃんとあるのです。

誰が言ったのか忘れましたが、私が座右の銘にしている金言。

ピラミッドは下に行くほど面積が広い。クソの山だって底辺がいちばんでかい

映画の最高峰に君臨するような光り輝く名作、数々の賞を受賞するような傑作、世界中でビッグマネーを稼ぐヒット作、好き者たちに愛されるカルト人気作。

そうした高みにある映画たちの影に、いやその下には、それらを支える膨大な数の駄作が眠っているのです(あ、「駄作」って言っちゃったね、避けてたのに)

底辺を知らずして、頂点を知ることはできない(ホントかよ?)

映画を見る以上、底辺のヤスモノ映画を見ることにも、それなりの意義があるってご納得いただけましたか?

もっとも広大な底辺映画の荒野をさまようのに忙しくて、なかなか傑作映画を見るヒマができないんですけどね(笑)

これからも「500円映画劇場」をよろしく。

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