500円映画劇場「エイリアンシンドローム」
これを書くにあたって基礎情報を調べようと検索したら、同タイトルのゲームがあるんですね。もちろん、この「エイリアンシンドローム」とはまったく関係ありません。ゲームは1987年のアーケードゲームだそうですが、私はやったことないと思うな。
こちらは2005年製作で原題は「Alien Abduction」
アブダクションですよ、アブダクション。UFOマニアはみんな大好きアブダクション。
要するにUFOに乗ってやってきたエイリアン(異星人)に誘拐され、なんかいろんな検査とか処置とか手術とかされるっていうアレ。なかにはエイリアンと××したなんて言う事例もあります。アレン・ハイネックによる分類では「第4種接近遭遇」にあたります。
1961年に起きた(とされる)「ヒル夫妻誘拐事件」を嚆矢として、あんがい多くの事件が目撃、証言されています。なかには1986年には国連事務総長が目撃したという「リンダ・ナポリターノ事件」なんてものもあります。
またアブダクションにあっても、エイリアンたちの手によってその記憶が消去されるとか言うので、潜在的には事例はもっと多いのではないかとか。
ま、そのへんは「超常現象なんか信じない」のほうでお読みください。
さて、映画のほうですが……
山中のキャンプに来た若者カップル2組(よくあるパターン)が、何の脈絡もなくエイリアンにさらわれ、意識を失います。4人の一人のジーンが気がつくとそこは、なんだかよくわからない病院らしい施設。軍が管理しているとかで、妙に威圧的な医師や看護師が治療とか検査と称して、さまざまな圧迫、拷問を加えてきます。ジーンは施設内で脱走し、友人たちを救って脱出しようとしますが……
という具合に整理して書くと、なんてことはないようなストーリーですが、見終わってから思い返して整理したからです。
見ている間、とにかく何が起こっているのか、観客の側にもまったくわからないままストーリーが進むので、なんかイライラしますね。
いきなり何の説明もなく異常な状況に放り込まれる。これは大ヒットした不条理ホラー「ソウ」(SAW)シリーズにも似た感じのシチュエーション設定。ただ「ソウ」は2004年の作品ですから、すばやくパクったのか、それともたまたま似た感じになったのかは、まあ追求しません。
その不条理さを強調するのが、不安定極まりないカメラワーク。ふらふら動き回るだけでなく、異様に画面が狭く、登場人物の近接ショットばかりが続き、その周囲に何があるのか、何が起こっているのか見えないのが不安感を誘う……という目論見のもとに、わざとやっていると思いたいんですが、見ているほうはイライラが募るばかりで、まったく効果は上がりません。
まあヤスモノ映画ではよくあることで、スタジオやセットを使えない(おカネないからね)ので狭い建物内でロケしなくちゃならないがゆえの「窮屈」 このへんが、ちょっとはマシなヤスモノになるかどうかの境目で、これを避けるには屋外(それも何もない大自然の中とか)でロケをするしかないんでしょうが、この「エイリアンシンドローム」では、そうはいかないですからねえ。
ただ、残忍な拷問や虐待、そしてお馴染みの体内からのエイリアン出現などの流血シーンはなかなかのもの。この映画、こんなですがそもそもは劇場公開用なんで、そのへんはちゃんと(?)してます。ヌードシーンもちゃんとあるし。
そのヌードをご披露くださる主演女優、主役のジーンを演じるメーガン・リー・エシャリッジは、スレンダーで美脚でなかなか魅力あり。こういう美女がひどい目にあうのは、このジャンルの映画の醍醐味ではあります。彼女、日本で見られる映画はほかにないようですが、向こうでは何本もの映画に出て頑張っています。
さて、問題なのは「衝撃のラスト」
まあ予想がつかないではない程度のものですが、それなりにびっくりします。
なぜびっくりするか?
それは、このラスト、それ以前とまったく整合性が取れていないからです。それまでのストーリーを全部ひっくり返してしまう大ドンデン返し! もちろん伏線など一切なし! そりゃあびっくりしますよね。
まあ、その程度の映画です。けっきょくのところ、ヒマつぶし(それも相当のヒマ)くらいにしかならないという作品でした。
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