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悪魔が来たりて何かする
「悪魔」という言葉をいただいた映画は、どれくらいあるだろうか。
なんて、また変なことを思いついたもんだが、べつにデーモン閣下の歌を聞いたからとかではない。
悪魔が主役になる映画といえば、何といっても「エクソシスト」(1973年)と「オーメン」(1976年) それぞれの続編もふくめて、この2作を見れば、悪魔に関する映画についていっぱしの口をきいても許されると思う。
悪魔祓いという概念を世界中に
500円映画劇場「ザ・クローン」
トランプ大統領の誕生以来、アメリカではディストピア小説がベストセラーになって、ジョージ・オーウェルの『一九八四年』など、かなり古い作品までもがベストセラーリストに顔を出したりしています。なぜだかは、考えるまでもなさそうですが。
『一九八四年』も過去に映画化されていますが、そもそもディストピアものはSF映画の得意技のひとつ。たとえば……メンドクサイので自分で調べてね。
ちなみに「dystopia
500円映画劇場「ファイアーボール」
2009年のTVムービー。原題も「Fireball」 よく似たタイトルのタイ映画とお間違いなきよう。
薬物スキャンダルとDVでマスコミに追われる元フットボールのスター選手ドレイブン(アレクス・ポーノヴィッチ)は、妄想にとりつかれてカリフォルニアの田舎町で暴れ、留置場へ。その夜、留置場が火災にあい、あわれ元スター選手は焼死……と思いきや、なぜか驚異的な回復を見せたドレイブンは、強烈な熱エネルギーを
あこがれのナイトクラブ
先日、テレビの番組で赤羽にあるキャバレー「ハリウッド」が紹介されていた。昭和の香りが残る店内の様子を見て、行ったこともないくせに、妙に懐かしい気がした。
私がまだ少年だったころ、キャバレーというのはどこにでもよくあるものだった。どーんと店名が書かれた電飾看板は、ちょっとした繁華街には必ずあった。当時私が住んでいた高円寺界隈にもキャバレーがあって、夕方を過ぎるとハッピを着た兄ちゃんたちが盛んに呼び
未発売映画劇場「五十福星」
サモ・ハン、ユン・ピョウ、ジャッキー・チェンのゴールデントリオの人気シリーズとされる「五福星」「大福星」「七福星」の「福星シリーズ」が、じつはそうではなくて、サモ・ハンが製作したお笑い5人組によるユルいコメディシリーズであることは「ジャッキー・チェンと勝負する」でも再三ふれてきました。
その後ジャッキーとユン・ピョウが抜けた「十福星」、さらにサモ・ハンまでが抜けちまった「十五福星」もご紹介しまし
007/ジェイムズ・ボンドは10年もつ
007シリーズの新作「Bond 25」の監督に、スウェーデン出身の女性監督スサンネ・ビアが候補になっているという報道があった。もし実現したら、シリーズ初の女性監督である。かつて「男の子映画」の典型だった007シリーズも、ずいぶん変わったもんだ。
また、ここまで4作でジェイムズ・ボンドを演じてきたダニエル・クレイグが降板し、新たなボンド役を探してもいるらしい。「マイティ・ソー」でロキを演じているト
500円映画劇場「ジュラシック・プレデター」
前回は「エアポート一族」でしたが、今回はそれに劣らぬ大勢力の「ジュラシック一族」の登場であります。
1993年の「ジュラシック・パーク」に端を発したこの一族、昨年の「ジュラシック・ワールド」まで本家本元も4作あるわけですが、その後の「勝手にジュラシック」な面々を加えると合計で30本ほどもあります。なかなかの大勢力ですな。
ということで、今回の映画は「ジュラシック・プレデター」
はい500円映
クーデターで行ってみよう
ハヤカワ文庫の新刊で出てる『黄金の時間』が面白いぞ。
西アフリカのマリで起きた軍事クーデターを、アメリカ国務省の一局長が武力行使せずにいかに収束させるかというポリティカル・フィクションなのだが、著者が実際に国務省勤務でこのような場面を経験していたとかで、そのへんの事情がリアルに描かれていて、じつに興味深い。この手の作品では不可欠なのが、このリアリティなのだ。
といっても、ク-デターなんてそうそ
私をどこかへ連れてって
「ジャッキー・チェンと勝負する」で取り上げた「飛龍神拳」のところでもちょっと書いたが、「誰かをガードして目的地まで連れて行く」というのは、アクションやサスペンスのスタンダードな設定のひとつ。
ギャビン・ライアルの冒険小説『深夜プラス1』(ハヤカワ文庫から新訳版が出たばかり)がこの「誰かをガードして目的地まで連れて行く」(DGMTと呼ぼう)の典型。
『深夜プラス1』の主人公は、元・英国情報部のキ