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勝手に #本紹介 :スポーツビジネス編

私たちの活動拠点である愛媛県には、自転車のプロロードチームがありません。プロチーム設立の話はチラホラ出てきたり、菊池仁志も、以前、プロジェクト提案として県下の自転車文化フォーラムにて講演させていただいたこともあるのですが、未だ、プロジェクト自体も立ち上がっていないのが現状です。そんな中、個人的なSNSのつながりで本の出版のお知らせがあり、概要を参照したところ、とても興味深い内容でしたので、こちらでも紹介させていただこうと思います。

スポーツビジネスの「キャズム」

内容説明:
「地域密着」「プロ化」に立ちふさがる「キャズム(深い溝)」とは何か?
報道される新リーグ、新チームの成功は「キャズム」を越えているのか?
日本のスポーツが五輪後、コ口ナ禍後に発展するためのマーケティング理論を考える。
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晃洋書房より引用 '21.7.6:http://www.koyoshobo.co.jp/book/b584882.html

この内容説明にあるように、今後の日本のスポーツ発展のためのマーケティング理論を考える本です。(2021年)7月1日発売ということで、予約・購入してみました。今見てみると、電子書籍も出てますね!

編者:花内誠氏のプロフィールは以下が見やすいかもしれません。

編者が様々なスポーツビジネスに関わる中で出会った一つの理論。それが、普及学の理論「キャズム」であった、と、書かれています。そして、以下の引用に続き、「はじめに」を括っています。

…この理論との出会いが、これまで霧の中にあったスポーツビジネスの成功と失敗を分ける鍵の手掛かりとなる。
 この本はその手掛かりを追う編者の軌跡と、それを様々な角度から有識者の先生方に論考していただいたものである。これまでのスポーツビジネス関連とは異なる本となっている。まずは皆様にご一読いただき、ご意見を頂戴したい。
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引用:スポーツビジネスの「キャズム」初版第一刷 はじめに より

こうあるように、この本に答えが書いてある、これを読めば、ノウハウがわかるというスタンスで編集されているわけではありませんが、様々な角度からの知識を得て、幅広い視野を持つというのは、大切なことだと思います。一つのプロジェクトを立ち上げようというときに、参考になるのではないでしょうか。また、考えるべき問題点も様々見えてくると思います。

愛媛県の事例も掲載

この本の第一部に元サッカー日本代表監督の岡田武史氏が代表を務める、愛媛県今治市のJリーグのサッカークラブ「FC今治」の事例が紹介されていました。サッカースタジアムから、里山計画へ。愛媛県内のニュースでも取り上げられていました。里山計画の施工はこれから。具体的な夢への第一歩が開かれたところかと思います。今後にも注目しています(*'ω'*)

おまけ話:今治つながりで…

スポーツビジネスとは異なりますが、何年か前に、この今治市のある地区で地域おこしの活動をしている女性のところに研修に行ったことがあります。市町村合併で今治市も海側から山の方まで広くなりました。この方は山間部の農家の方です。農業に関わる中で、どうしたら地域の農産品に価値をつけられるか、地域の人が参加できる地域振興の形が作れるか、試行錯誤された話を伺いました。大学に行きなおしてビジネスやマーケティングといったことを勉強されたり、事業に必要とあれば、そう簡単に取れない資格を独学でいくつも取得されたりしています。また、活動に必要であれば公的団体として法人を立ち上げ、複数の団体の代表を務めるという、とてもアグレッシブな方です。また、著名な方を招致して何か企画を立てて牽引してもらうというのではなく、自分たちでやっていくという強い志をもって、地域の方々と共に事業を展開されています。かといって物腰は柔らかい。プロフィールは検索すれば出てくるのですが、ネットの情報以上に、様々な活動やエピソードが聞けました。表立った活動は目に見えるプロフィールの概要でしかわかりませんが、様々活動されていて、本当に素敵だなと思いました。

そんな多才でアグレッシブな方ですが、最初は失敗したそうです。それは地域おこしをボランティアで続けようとしたからだそうです。お話はいろいろ楽しかったのですが、「ボランティアでは続かない」と言われたこの言葉がその当時はいちばん心に刺さりました。競技に関わる中で、活動を継続し、拡張していくためには、ボランティア活動だけでは難しいということを肌で感じていたからです。

様々な活動をしていく中で、どういう視野を持てばいいのか。継続する仕組みを作る上で、お金のことは避けては通れません。スポーツ、地域おこし…様々な活動は夢を与えてくれますが、何かを運営していくためには、ビジネス、スポンサーしていただくための価値の創造、ブランディング、マーケティングといった考え方は必要ですね❣️