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カーリングとあだち充

カーリングとあだち充

カーリングとあだち充に直接的な接点はないと思います。
しかし、私はカーリングをみているとなんとなくあだち充の漫画を読んでいるような気持ちになります。
なんでだろう?と考えてたことを書いてみました。


あだち充の漫画

あだち充の漫画といえば野球が題材の「ナイン」「タッチ」「H2」「クロスゲーム」、野球ものの他にもの「スローステップ」「ラフ」「KATSU!」「QあんどA」などスポーツが主軸となる漫画が多くあります。中でも「タッチ」はあまりに有名です。現在は「タッチ」の約30年後を舞台にした「MIX」をゲッサンにて連載中です。
ちなみに私があだち充漫画に出会ったのは9歳か10歳の頃、年の離れた従兄が持っていた「ナイン」「陽あたり良好!」の単行本でした。どちらも全5巻だったので、この漫画家は5巻までしか描かないのか?と思ってました。


あだち充の作風

Wikipediaには「スポーツ漫画を多く描いているが、デビュー当初の経験から、熱血スポ根ものではなく、青春ラブコメディを得意としている。その一方で人間ドラマ志向が強く、劇画的な過剰さを避けつつも、シリアスな展開も多い。」と書いてあります。
一方であだち充と歴代担当編集者のインタビューが掲載された「あだち充本」にこんな記載がありました。

あだち充は「ラブコメ」の巨匠と言われるが断じて違う。彼が描いているのは「青春」だ。「恋愛」は青春の一部に過ぎない。そして「青春」には「友情」も欠かせないのだ。(担当編集者:市原武法)

あだち充本(2018 小学館)

納得です。
私があだち充の作風を上のWikipediaと同じ位の文字数で表すなら
「スポーツを通した青春人間ドラマを多く描いている。すっきりとした画面構成で、本質をついた洒落た会話やセリフのない心情描写を織り交ぜながら、時に力が抜け、時にシリアスな展開になる粋な漫画である。」


カーリングとあだち充漫画の共通点

私が考えたカーリングとあだち充の共通点は以下の通りです。

カーリングとあだち充漫画の共通点

そして共通する最も重要で本質的な要素は「青春」と「粋」なのだと思います。


青春

先に記載したようにあだち充は「青春」を描いています。「青春」で思い出すカーリングの動画です。(私のnote記事で2回目の登場)

一緒に練習してた頃の思い出は?の問いに関する話の中で
知那美さん「絶対同じことやってるじゃん。カーリングっていう でもなんかずっと青春が続いている感じがする。」
観ている私も長く続く青春をみているのだと思います。
この動画でもう一つ気になるのが佳歩さんのしぐさです。佳歩さんはあだち充の漫画にでてくるポーズと似たしぐさをよくする気がします。佳歩さんのしぐさは、なんとなく漫画的なんですよね。

あだち充的しぐさ


カーリング精神は「粋」

カーリング精神の文章には以下の記載があります。

カーラーは勝つためにプレーしますが、決して相手を見くだしたりしません。真のカーラーは相手の気を散らしたり、相手がベストを尽くそうとするのを決して妨げたりしません。不当に勝つのであればむしろ負けを選びます。
不注意にもこれが行われていると気がついた場合、その違反を真っ先に申し出ます。

日本カーリング協会 競技規則

この自発的・自律的なフェアプレーの精神はあだち充漫画に通じるものがある気がします。
タッチにこんなセリフかあります。

上杉達也が新田にホームランを打たれた後の柏葉監督と達也の会話
柏葉「おい、バカ。」
達也「あ、よびました?」
柏葉「なぜ新田と勝負した。」
達也「野球だから それに、 敬遠は一度覚えるとクセになりそうで。」

タッチ(24巻8~9ページ)

須見工の新田が三振に倒れ、甲子園出場を逃した後、須見工監督が新田にかけた言葉
監督「思いだしたよ、新田。 おれたちが目指していたものを…  甲子園なんてものは、ただの副賞だったんだよな。 その副賞に目がくらんで、相手のスキをついたりだましたり勝負を逃げたり、 そんなことばかりエスカレートされたんじゃ、教育者のはしくれとして心が痛い。」

タッチ(25巻30~31ページ)

あだち充は落語好きであることが知られています。「粋」なんですよね。カーリング精神も「粋」ってことなんだと思います。


カーリングをあだち充風に描いてみる

真似事でカーリング漫画の表紙的なものをあだち充風に描いてみました。

あだち充風イラスト

う-ん、なんかちょっと違うんですよね。頬から顎のライン、目のラインが特徴的で、このラインの再現が難しくてできません。

2023.01.08

イラスト画像差し替え 2023.08.16

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