肺炎を発症する
心筋梗塞日記その5
血栓が溶けたのを確認した2日後だったかな、ICUからHCUに移動することになりました。
HCUというのはICUと一般病床の間くらいの位置づけの重症度の患者用の部屋ということ。つまり順調に回復に向かっているということでした。
ICUの最終日くらいから咳がでるようになって痰も結構でるようになったのですが、そこまで重い感じではなかったので、まぁ手術後だしこんなこともあるだろうくらいな気持ちでした。
HCUには個室もありましたが、自分は個室ではなくだだっぴろいエリアにまばらにベッドが6つほど置かれた場所の端っこでした。
看護師さんたちの待機場所に近く、一般病床よりはケアされているエリアっぽいと感じる場所でした。
そのHCUに移動した夜。
急に息が苦しくなりました。本当に急にという感じ。
ただ、心筋梗塞の発作の時も急に息が苦しくなりましたが、その時とはちょっと種類が違う感じで、息がしづらいというよりも、息をするのを頭が拒否してるような変な感じ。
酸素吸入されてましたが、それが気持ち悪くて、頭がパニックになってて体を起こさないと気が狂いそうになる感じ。
看護師さんに寝ててくださいと言われても精神的に無理な感じでした。
これはなんだか様子がおかしいということで、深夜に担当の先生がきて(おそらく緊急呼び出しとかになってたかと)色々処置してもらってたらしいですが、かなり精神的にやばかったらしくけっこう記憶も曖昧な感じ。
強制的に呼吸させる?マスクをつけられたんだけど、これ外したら死ぬよと脅されたりしてたらしいですがそれでも勝手に外そうと自分がしてたらしく、手を縛られたりしてたような気がします。
そして呼吸がめちゃ苦しい。
たまに意識がもうろうとはするものの当然全然寝れない。
先生も看護師さんもいつの間にかいなくなり苦しいだけの時間が続く。
ただ頻繁にナースコールで看護師さんを呼んでは何とかしてと訴えてたそうです。
そしてそんな時間がおそらく数時間続いて、なんだか感覚がもうろうとしてて、現実か夢か分からなくなってて、やがてあぁこれきっともう死んでるんだよなって思いはじめていました。
これが死後の世界か・・・ってか死んでるのに苦しいんだけど・・・まさかこれ無限に続んじゃないよね・・・はやく楽にしてくれと絶望の中で嘆いていました。
今まで生きてきた中で一番苦しくて、そして今思うと不思議な感覚の時間だったな・・・なんだか境目にいた気がします。
そんな時間が朝まで続きました。よくあの時間を持ちこたえたな自分。
でも、朝になって、看護師さんなんかも出勤して増えてきて、そのころからちょっとづつ息苦しさが解消されてきて、「あ、生きてるんだ」って思えるまでに徐々に回復。
そして落ち着いてくるとともに、結構パニクってたのを思い出してめちゃ先生と看護師さんに迷惑かけたなと恥ずかしくなってきたり。
回復も急でした。昼にはやや息苦しいくらいでほとんど何もなかったかのようになってました。
その後は先生と看護師さんたちに平謝り。誰にもとがめられはしませんでした。あれだけ苦しそうなら仕方ないですと。優しかったです。
症状としては肺炎で、その後のレントゲンでは肺が曇りまくっていたそうです。
合併症?的なものなのか、そのあたりは分かりませんが、心筋梗塞と手術のダメージが肺にきたという事のようでした。
苦しさ的には心筋梗塞よりもはるかに上だったので、ここが自分の中で今回の入院のピークの時間でした(実はもう一山ありますが)
まさかこんなオプションがついてくるとは思わなかったですが、なんとか乗り越えられて良かったです。
あの時のことを思い出せば、今後何があっても、あれよりはマシと思えそうな気がしています。
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