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起業したらストレスで奥歯が割れた話

年表

2013年4月:Deloitteに新卒入社
2015年6月:資本金900万円で起業
2015年11月:1000万円を借金
2016年4月:起業当初の事業が大失敗(右奥歯が痛み出す
2017年3月:預貯金300万円、売上19万円、費用81万円。(右奥歯に激痛
2018年:とあるアフィリエイトジャンルで日本一になり奇跡の復活
2019年2月:千代田区のオフィスに引っ越し(右奥歯が割れていることが判明
2019年12月:上場企業に事業売却(インプラント完了。なんだか左奥歯も痛い。たぶん割れてる。

2015年6月:資本金900万円で起業

評価面談の時にDeloitte時代の上司に「起業するから辞める」と伝えたのですが、その時はどんな事業をするかは一切決まっていませんでした。それどころか、辞める時はまだ事業プランを考え始めてもいませんでした

決まっていたことは1つだけで、"失敗しても良いから世の中のためになることをしよう"くらいのものです。元コンサルとは思えない安直さです。

実は、中学生の頃から10万円を元手に株式投資をしており、Deloitte入社の頃には運用資金が3000万円を超えていました(コンサル時代にFXで1500万円を失う)。

なので、家族に借金したりとか、ベンチャーキャピタルから出資受けたりとかをする必要がなく、誰にも迷惑をかけずに好きな事業やれるという状況でした。

また、年齢も25歳と若かったため、一度の失敗くらいであれば再チャレンジできると考えていました。

手堅いビジネスより、おもしろいことやろうぜ!くらいの軽さで起業しました


2015年11月:1000万円を借金

図1


当初の事業アイデアは海外旅行情報の提供サービスです。

皆さん、海外旅行に地球の歩き方やるるぶを持っていくと思うのですが、海外旅行にガイドブックを持っていくというのは1800年くらいから変わっていません。

旅行のスタイルは変わっており、一度の旅行で数か国数都市訪れるというのも当たり前になっているにも関わらず、重たい本を何冊も持って歩くってアホらしいですよね。

そこで、海外旅行情報×GPSマップをオフラインでも使えるアプリを作ろうと考えました。街中歩いていて、自分がどこにいて、目の前にある教会は誰が作ったのか、お勧めのレストランはどこにあるのか、などを調べることができました。GoogleマップにWikipediaの情報が載ったものというようなイメージです。

まずは情報を集めて、Webサイト上で公開し、同時並行でアプリ開発をしていました。パリに滞在して取材したりと、かなりお金のかかる方法で泥臭くやっていました

結果、アプリをリリースする前にみるみるお金が減っていきます。Webサイトも公開したばかりではPVもなく、そもそも広告を一切貼っていなかったので売上はゼロです。

さすがにまずいということで、日本政策公庫から1000万円借金しました。元コンサルなので資料だけはそれっぽく作れました

資料


2016年4月:起業当初の事業が大失敗(右奥歯が痛み出す)

オフィスも借りていてスタッフもいたので、毎月100万円くらいの赤字でした。

大塚にあるマンションの一室で登記して、一緒に起業した取締役と住み込みで働いていました。まさに寝食忘れて働いていたのに減り続ける預貯金。

当時はお金があまりになく、スタッフが返った後のオフィスはエアコンも付けず、手袋しながら仕事をしていました。費用が多くかかった結果で赤字になっているのではなく、売上がないことが問題なので無駄な努力でした。

それでも、アプリさえ出せればと考えていました

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待望のアプリが2016年4月にリリースされました。プレスリリースの結果、国の機関から取材を受けたり、有名なインフルエンサーのブログに載ったりと上々な滑り出しでしたが、後が続きませんでした。

失敗要因①:海外旅行は季節もの
ゲームなどであれば日々プレイするので良くも悪くも一定数インストールされて、レビューなどが付きます。良いアプリであれば日々ユーザーが積みあがるでしょう。

しかし、海外旅行は多い人でも年に数回しかいきません。GWに旅行した人が次に海外に行くのは早くとも夏です。これではユーザーが全然積みあがりませんし、レビューなども貯まりません。

失敗要因②:収益化ができない
アプリの認知度が上がれば、都市ごとの情報+マップを有料ダウンロードさせようと考えていました。地球の歩き方の本を買うような感じです。しかし、如何せん認知度の上がるペースが緩やかすぎました。

オフラインで動くアプリを作ったがために広告掲載もできません。

認知度を上げるにはアプリの広告打つなどのプロモーションが必要なのですが、1円も生み出していないアプリに対して広告を打てるほどの余裕はどこにもありませんでした。

結局アプリは会社の救世主にはならず、数千ダウンロード(正確には覚えてない)というところで公開を停止しました。右奥歯が痛み出したのはこの頃です。

実現したい未来は悪くなかったと思うのですが、そこに至るステップが完全に抜け落ちていました。

こんな絶望的なタイミングで、元Googleアドセンスチームのリーダーである石田健介さん(かの売れまくった「Google AdSense マネタイズの教科書」の著者の一人)と、こちらもまた元Googleでスマホアプリマネタイズの第一人者である坂本達夫さん(業界で知らぬ人はいない有名人)が投資家として参画してくれました。

IPOを目指しているわけでも、EXITを目指しているわけでもないうちの会社に投資してくれた理由は今でも不明です。しかもこちらから投資をお願いしたのではなく、お二人から投資すると言ってくれました。本当に謎です。

ちなみにこの頃、大学生時代から付き合っていた彼女にプロポーズしました。事業はボロボロ、会社から給料を取っていなかったので貯金も50万円くらいしかありませんでした(しかも個人保証の借金1000万)。よく結婚してくれたなと思います。

捨てる神あれば拾う神ありとはこのことですね。


2017年3月:預貯金300万円、売上19万円、費用81万円。(右奥歯に激痛)

藻掻いている間にみるみるお金がなくなり、2017年3月頃には預貯金300万円で毎月60万円以上がなくなっている状況で、あと半年もたたず倒産が見えていました

もうマンションをオフィス替わりにする余裕もなく、3席しか置けない保育園横のレンタルオフィスに移転しました。園庭が真横なので、晴れた日は会話できないほど騒がしかったです(それはそれでパワー貰えましたが)。

もうこの頃には右奥歯では一切噛まないように気を付けていました。時々誤って噛んでしまうと激痛が走るようになっていました。

この頃、彼女のご両親に結婚の挨拶にいきました。懐の深いご両親で本当に良かったです。

その頃がどん底で、2017年の春ごろから、石田さん、坂本さんのアドバイスもあって収益は徐々に上向いてきていました。


2018年:とあるアフィリエイトジャンルで日本一になり奇跡の復活

アプリは大失敗しましたが、アプリ用にと思って収集した情報をWebサイト上でも公開しており、コンテンツ自体は良かったのでそれなりのPVになってました(この頃は50万PVくらい)。

私はマネタイズのマの字も知らなかったのですが、強力な投資家が入ってくれたおかげで状況が激変します。

サイトをSEO・広告最適化させていくことであれよあれよと収益が増えました

1万近い記事を公開しており、ホテル、航空券、ツアー、WiFi、物販、グルメと幅広い商材を様々な方法で紹介することができました。

結果として、アフィリエイトの知識が急速に貯まり、新規サイトを立ち上げやサイトの購入などを通じて売上が大きく増えました

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※1案件での売上

2019年2月:千代田区のオフィスに引っ越し(右奥歯が割れていることが判明)

資金的にも売上的にも余裕が出てきたこともあり、豊島区から千代田区に引っ越し、偉そうにワンフロア借りてます。スタッフも増え、10人体制となりました。

事業に多少の余裕が生まれたこともあり、歯医者に通い始めました。痛みを感じ始めてから3年越しで、ようやく右奥歯が割れていることがわかりました。

歯医者曰く、ストレスで寝てる間に歯ぎしり&食いしばりをしていたのだろうとのことです。


2019年12月:上場企業に事業売却(インプラント完了。なんだか左奥歯も痛い。たぶん割れてる。

キャプチャ

元は旅行サイト1つでしたが、今では10以上のサイトを運営しています。その中の一つを上場会社に売却したり、サイト売買事業を始めたりと、新たな動きも始めています。

ただ、ようやく会社っぽくなってきたとはいえまだまだこれからです。従業員が増えたことにより、今までなかったプレッシャーも増えています。

11月にようやくインプラントが完了しました。歯が割れていることがわかってから半年以上と50万円もの費用がかかりました。

そして恐ろしいことに次は左奥歯が痛いです。右奥歯と同じ痛みなので、たぶん割れてます。


まとめると、このnoteで言いたかったことは、

起業するのは歯が割れるくらいしんどい。

ということと、

皆さん、忙しくても歯医者には行きましょう。

ということです。


#起業 #アフィリエイト #経営 #歯が割れた #歯医者  

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