見出し画像

『アメリカ暮らしの素人投資-6: 投資する前に必ず確認すべきこと!』

日経平均がバブル期のピーク値まで上昇したため、再び株に注目が集まってますね。今まで株の話なぞ一切したことがない友人とも投資の話になり、おやっ!?と思っています。

ですが、驚くのは、高学歴・高所得の人でも案外投資については知らないということ。これ、単純に普段からファイナンスについての情報をコツコツ集めて実践しているかどうか、慣れやなじみの問題だと思います。頭の良しあしや、投資資金の多い少ないの問題ではない。単純に「興味があるか・知る気があるかどうか」の話。

投資を開始したい方にお勧めなのは、投資信託(Mutual Fund)の一種であるインデックスファンドに毎月積み立てで投資(ドルコスト平均法)する手法です。

*ちなみに投資信託(ファンド)とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金(ファンド)としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品。『アメリカ暮らしの素人投資-2: 機会損失を回避する』を参照ください。

投資したいと考えた時には、まず事前に調べるべきこと=ホームワークをやらねばなりません。ですが、大変重要なのにもかかからず、多くの人がしないホームワークがあります。それはファンドを買い、保有するのにいくらかかるのか?を調べること。日本人よりは投資になじみがあると思われるアメリカ人でも半数以上が調べてないと言われるぐらい、調べてない。

楽しいことは知りたい、楽しくないことは知りたくない。
(ついでにめんどくさければさらにやりたくない。)

だから、このファンドはこれまでどれくらいリターンを出しているか?など、儲けそうな金額はせっせとチェックする一方で、出ていく費用については調べない・調べたくないってとこでしょうか。

ですが、費用はリターンを食っていくものです。10%のリターンに3%の手数料がかかる投資信託と、8%のリターンに0.5%の手数料がかかる投資信託ならば、前者は7%、後者は7.5%で、後者のほうが入ってくるお金が多くなります。が、リターンばかりを考えていて、出ていくお金を見落としている人が多すぎるということですね。(*ついでに言えば、401(k)など節税効果がある年金口座を使って投資することも重要です。)

そのためには、興味を持った投資信託の「購入手数料」と「信託報酬」がいくらかを調べる必要があります。

購入手数料・販売手数料 Sales charge/Sales load/Shareholder fee/Shareholder transaction expense/Commission:買うときにかかる費用 。
信託報酬 Operating expense/Management fee/Expense Ratio:保有期間中にかかる費用

アメリカの販売(購入)手数料により、信託投資には主に以下のような分類があります。

1.Front-end Load Fund (Class A Share):購入時に手数料を徴収。購入時に払った金額から手数料を引かれた残額が実際の投資に回ることになる。
2.Back-end Load Fund (Class B Share):購入時に払った金額の全額が投資に回るが、解約時に手数料が差し引かれる。ただし、購入後1年以内なら5%、2年以内なら4%・・・というふうに、数年保有すると手数料が0になるのが一般的。
3.Level Load Fund (Class C Share):購入時や解約時ではなく、年間手数料として平らにならして手数料を徴収する。

また、購入手数料がかからないノーロード(No load)タイプの信託報酬が人気ですが、年間報酬など他にどんな費用がかかるかは、細かく調べる必要があります。ノーロードでも年間報酬料が高い場合もあります。

そのためには、オンラインで検索して目論見書 (Prospectus)を見るのが一番です。目論見書とは、投資家にとって投資判断の基準となる情報が入った説明書です。オンラインで入手可能です。

Vanguard社のS&P500のインデックスファンドVFINXの目論見書 (Prospectus)

画像1

Shareholder Fee: 購入手数料・販売手数料など株主が払う費用
Sales charge (Load) Imposed on Purchases: 購入時に課される販売手数料(ロード)。証券会社などブローカーに支払われる費用。
Purchase Fee: 購入費。ファンドに対して支払われる費用。
Sales Charge (Load) Imposed on Reinvested Dividends: 配当金を再投資する時に課される販売手数料(ロード)。ブローカーに支払われる費用。
Redemption Fee: 償還手数料。短期間で売却するときにファンドに支払われる費用。
Account Service Fee Per Year: 年間あたりの口座維持費。ファンドに対して支払われる費用。

Annual Fund Operating Expenses: 信託報酬など毎年のファンド運用にかかる費用。
Management Fee: 運用報酬。ファンドマネージャーに対して支払う費用。12b-1 Distribution fee: 販促・マーケティング費用。広告や資料の配布、プロモーションに使われる費用。特にClass C Shareで高くなる傾向あり。
Other Expenses: その他費用

また、いきなり目論見書(Prospectus)を見る前に、複数のファンドを比較検討するために大雑把な信託報酬の額だけでも頭に入れておきたければ、格付け会社Morningstarのサイトなどでも簡単な情報はとれます。
Expense Ratioで信託報酬の%が出てきます。
*ですが、購入手数料の情報は別途しらべる必要があります。

画像2

めんどくさ~と思うかも知れませんが、それほど難しい英語ではありませんし、そもそも数字は英語ですらないですし(笑)。私のように、数字が嫌いという人もいるでしょうが、ここは頑張って見ましょう~。費用はだいたい目論見書の初めにでてきます。

また、「ファンドマネージャーがアクティブに運用をする投資信託は、手数料が高くなっているものの、その分リターンもずっと高い」と考えている人が多くいますが、過去のデータではそれは証明されていません。リターンが多少高いファンドでも、手数料で相殺した後は、インデックスファンドなど手数料が低いファンドとの差がつかなくなっていくというわけです。

また、素晴らしいパフォーマンスを上げたマネージャーも、業績にはアップ&ダウンが必ずあり、長期的に見れば差別化がつかなくなっていくともいわれています。

ちなみに、アメリカは日本よりも購入手数料ならびに信託報酬が安いです。というか、日本の投資信託に高いものが多すぎのようです。

アメリカの購入手数料は、法律で最大8.5%となっていますが、実際は3-6%が多い。

また信託報酬(Expense ratio)の平均は、アクティブ運用の投資で0.5-1%、パッシブのインデックスファンドでは0.2%程だそうです。ただし投資する商品のカテゴリーで開きがあります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?