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「神山まるごと高専(仮称)」の紹介です。

まずはホームページから引用、どうぞ!

(ここから引用)

『自らの意志と向き合い
自分で未来を選び、決められる歳。

とても大事な時期にどんな世界へ飛び込むか。
それは、人生における最初の最大の選択です。

「学校」という言葉で
世間の人々が想像する世界を凌駕する、
新しい選択肢を、
皆さんのために準備しています。

人間の未来を変える
起業家たちが創る新しい学校、
神山まるごと高専。

2022年9月
一期生 募集開始予定』

(引用終わり)

高専。一期生。神山。まるごと…?
なかなかに「今までの学校とはちょっと
違うのでは…?!」という雰囲気を
漂わせている文言ですよね。

本記事では、この新しくできる
『神山まるごと高専(仮称)』について
書いていきます。

まず、地理的な話、「神山ってどこ?」

国は日本。県は徳島県。市町村は神山町。
淡路島から鳴門海峡を渡って鳴門市に入り、
さらに進めば四国の東の端っこ、
「徳島市」に着きます。県庁所在地です。

そこから国道438号線、
南西に自動車で一時間ほど走れば、
「神山町」に着くことができます。

…はっきり言って、田舎、です。

千メートル級の山々、水田、清流。
うん、素晴らしい自然、でも
日本の地方ならどこにでもある風景…?

しかしこの神山町、少しでも
地方創生に関わっている方であれば、
一度は聞いたことがある、かもしれない場所。

…人呼んで『地方創生の聖地』なのです。

なぜ、そう呼ばれるようになったのか?
その「歴史」から説明をしていきます。

1997年、徳島県は神山町に
「国際文化村」を設けることを発表。
この流れで1999年、町内の実業家たちが
「神山アーティスト・イン・レジデンス」事業
をスタートさせます。
2004年に「NPO法人グリーンバレー」
名を改め、町から受託した「移住支援事業」や、
「緊急人材育成支援事業」などを行いました。

同年、都会からの人が移住しやすいように、と
過疎地の山間部としては(当時)とても珍しく
「光ファイバー網」を完備!

そうして情報インフラが整ったところ、
2010年、クラウド名刺管理サービス企業
「Sansan」が、古民家をオフィスとして
初めてこの町に移転してきます。


その時の理由を、Sansanの日比谷さんは
こう振り返っていますので、どうぞ。

(ここから引用)

『前のオフィスのデザインをしてくれた
建築家が社長や自分の大学の同級生で、

神山で空き家改修のプロジェクトを
していたときに、
「徳島県に光ファイバーが
張り巡らされた町があって、
古民家の再生プロジェクトを
やっているから来てみなよ」と
彼が言ったんですね。

そこで、社長が神山に訪問したときに
グリーンバレー理事長の
大南さんと会って、

「エンジニアにシリコンバレーみたいな
仕事環境が欲しい」というお話をしたら、
「じゃあ、やってみますか」という
話になったのが最初のスタートでした(笑)。

狙いとして当時は、開発メンバーの
クリエイティブに集中出来る場所があると
いいんじゃないかということで使っていて、

もう一つは、社員間のメールを撤廃して
チャットだけにするなど、
自分たち自身の働き方を
古いものから変えていこうという時期だったので、
その施策の一つとしての
サテライトオフィスという存在でした。

(中略)

実際にやってみてからは、
最初は暖房がなくて、秋からは寒くなり、
手がかじかんでタイピングが
出来ないみたいな(笑)。
暖房器具はこたつしかなかったので、
こたつの中に4人が入って、
寒いから出られなくて
トイレに行くのも我慢していました。

そういう意味では
チャレンジングでしたね(笑)。』

(引用終わり)

…このようなSansanのチャレンジングの噂が、
他の企業にも徐々に伝わっていきます。

「ダンクソフト」(本社・東京)や、
「キネトスコープ社」(本社・大阪)など、
業界で名の知れた企業が続々と
この「秋からは手がかじかむ」神山町に
サテライトオフィスを置くようになったのです。

折りしも、2011年の東日本大震災、また
2020年頃からのコロナ禍…。
「リモートワーク」「地方への移転・移住」
トレンドワードとして挙がっていきます。

2015年には、49歳以下の若手町職員
および住民等約30名たちが
神山町の創生戦略・人口ビジョン
「まちを将来世代につなぐプロジェクト」
公開しました。

こうして、神山町は、山の中の過疎地なのに、

先進的なテクノロジー・ベンチャー企業が
ひしめいて存在する町
として
成長してきた、というわけです。

…だいぶ前置きが長くなりました。
ただ、この地理と歴史を書いておかないと、
「神山まるごと高専(仮称)」について
半分もわからないのではないか。

そうなんです、この学校、本当に文字通り、
「神山町」が「まるごと」詰まっており、

地域・町政・住民・企業・学校、
そういう枠を全部とっぱらった
「新しい学校」なんです。


そのあたりを説明して、まとめます。

…ふつう学校は、街や住民、企業からは
「隔離」されていますよね。
学校は学校だ!みたいな感じ。

もちろん小学校なら、
地域の見守り、参画もあるかもしれない。
しかし現在の日本、昔ほど
地域のパワーも保てていないところも多く、
学校は学校の文化、世界で生きている。
そんな「枠」や「壁」が、多い。

ましてや「高専」です。
15歳から五年間。
それを「神山」が「まるごと」。

そう、この学校は、
まさに学校のスタートアップとも言うべき、
新しい学校像を模索している
のです。

ホームページの「コンセプト」より引用します。

(ここから引用)

『テクノロジーは今の時代の公用語。
デザインは未知の価値をカタチにする必須スキル。
そして、起業は
人間の未来を変える確度の高い選択肢。

そんなふうに考える神山まるごと高専は、
10代のこの時期こそ
この3つの分野を同時に学ぶ学校です。


インプットだけでなく
アウトプット重視の授業は、
様々な分野を学問として学ぶだけでなく、

実践的な知識やスキルを身に付け、
15歳から20歳までの5年間で
未来を変える力を身につけた
独自の人間を育みます。』

(引用終わり)

この学校は、どんな人間を
育てることを考えているのか?
ずばり、一言、書いてあります。

『モノをつくる力で、コトを起こす人』

…こういう学生は、これまでの学校の枠でも
何人もいました。しかし
最初からこういう人を育てますと宣言して、
新しい枠組みの中でイチから育てる。
こんな学校は、なかなか無かったのでは。

チャレンジし続けてきて、
結果を出してきた町、神山町だからこその
学校、なのではないでしょうか?

興味の出た方は、ぜひ一度、
覗いてみてはいかがでしょう。

以上、本記事は
「神山まるごと高専」の紹介記事でした。

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