天下、国家、故郷、通勤、ぜんぶ地理
地理=ジオグラフィック ほど
範囲の広いものはない。
この地球中のあらゆることが
「地理」の守備範囲内だ。
その懐の深い地理を
哲学者のカントは激推しした。
イマヌエル・カント。
ドイツの哲学者。
しかし彼は、地理学者でもあった。
ドイツのケーニヒスベルク大学では、
地理学の講義を「48回」も行ったそうだ。
論理学54回、形而上学49回、道徳哲学28回、
人間学24回、理論物理学20回。
これらの講義の回数からを考えると、
カントが地理学の重要性を
いかに推していたのかがわかる。
でもなぜカントは
地理学をここまで推したのか?
…この世の「理」(ことわり)を
考える哲学においては、
「空間のことわり」を
考える地理学が必須だからだ、と思う。
(このあたりを詳しく知りたい方は、
『地理からの八艘飛び』という
note記事を以前に書きましたのでぜひ!)
自分の想いを文字化して
投稿するという、
一種の哲学を行っている
LinkedInの読者の皆様におかれては、
何かしら世の中の理、
特にビジネスに関する理を
知ろうとする方が多い、と思う。
となれば、ぜひ、地理も。
さて、その地理だが、
あまりに範囲が広いゆえに
人によりその印象が違いすぎる
(受けてきた地理の授業にもよるが…)。
「日本海側と太平洋側の気候の違いとか」
「農産物、とか覚えるやつ?」
「石油の産出国ナンバースリー?」
「コンビニの出店場所の考察も地理?」
「帰省とか方言とかも地理…」
うん、全部、地理、ですね。
地理学的には、大きく2つに
分けている(概要です)。
①自然地理…自然に関する地理(気候とか)
②人文地理…人間が関わる地理(文化とか)
とはいえこれも、どちらかだけ学べば
良いというものではない。
人間の営みは自然に影響を受けるし
自然を活用してきたのも人間だから。
ほら、夏の甲子園大会も
雨続きで順延しまくってますよね?
(2021年8月14日現在、連続順延)
人間も生き物。
暑い寒いには影響を受けるし
気圧が低くなれば頭も痛くなる。
日本では四季があるのが当たり前だが
この世界には四季がない国も多い。
農林水産業はもちろん
鉱工業や都市経済にも
気候は大きく影響を及ぼす。
直接的、あるいは間接的に…。
「はいはい、わかりました。
でも、これからは5Gの時代、
ネットやデジタルの世界には
地理なんて関係ないですよね?
テレワークとか、空間を飛び越えて
働けるんですから」
…そう思いますか?
いや、私はこの時代だからこそ、
地理の重要性がより高まっている、
と思う。
なぜなら「自分とは異なる
地理環境、ひいては文化を
背景とした人たちと触れる機会が
どんどん増えるから」である。
…読者の皆様の「つながり」は、
日本の方だけですか?
大きくは「この世界の多様性」。
小さくは「今いるココの特質」。
そういったものを捉える上でも
地理の知識や理解は
欠かせないのではないでしょうか?
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