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歴史の教訓を生かそうとした際に、
各時代に共通して応用できる部分
共通せず独自に考えるべき部分がある。

「成功は、その瞬間から毒性を持つ」。
そのような記事を書いた↓

今回の記事では、その教訓を
江戸~戦後までの歴史に
あてはめて考えてみたい。
どの時代が良い悪いでは、ない。
あくまで「成功の毒性」という観点で
お読みいただければ幸いです。

海禁政策。いわゆる「鎖国」の用語で
知られる江戸幕府の政策。
「キリスト教の禁止」「出島」
「ペリー来航」などが脳裏に浮かぶ。

江戸時代、日本は
対外政策に消極的だった
(長崎の出島や密貿易などで
貿易は行なわれていたが)。

なぜか? いろいろな理由はあるが、
江戸幕府による国内の統治に
都合が良かったからだろう。例えば、

①貿易の利益を幕府が管理できる
(各地の大名に勝手に貿易させない)
②キリスト教的な考えが広まらない
(神の下の平等は支配に不都合)
③新しい発想や技術より先行事例順守
(新しいものは支配に不都合)

これは、成功した。
なぜなら、約260年もの間、
江戸幕府は日本を支配できたのだから。

しかし、長い目で考えると
この成功が持つ「毒性」が
広く浸透した時代だ、とも言える。

①財政的な観点が発達しにくかった
②平等的な視点が発達しにくかった
③技術や思想の開発が進まなかった

要するに、国内統治には良かったが、
欧米諸国に比べ、国力に
とんでもない差がついたのだ。
江戸時代では平賀源内など、
力のある発明家は活躍できなかった。
船の大きさにも制限がかけられて
勝手に大船を建造できなかったのだ。

「こりゃいかんぜよ」(by坂本龍馬)。

明治新政府は、
この江戸幕府の「成功の毒」を
「解毒」しようとする。

①(経済)殖産興業:お金を稼ぐ
②(平等)四民平等:武士を無くす
③(技術)文明開化:欧米技術輸入

こういう政策を進めたのも、
逆に考えれば、いかに「江戸幕府の毒」が
強かったか、という証左だ。

こうして、近代日本は始まる。
しかし、新たに始まった「成功」は、
さらにまた毒性を持つ。
日清戦争・日露戦争を経て
「一等国」の仲間入りをした日本は、
次第に国際的な孤立化の道を歩んだ。
その時に思い起こされたのが、
江戸時代の統治。

①欲しがりません、勝つまでは
②地主・財閥などが経済を寡占支配
③日本は神国、大和魂

こういうものは
「国内統治」に役に立つのだ。
江戸時代が、そうだったように。

ただしその行きついた先は、
皆さんもご存知であろう。
戦後日本は、この「成功」の毒を
解毒しようとする。

①ギブミー、チョコレート
②農地改革・財閥解体
③建国神話などは教えない

こうして始まった戦後日本も。

その「成功」がまた「毒」となり
逆コースに…(以下、繰り返し)。

歴史は不可逆的なもので
常に新しい時代が訪れる。
しかし、繰り返す面もあるのだ。
特に人間性に基づくものには…

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