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「CtoC」への回帰 ~ただしトラブルには注意~

ちょっと歴史で味付けしつつ、
CtoC、個人間取引について
文章を書いてみたい。

CとはConsumer、コンシューマー、
つまり「消費者」のことである。
消費者と消費者との取引、個人間取引。
この形態が非常に増えてきているのは、
読者の皆様も肌感覚で感じる、と思う。

例えば、「メルカリ」

家にある不用品を売ることが、可能だ。
トイレットペーパーの芯のような
「こりゃ売れないでしょ」というものも、
子どもの工作用に買う人がいる、という。

そこで活躍するのがIT機器、
要するにiPhoneとかスマホとか、だ。

たぶんデスクトップPCしかIT機器がなければ
ここまでCtoCが浸透することは無かったろう。
手の平の中で操作できるからこそ、
いち消費者が気軽に取引できるようになった。
「お、出品したモノが、売れたぞ」
これがすぐに手元で分かる時代なのである。

だが、つい忘れがちなことだが、
こんな状況が生まれたのは、最近の話だ。

スマホの「iモード」サービス開始が1999年。
iPhoneの日本発売は2008年
(アメリカでは2007年)。
…つまり、本記事執筆時の2021年から見ると、
たかだか10~20年前程度のこと、なのだ。

この10~20年で、末恐ろしいほど
CtoCは進んだ、成長した、のである。

ここで少し、
昔を思い出してみよう(中年世代なので)。

例えば阪神淡路大震災・オウム事件の
1995年あたりだと、
スマホやiPhoneは、まだ、ない。

電車の中でスマホを見ている人は、いない。
もしこの頃に、CtoCしようとするならば、
けっこう、というか、かなり難しかった。
同人誌における「コミケ」のような
「マーケット」が成熟しているならまだしも、
トイレットペーパーの芯を
どこかの不特定の誰かに
売る、などということは、しにくい。

もっと歴史をさかのぼれば、

PCやネットが普及する前は、
アナログな広告にて商品を宣伝する、
しかなかった。
そもそも、どんなものを誰が売っているのか
情報が届いていかなかったのである。

TVCM、新聞広告、カタログ、折込チラシ…。
そういうものでしか、届かなかった。
当然そこには「B」つまり、
ビジネス、企業が、がっつり介在する。
純粋なCtoCは、半径〇キロメートルの、
目に見える範囲でしか、
なかなか成立しづらかった
、のだ。

ただし、と考える。
もっともっと歴史をさかのぼると
(どこまで行くんだ、という話ですが)

「B」すなわちビジネス、企業が
あまり存在しない古代においては、
貨幣すらあまり浸透しておらず、
人間は「物々交換」をしていたそうだ。

山の民は、獣肉や木の実や炭、
海の民は、魚肉や貝や海藻、
そういうものを取ったり加工したりして、
それに見合う品と交換していたのだ。

その交換する場が「市(いち)」だ。

その「マーケット」が、次第に膨らんで、
貨幣にて専門的に商品を扱う「店」ができ、
「輸送業者」「管理業者」などが現れて、
次第にC(個人)からB(企業)へと、
商売の主体が移行してきたのである。

だが、あまりに売れすぎると嫉妬を買い、
盗賊たちに商品を奪われたりする
危険性もあるから、「護衛業者」すなわち
「用心棒」、なんていう職業すら現れた。

…そう考えていった時に、

昨今のCtoCの隆盛は、ひょっとすると
「古代への回帰」という一面もある、
のではないだろうか?

本来、ものづくり、つまり、
誰かに欲しいと思ってもらえる
モノを生み出すことは、楽しいこと。
感謝されれば、なおのことだ。
それがオカネをともない、
利益まで出るのなら、さらに嬉しい。

物々交換の時代では、
もちろん「生きるために」交換した、
という面があるにせよ、

必要とする誰かのために何かを渡す、
そこには得体の知れない「商衝動」
商売の楽しみ、とでもいうべき
感情が働いていた
のではないだろうか?

そろそろ、まとめていきたい。

CtoCが巨大な「市場」となってきたのは、
ごく近年のことである。
それには、手の平で扱える
「IT機器」の発達が影響している。

だが、こんなにも
「CtoC」が盛り上がっているのは、
古代から近現代に進むにつれて
「B(企業)」に奪われてきた、
「商売の楽しみ」を、一人一人が
思い出してきたからではないか?

本記事で書いてきたことを
短くまとめると、こんな感じである。

これから先、CtoCは
ますます発展していくだろう。
もちろん、表面上は個人間取引とは言え、
メルカリやAmazonに代表されるような
「B」がひそかに介在するだろうが…。

こんな中で、私たちは生きていく。

ただ一つ注意すべきことがあるとすれば、
CtoCは感情を伴う個人間での取引
であるがゆえに、
「個人間のトラブル」も起きやすい、
ということだ。

それを未然に防ぐためにも、
うまく「影に控えるB」を「活用」し、
すなわち「用心棒」を意識して、
どのサービスにはどんな自衛法があり、
どんな危険があるのかを考えた上で、
楽しいCtoCを心掛けたい
ものである。

LinkedInなどのSNSは、
個人と個人との間でやり取りができるため、
その感覚を鍛えるには良いツールだと思う。

…え、なんでCtoCでは、
トラブルが起きやすいか、ですって?

個人と個人との間のCtoCでは
個人と企業ほどの差が感じられないがゆえに
「くそっ、うまくやりやがって!」
「自分はまだうまくいっていないのに…」
という「嫉妬」の炎が燃えやすいからだ。

「Cto」だけに。

おあとがよろしいようで…。

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