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開拓者。常識を超えて、新しい常識を創る人。

私が「これは人類史上のザ・開拓者だなあ」と
思う人は、「最初に火を使った人」です。

太古の昔。雷などが落ちて山火事に、
めらめらと森の木などが燃えていく…。
または火山などの近くで噴火により、
溶岩が流出、火が燃え広がっていく…。

太古の人類にとって、
まだ火を使用していない頃は、
「火」=何か得体の知れない熱い現象、
神か悪魔か、普通ではない妖しい現象、
としか思えなかったと思えます。
触れないし。触ったら「アチチッ!」だし。

でも、勇気ある誰か(向こう見ずの蛮勇?)が、
枝を近づけ、燃え移らせたんでしょうね。
それを、仲間に自慢したのかも。
「ウホホ、ウホ、ウホー!」
(どうだ! 俺はこのよくわからない
広がる熱い光るものを持っているぞ!
凄いだろ! 俺に頭を垂れてつくばえ!)。

…そのうち、草や森に移して、
仲間から非難を浴びたりして。
「ウホホ、ウッホ、ウホホ!」
(ちょ、待てよ、お前何やってるんだよ!)
それでもめげず、何とかこの現象を
使いこなす工夫をして、人類に「有用」なものに
ちょっとずつ変えていったと思います。

じきに「火を操る人」なども出てきたでしょう。
最初は「魔法使い」的な感じで。

火に関する知識がたくわえられていって、
それが他の部族などにも伝わっていって、
「火は、怖いけど、うまく使えば
夜の明かりに使えるし、料理にも使えるし、
けっこう便利」となっていったのでは…。
(『ひょっとこ』も『火男』が
語源と言いますし、火をうまく操れる人は
昔から畏敬の念を持たれていたんでしょうね)。

この、火。
科学的に言えば「燃焼現象」。

特に「食べ物」「調理」の点では
激烈なほどの効果を発揮
しまして。
火(熱)を使って調理できるようになったことが、
人類の脳の発達を促した説もあるほどです。

牡蠣の例を見てもわかるように、
「加熱」は食用の安全にとても効果があります
(一度でも「生牡蠣」で当たった人は
骨身・内臓に染みてわかるかと…)。
また、卵を加熱すると固まるように、
たんぱく質を固める作用もありますので、
栄養を効果的に摂取しやすくなる。

米飯の例でもわかるように、
加熱で柔らかくなり、食べやすくもなります
(生のお米は固いですもんね…)。
特に、乳幼児や高齢者など、
歯が不十分な人は、柔かい料理がありがたい。
太古の野性的な人類は、歯が欠ける=死という
時代も長かったでしょうから…。

というわけで、「調理」ひとつをとっても
「火」が人類の歴史に及ぼした影響は
それこそ凄まじいものがあった
ように思うのです。

リチャード・ランガムという
ハーバード大学の人類学者が、
『火の賜物―ヒトは料理で進化した』
という本を出しています。
曰く、「火」と「料理」こそが
人類の、ヒトの脳を大きくさせて、
女性の役割を変えた、とのこと。

もちろん、火と料理「だけ」ではない、
とは思いますが、
人類の「進化」にはそういう一面もあるのかなあ、
と思うところです。
最初に蛮勇を振るい、火を取り出し使い出した、
名もなき「開拓者」に、
今の人類は感謝すべき、なのかもしれません。

ただし、補足ですが。

火は、使い方によります。
火によって被害を受ける人も、たくさんいます。

料理にも使えれば、人を殺める武器にもなる…。
発電にも使えるが、爆弾にもなる…。
火、燃焼現象自体に、善悪はありません。
火をどう使うか、どう燃やすか、
どう管理し、どう燃え広げさせるのかは、
あくまで人間次第、なのです。

さて、読者の皆様は、いかがでしょう?
どのようにして自分の心を
「燃焼」させていますか?
その「熱すぎる燃焼現象」は、
周りに、利便性を与えていますか?
…それとも、損害を与えていますか?

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