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95校が出場、88チームが参加!

茨城県の「夏の甲子園」の予選です。
2024年は、7月6日に開幕しました。

本記事では、県予選を眺めていて
思ったこと、気づいたことを
色々と書いてみたい、と思います。

まず「総論」から行きます。

春のセンバツでは「21世紀枠」などがあり、
また地方大会で優秀な成績を収めた
チームが「選抜」されることもあって、
必ずしも「不敗」のチームだけが
甲子園に行ける、わけではありません。

仮にどこかで負けても
「センバツ」される可能性が残される。
…しかし「夏の甲子園」には
明快にして残酷な原則があります。

一回でも負ければ甲子園には行けない!

そう考えると、
今回、88チームが出場しているうち、
夏の甲子園に行けるのは
たったの1チームだけ、なのです。

他の87チームは、どこかで、負ける。
ましてや夏の甲子園大会は
「負ければ三年生は引退」が原則。

ずらりと並んだ88チームのうち、
勝ち残れるのはたったの1チームだけ…。

そう考えますと、
「甲子園に出場する1チームを決める」
という大会であると同時に、
「三年生が引退する87チームを決める」
言わば「87チームを『負けさせる』」
という側面があるんですね。

涙を流して高校野球に一区切りをつける。
制度的にも、精神的にも。
無理やりにでも一区切りを「つけさせる」。
そんな役割もある大会、なのです。

この総論を踏まえて、各論を考えます。

◆連合チーム
◆健康問題
◆応援について


まず「連合チーム」について。

野球には最低九人の選手が必要ですよね。
「レフトとライトなしで七人でやります!」
草野球ならそれもありかもしれませんが、
基本、そういうことはできない。

しかし、少子化の時代です。
野球部に九人の部員がいないこともある。
その場合、どうするのか?

「連合チーム」で出場するんですね。

例えば2024年の茨城県予選において、
次の5チームは連合して出場しています。

◆那珂湊・水戸三・茨城東
◆波崎柳川・玉造工
◆江戸崎総合・潮来
◆結城一・三和・総和工
◆つくば工科・つくばサイエンス


このうち茨城東は、昭和58年に
甲子園出場を果たした公立高ですが、
現在は四人しかいない。
結城一は、パキスタン出身の
カーンヤシン選手が主将を務める
選手三人だけの高校です。

その一方で、水戸三高は
令和六年、つまり2024年に
部を創立した高校で、
一年生部員が六名。
そういう高校も、ある。

このような「単独出場できない」高校が
「連合チーム」を組んで
出場するケースがとても増えています。

「…となると、例えば大阪では
『大阪桐蔭』と『履正社』が
合同チームになれば
最強になるのではないか?!」

そうおっしゃる方もいますが、
そういうことはもちろんできない。
あくまで「単独チーム」で出場できない
高校同士が特例として連合チームを組む。

賛否両論がありますが、
私はこの制度は良い、と思っています。

これから先、野球部員は減ることが多い。
でも、少数でも頑張って部活動をしてきた
選手たちが「夏の甲子園予選」に
出場できず、一区切りつけられないのは
とても悲しいことです。
「連合チーム」という形で
出場への道を拓くこのアイディアは、
素晴らしいと感じました。

次に、健康問題です。

…とにかく暑いんですよね。暑い。

夏の甲子園の期間は。
例えば2024年7月7日は、
静岡で40度を超える暑さも記録した。

不要不急の外出を控えるレベルです。
そんな中、屋外で野球…。
これまた賛否両論渦巻く問題、です。

選手たちももちろん、
観客席の応援団、保護者の皆様も
最大警戒レベルで給水や休憩を
取りながらの出場・観戦です。
本当に各チームの監督や
応援団を引率する先生方は大変ではないか。

例えば「開会式」もそうでして、
茨城なら88チームがすべて「行進」する。
最初に行進したチームは、
88チーム目が着くまでずっと待っている。
すごく暑い中…。

ゆえに、開会式の中でも
「給水タイム」が設けられていました。
行進の後、ペットボトルの水を受け取り、
給水をしてから、開会する。
そういう細かい配慮も必要な酷暑…。

(もちろん一番良いのは
「挨拶」を三秒くらいで終わらせる
ことではないか、と思ったのですが)

出場する選手、また応援・観戦する方は
ぜひ体調に最大限に気を付けていただきたい、
と改めて感じたところです。

最後に、応援について。

選手のみならず、
応援団や保護者の方々にとっても
「負けたら終わり」の大事な試合!

コロナ禍の期間には
「吹奏楽の応援」「声を出しての応援」も
飛沫が飛ぶということで自粛していましたが、
今回は特に規制はありません。
皆さん、すごく熱のこもった応援でした。

…ただ、全部の高校が
大阪桐蔭のように全国レベルの吹奏楽部が
あるわけではないのです。
中には応援団すら結成できない高校もある。

ましてや「県予選の一回戦」では、
吹奏楽部があっても来てくれない、
というケースもあるんです。
夏の演奏会などとかぶると来れないですし。
スタンドの野球部員が
「声」でブラバンの歌を歌っていたりする。

…そんな中、7月7日に一回戦に出場した
「つくば国際」は、応援が良かった。

「録音音源」のブラバンを
音響機器で流して
応援していたんですよ。
コロナ禍では甲子園においても、
こういうケースがありました。
それを応用していた。

確かに、酷暑の中、日が照り付ける中で
「吹奏楽部が生演奏する」というのは
なかなかに厳しいものです。
その点、録音音源ならば
智辯和歌山発祥の魔曲
「ジョックロック」でも
定番の「ルパン」「狙い撃ち」でも
流し放題、かけ放題…。

何より保護者の人も
聞いたことのある曲ばかりで
応援しやすそうでした。
そういう工夫もあるのか!と思いました。

最後に、まとめます。

本記事では夏の甲子園の県予選について
思ったことや気付いたことを書きました。

他にも、丸刈りにこだわらない髪型、
今どきの高校生への指導はどうか、とか、
「初めて」女性部員がノックをした
土浦二高はこうだった、とか、

本命の常総学院と鹿島学園はどうなのか、
昨年に甲子園ベスト4まで進んだ
土浦日大の今年のチームはどうなのか、など
書きたいことはたくさんあるのですが
止まらなくなるのでここまでにします。

様々な想いと工夫が
交錯する予選大会には、
全国の強豪が集まる甲子園とは
また違った趣があります。

読者の皆様の地域での、
「夏の甲子園予選」はいかがですか?
…観戦しに行ってはみませんか?

※今大会の展望についてはこちら。
センバツにも出場した
常総学院は8年ほど
夏の甲子園から遠ざかっています。
大本命は常総学院ですね…↓

合わせてぜひどうぞ!

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