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「今さら世界史を学び直すなんて
時間もかかるし記憶力も低下しているし
あんまりすぐに使えそうでないし
ちょっとやめときますわ」

そんな方へ。

「歴史を見る」方法としては、
深く細かく見ることもできれば
浅く広くざっくりと見ることもできる。

深く細かく、とは、
織田信長ってどんな人だったんだろう
と人物を追っていくとか、
そういうやり方です。

浅く広く、とは、
できるだけ固有名詞にとらわれず
全体を薄く見るやり方です。

私は、両方必要だ、と思います。

①「森を見ずに木を見る」… 細かく見る‎
‎②「木を見ずに森を見る」… 大きく見る‎

本記事は、②の見方、
固有名詞を(できるだけ)使わず、
「モノの作り方・売り方」に焦点を当てて
ざっくりと歴史をとらえた記事です。
本当にざっくりですので、ご容赦を…。

◆3つにわける

まず「世界史」を3つに分けます。
分けるのは3つくらいが覚えやすい。

①モノをたくさん作れなかった頃
②モノをたくさん作って争っていた頃
③争うのが(建前上)NGになった頃

①は、まだ人間が、モノをたくさん
作れなかった頃の話。
要するに「手作業」でモノを作っていた頃。
野蛮ですがどこか牧歌的な時代です。

②は、「機械」「工場」で
モノを作り出した頃の話。
モノを作れば、それを売って儲けたい。
しかし「買い手」が必要ですから、
その市場を巡って争っていました。
かなり野蛮で危険な時代です。

③は、争いすぎて人類滅亡までちらついて、
表面上は争うのをやめましょうとした頃。
要するに現在です。
もちろん、表面上は争わなくても、
裏ではバチバチに戦っていたりしますが。

ではその境目はいつ頃なのか?

ここで「固有名詞」をあえて使えば、
①と②を分ける境目は「産業革命」
②と③を分ける境目は「世界大戦」

産業革命…たくさん作れるようになった
世界大戦…世界中で戦争が起こった

この2つの境目で、世界が変わった、
と言っても良いでしょう。

①モノをたくさん作れなかった頃

まず、モノをたくさん作れなかった頃の話。

とにかくこの時代、
現在から見れば驚くくらい、
モノが少ないです。

人が手作りで作れるモノなど、
工場で機械で作るのに比べれば、
圧倒的に少ない。

現在、ハンドメイドのお店が
「貴重」とされるのも、
工場で作ったモノにあふれているから。
①はハンドメイドの時代です。

とすれば、その「ハンド」つまり、
人が多ければ多いほど力が強い。

力の強い国は、人口が多い。
あの有名なピラミッドも、
とにかく人をかき集め、
人を使って仕上げている。

万里の長城も、日本の古墳や、
大仏だってそう。
自分はこんなにスゴイものを作れるんだぞ、
と誇示する意味合いもあって、
権力者はとにかく大きいものを作る。

その「モノを作る人」を確保するために、
「身分」もできます。

それもこれも、
モノが(現代に比べて)少なかったのが
一つの原因です。
少ないモノをいかに持ち続けるか、
言い換えれば「既得権益」を手放さないため
身分を固定し、人生とはそういうものだと
教え込ませるほうが、
何かと都合が良かったのでしょう。

まだ「お金」(貨幣)も普及せず、
物々交換も庶民レベルでは
普通に行われていました。

それをぶち破るのが、
1つ目の境目「産業革命」です。

②モノをたくさん作って争っていた頃

産業革命とは要するに、
モノをたくさん作れるようになったこと。

今まで手作業で作っていたのを
「機械」「工場」などで
作るようになった。

もちろん、現代のように
コンピュータやAIで管理して作る、
というわけにはいかず、
人間の手で操作することも多かった。
しかしハンドメイドに比べると
圧倒的に速い。
しかも機械は疲れません。

世の中に、モノがあふれていきます。

モノがあふれれば、その価値を規定する
「お金」も普及します。
お金同士を交換する「相場」も発達。
世界で最初にこの「産業革命」が
起こったイギリスは、
どんどん世界を支配していきました。

他の地域がちまちま手作業で
モノを作っているところに、
膨大な数のモノがやってきたんじゃ、
お値段的にどう考えても勝ち目がない。

インドや中国など、特に人口の多い地域
=買い手が多い地域に、
イギリスはどんどん進んでいきました。

モノが多くなれば、少ないモノをめぐって
身分を固定する、ということも薄れます。
イギリスでも選挙制度が発展し、
徐々に身分制が薄れていきました。

ビジネスそのものに、身分は邪魔です。
良い身分だからモノが売れるかというと、
そうじゃないからです。
政治のほうも「国民国家」つまり
「国民みんなで頑張ろう」という
スローガンを持って、
国民同士の格差を是正していきます。

この「国民国家」を作った欧米諸国は、
「産業革命」をどんどん進めてます。
イギリスに追い付け追い越せ。
モノがたくさん作れれば、
どんどん売って儲けたい。
産業革命がまだ起こっていない地域を
「開国」させて、モノを流し込む。

日本にも「黒船」がやってきました。
日本は、この欧米流の「産業革命」を
うまく取り入れて、
欧米と張り合えるくらいの力を持ちます。

しかし、この「モノを売る競争」は、
次第にエスカレート。
「世界大戦」を引き起こす。2回も。

第一次世界大戦では、
産業革命の本場、ヨーロッパ諸国が仲間割れ、
大打撃を受けます。
続く第二次世界大戦では、
人類が滅亡してしまうんではないか、
というところまで行きます。

さすがに、これはまずい…。
そうみんなが気づいたのが、
この世界大戦です。

③争うのが(建前上)NGになった頃

ということで、現代まで続く時代。
建前上NGですから、
おおっぴらに戦争は行いにくい。

ただ、あくまで建前で、
地域紛争的なものは頻発しています。
ただしことが大きくなると
「国連」が動いて
(袋叩きにして)解決したりする。

ここで大きな役割をになっているのが、
アメリカ合衆国です。
「世界の警察」として、
にらみをきかせます。
基地は、世界中にあります。

対抗するのは、以前は「ソ連」、
最近では「中国」です。

ヨーロッパ諸国は「EU」を作って
何とかまとまろうとしていましたが、
最近ではイギリス脱退騒ぎもあり
いまひとつ。そんな状況です。

③の現在は、争うのが
(建前上)NGの中で、モノを作って売る。

となれば、良いモノを作るしかない。
良いモノであれば、世界中の人が買う。
自動車やパソコン、スマホや家電は、
今や世界中の人が使っています。

ただし、条件があります。
それは「そのモノが良いモノだ」と
いうことを知ってもらうこと、
つまり「情報を届けること」です。

…現在は3つ目の境目が
できつつある時代です。
それは「情報革命」です。

モノから、情報へ。
そんな時代の境目に、
いま、私たちは生きています。

◆本記事は、以前に書いた
記事をリライトしたものです↓

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