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魔剣ビクトリア ~「ゲーム小説」を書いてみました~

『ゲーム小説』をご存知ですか?

…おや、ご存知ない?

「いや、ゲームは知ってますよ。
小説、も知ってます。
でもゲーム小説…って何ですか?
例えばドラクエなどを
小説化したものでしょうか?」

…うん、当たらずも遠からず、です。
そのようなゲームの世界観やキャラを
活かした小説のことを、
ゲーム小説、と呼ぶこともあります。

しかし、本記事でいう
「ゲーム小説」の定義は、少し違います。

「じゃあ、『ゲームブック』ですか?
あの、1980年代に大流行して、
最近電子書籍で復興しつつある、
選択肢を選んでいって
結末が変わったりする作品…」

うーん、それも似てはいますけど、
ちょっと違いますね。

本記事でいうゲーム小説とは、
『ゲーム感覚で読める、
イラスト付きのWeb小説や携帯小説』

のことなのです。

いま、この「ゲーム小説」が
どんどん発展しつつあることを
皆さんに紹介したくて、
本記事を書いています。

以前私は、「ウェブトゥーン」という
「スマホなどで読む前提のマンガ」
が流行しつつある、
という記事を書きました。

この「小説版」と考えていただければ
近いかもしれません。
つまり
「スマホなどで読む前提の小説、
ゲーム風味」
という感じです。

古(いにしえ)のファミコンゲーマーならば、
「ポートピア連続殺人事件」や
「オホーツクに消ゆ」、
「ファミコン探偵倶楽部」などの
アドベンチャーゲームを
思い浮かべてください。

キャラが、しゃべってましたよね。
キャラが画面にあらわれて、
テキスト(文字)が流れていく。

あんな感じです。
(「ばしょいどう」「ふく とれ」
などの選択肢は選べませんけれども)。

もう少し最近のゲームで言えば
「かまいたちの夜」「弟切草」などの
サウンドノベルとか、
いわゆる「乙女ゲー」などの
ビジュアルを思い浮かべても良いです。

要するに、背景やキャラが出てきて、
セリフを「タップ」していくことにとって
どんどん変わるビジュアルとともに
読むことができる小説
、なのです。
スマホ上のゲームっぽい絵本、と言っても
いいかもしれません。

…私は小説を書くのでわかるのですが、

「文字だけ」の小説は、どうしても
「マンガ」「ゲーム」に比べて
ビジュアル的に弱いところがあります。

その弱点を補う、と言いますか、
掛け合わせて強くする、と言いますか、
そういう新たなジャンルだ、と
思っていただければと思います。

と、ここまで長々と
「ゲーム小説」について書きましたが、

実際にどんなものなんですか?
無料で読めないんですか?
と思った、そこのあなた。

…ぜひ「TapNovel」(タップノベル)に
飛んでみて下さい。無料で読めます。

しかも、読めるだけでなく、
「TapNovelMaker」
(タップノベルメーカー)
というWeb上のサービスを使えば、
この「ゲーム小説」を
書く(描く)ことも、できます!↓

つまり、あのファミコン探偵倶楽部的に
キャラを画面に出して、
セリフをしゃべらせることができるんです!

いま(2021年10月)「TapNovel」上では、
第1回Tapnovelゲーム小説大賞、という
コンテストが行われていまして、

「秘密」というテーマで
ショート(2000字以内)の
ゲーム小説が募集されています。

非常に上手いやり方ですよね。
コンテストを開催すれば、
ユーザーが増える(私のように)。

「秘密」について、何か面白い
ストーリーがある方は、
ぜひ、この機会に
「TapNovelMaker」を使って
ゲーム小説を作ってみてはいかがでしょう?

…え、そういうお前は
書かないのか、ですって?

書きました。題して『魔剣ビクトリア』

出だしはこんな感じです。

「手にすれば誰でも剣の達人になれる」
そう言われた『魔剣』がある。
その剣の名は、ビクトリア。

…俺は最強の剣士を目指して
修行の旅を続ける男。

魔剣ビクトリアの噂を聞いて、
その剣が眠っている、と言われる
街にたどりついた。

散々と探し回り、ついに、
魔剣を所有している、という
大貴族の館を突き止めたのだ。

どうしてもその魔剣が欲しかった。
全財産の半分を注ぎ込み、
使用人を買収した。

「…良いですか、見るだけですぞ。
魔剣ビクトリアは、この家の宝。
数多の冒険者が、この剣を求め、
…闇の中へと消されたと聞いております」

買収した館の使用人は、
震えるような声で、こう語った。

新月の夜、俺はその使用人の案内で
館に忍び込むと、宝物庫へ向かう。
その中はかび臭くて、もう何年も
開けられていないようだった。

「本当にこんな場所にあるのか?」
「ございますとも」

使用人は、壁をごそごそと探ると、
そこに隠されていたレバーを引く。
静かに床が開いていき、
竜の口のように地下への入り口が
俺たちの前に現れた。

…このまま、ここに降りていくべきか。
なぜか俺は、危険なものを感じた。

「…おや、怖いのですか?
やめておいても、ようございますよ」
使用人の言葉が、俺の背を押した。
俺は、階段の闇へと足を踏み入れた。

「存外に、中は広そうだな」
「ええ、上の建物は、目くらまし。
本当は、こちらが真の宝物庫です」
階段を降りる俺たちの足元を、
ろうそくの火だけがか細く照らす。

…足音だけが響く。
「なぜ、ビクトリアという名前なんだ?」
沈黙に耐えかね、俺は聞いた。
「おや、ご存じない?」
使用人は、前を向いたまま、答える。

「剣の最初の持ち主の名前なんですよ」

※2000字の文字制限のあるコンテストなので、
実際は少し文字数を減らしています。

興味のある方は、ぜひお読みください!
また、他の方の応募された作品も
面白いので、ぜひ。

この「ゲーム小説」のスタイルは、
いわゆる小説だけではなく、
プレゼンのシミュレーションとか、
映像コンテンツのシナリオづくり
とか、
ビジネスシーンにも役立ちそうな
サービスですね。

ぜひ一度、
「ふーん、ゲーム小説って
こんなんなんだ」と味わってみては
いかがでしょうか?

「情報革命」によって、気軽に
たくさんの情報に触れ、
こちらから「発信」できる
時代になってきています↓

いまや、たくさんの
アプリやサービスによって、
あなたの脳内を文字化し、
ビジュアル化するツールが、
たくさん世の中に出ているのです。

「読書の秋」だけではなく、
「執筆の秋」「創作の秋」も、
合わせてぜひどうぞ!

よろしければサポートいただけますと、とても嬉しいです。クリエイター活動のために使わせていただきます!