USBフラッシュメモリ。記録媒体。
世界中に普及し、使われています。
イオンドライヤー
髪にイオンを届け、まとまりやすい髪に。

これらの生みの親をご存知でしょうか?

ビジネスデザイナー、
濱口秀司(はまぐちひでし)さんです。
人呼んで『伝説のイノベーター』!

京都大学を卒業後、松下電工に入社して
数々の企画を手掛け、
今ではアメリカ合衆国で
ビジネスデザインを行っておられます。

今では当たり前に使われているモノも、
誰かが「発想」しないと作られませんよね。

では、どのように発想していけばいいのか?
本記事では、彼の考えの一端をご紹介します。

◆「発想資本主義」

彼の言葉です。濱口さんによると、
資本主義はこれまでに、4つの段階がある。

①商業資本主義
「時間や場所の差異で稼ぐ」
(例:ブラジルのコーヒーは
日本では珍しいので売れる)

②産業資本主義
「製造プロセスの差異で稼ぐ」
(例:最新のテクノロジーと体制で製造、
速く大量に質の良い商品を作れば売れる)

③情報資本主義
「情報と資金の集積と速度で稼ぐ」
(例:優れた有益な情報や資金を集め、
いち早く世に出せば売れる)

④発想資本主義
「今ココ」。新たな発想が大事。

①商業資本主義は「大航海時代」を経て
全世界に植民地を広げた西欧が有利でした。
日本も真似しましたが、追いつけなかった。

しかし、②産業資本主義では、
ソニーのウォークマンやトヨタ自動車など、
日本の技術が世界に認められていきます。
「日本アズナンバーワン」の時代!

…ただ、③情報資本主義になると、
アメリカの巨大IT企業にやられっぱなし。

しかし、濱口さんは、
次の④発想資本主義では、
日本が優位ではないか
、と言っています。
西欧、米国、中国よりも、
日本はポテンシャルがある、とのこと。

なぜでしょう?

…それは「多様性を持ち」かつ
「道を究める」文化を持っているからです。

◆西欧=「二者択一で」「道を究める」
◆米国=「二者択一で」「全部ほしがる」
◆中国=「多様性を持ち」「全部ほしがる」

では、日本は?

◆日本=「多様性を持ち」「道を究める」

この4地域のポテンシャルは、
明らかに特徴が異なる、とのこと。

ここから少し、世界史的な私の考察も
加えて書いてみます。

まず、①の商業資本主義の時代には、
「二者択一で」「道を究める」西欧が、
全世界に進んでいきましたよね。

キリスト教を広める!
本国のために貿易をして稼ぐ!

シンプルだからこそ破壊力があった。
全世界に、西欧流の文化が広がった。
英語を話し、スーツを着て、会社組織で動く。
いまだにその影響力は、強く残っています。

次の②の産業資本主義、
日本で言えば戦後の高度経済成長期には、
「多様性を見つめつつ」
「道を究める」日本が台頭していきます。

文明開化しつつ、和魂洋才で動く。
西欧式のビジネスルールを全否定せず、
職人的なテクノロジーと製造体制
(トヨタのカンバン方式・カイゼンなど)
を作り上げて、世界を席巻した。
まさに「プロジェクトX」…!

…しかし、今はどうでしょう。

90年代から本格化した③情報資本主義では、
「二者択一で」「全部ほしがる」米国が
圧倒的になっていきました。


なぜなら「情報」は、いかに多く集め、
いかに素早くユーザーにシンプルに届けて、
訴えられるか、がカギだから。

道を究めていくうちに、遅れをとった。

アマゾンで買い物すると、
「この商品もオススメ!」と出てきます。
白黒はっきりさせるデジタル文化。
何でもほしがる米国文化。

それらが相まって、米国トップの状況が生まれた。

…では、④発想資本主義の
時代ではどうでしょうか?

(ここから引用)

『たとえば、米国人は
ブレインストーミングなどで
アイデアを出し合った後、
すぐに投票してどれが一番いいか
決めてしまいがちである。

でも、それでは本当に
革新的なアイデアは生まれない。

偶然生まれることはあっても、
連続して斬新なアイデアを
生むのは難しいだろう。

だからこそ、すべての面白そうな
切り口だけを集めて構造化し、
新たなアイデアを合理的に生み出す
SHIFTの方法論を実践すべきであるし、

妥協しつつバランスを取りながら
シンプルに突き詰める日本人
こそが、

この方法論の効果を最大化する
最強のポテンシャルを持っている』

(引用終わり)

「妥協しつつバランスを取りながら
シンプルに突き詰める日本人」!
「発想資本主義」にぴったりです。

…しかし、濱口さんのような
ビジネスデザイナーは、希少ですよね。
いいポテンシャルがあっても
そこまで突き抜けられない人や会社が
日本には多い
ように思います。

…なぜなのでしょう? それは、

「いかに百年以上にわたって
儲かる仕組みを敷くか、といった
戦略を大枠で真剣に考えることに、
歴史的に慣れていない」

それが理由だ、と濱口さんは言います。

知らない、慣れていない、だけ。

だからこそ、濱口さんは
『SHIFT:イノベーションの作法』
という本を世に出し、
まずは「知ってほしい」「慣れてほしい」
と思われたのではないか。

「道を究めることに喜びを感じる」
日本人に、彼のSHIFTの方法論を伝えて、
これを究めようと励んでくれれば、

世界を動かすほどの
イノベーションを起こせていく…!

それが、濱口さんの想いであり、願い。
私も及ばずながら、挑戦します。

最後に、まとめましょう。

「イノベーションを生み出す具体的な条件」
としては、次の3つ全部が必要とのことです。

◆①先入観を壊すこと
◆②実行可能であること
◆③議論を生むこと

実行できない空想ではダメ。
たとえ実行できても
議論して練らないとダメ。

厳しいが、本質的な意見です。

…これはよく誤解されるところですよね。
「イノベーション」というと、①のような

◆『先入観を壊す』
◆『荒唐無稽なアイデア』

「だけ」を考えがちなのですが、それではダメ。

アイディアは、SNSなどを通して
どんどん「見える化」「見せる化」して
他人の目にさらしてみる。
見る専、読む専で、自己完結させない。
アウトプットを積極的に行う。


そういう姿勢も必要だと感じました。

(具体的な発想の方法は
『SHIFT:イノベーションの作法』
に詳しく書かれています。
よろしければ、ぜひご一読を!)

では、濱口さんの名言をご紹介して
本記事を締めましょう。

『情報量が少ないほうが
イマジネーションも湧く。
カラー写真より白黒写真のほうが
想像力を刺激するのと同じです。
それは脳が色を補完しようと働くからで、
情報の欠損率が高いほど
イマジネーションをフルで使える』

…読者の皆様はいかがでしょう?

カラフルな情報の海に溺れていませんか?
誰かのマニュアルに依存していませんか?
「自らの」イマジネーションを
日々、発揮しているでしょうか?

私もついつい溺れがちです。
イマジネーションをこそ、
今日も意識していこう、と思います。

※本記事は以前に書いた記事を
リライトしたものです↓
『発想に悩む方へ ~濱口秀司さんと「発想資本主義」~』

引用元の記事へのリンクも載せています。
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