濱口秀司さんの『発想』
USBフラッシュメモリ。記録媒体。
世界中に普及し、使われています。
イオンドライヤー。
髪にイオンを届け、まとまりやすい髪に。
これらの生みの親をご存知でしょうか?
ビジネスデザイナー、
濱口秀司(はまぐちひでし)さんです。
人呼んで『伝説のイノベーター』!
京都大学を卒業後、松下電工に入社して
数々の企画を手掛け、
今ではアメリカ合衆国で
ビジネスデザインを行っておられます。
今では当たり前に使われているモノも、
誰かが「発想」しないと作られませんよね。
では、どのように発想していけばいいのか?
本記事では、彼の考えの一端をご紹介します。
彼の言葉です。濱口さんによると、
資本主義はこれまでに、4つの段階がある。
①商業資本主義
「時間や場所の差異で稼ぐ」
(例:ブラジルのコーヒーは
日本では珍しいので売れる)
②産業資本主義
「製造プロセスの差異で稼ぐ」
(例:最新のテクノロジーと体制で製造、
速く大量に質の良い商品を作れば売れる)
③情報資本主義
「情報と資金の集積と速度で稼ぐ」
(例:優れた有益な情報や資金を集め、
いち早く世に出せば売れる)
④発想資本主義
「今ココ」。新たな発想が大事。
①商業資本主義は「大航海時代」を経て
全世界に植民地を広げた西欧が有利でした。
日本も真似しましたが、追いつけなかった。
しかし、②産業資本主義では、
ソニーのウォークマンやトヨタ自動車など、
日本の技術が世界に認められていきます。
「日本アズナンバーワン」の時代!
…ただ、③情報資本主義になると、
アメリカの巨大IT企業にやられっぱなし。
しかし、濱口さんは、
次の④発想資本主義では、
日本が優位ではないか、と言っています。
西欧、米国、中国よりも、
日本はポテンシャルがある、とのこと。
なぜでしょう?
…それは「多様性を持ち」かつ
「道を究める」文化を持っているからです。
では、日本は?
この4地域のポテンシャルは、
明らかに特徴が異なる、とのこと。
ここから少し、世界史的な私の考察も
加えて書いてみます。
まず、①の商業資本主義の時代には、
「二者択一で」「道を究める」西欧が、
全世界に進んでいきましたよね。
キリスト教を広める!
本国のために貿易をして稼ぐ!
シンプルだからこそ破壊力があった。
全世界に、西欧流の文化が広がった。
英語を話し、スーツを着て、会社組織で動く。
いまだにその影響力は、強く残っています。
次の②の産業資本主義、
日本で言えば戦後の高度経済成長期には、
「多様性を見つめつつ」
「道を究める」日本が台頭していきます。
文明開化しつつ、和魂洋才で動く。
西欧式のビジネスルールを全否定せず、
職人的なテクノロジーと製造体制
(トヨタのカンバン方式・カイゼンなど)
を作り上げて、世界を席巻した。
まさに「プロジェクトX」…!
…しかし、今はどうでしょう。
90年代から本格化した③情報資本主義では、
「二者択一で」「全部ほしがる」米国が
圧倒的になっていきました。
なぜなら「情報」は、いかに多く集め、
いかに素早くユーザーにシンプルに届けて、
訴えられるか、がカギだから。
道を究めていくうちに、遅れをとった。
アマゾンで買い物すると、
「この商品もオススメ!」と出てきます。
白黒はっきりさせるデジタル文化。
何でもほしがる米国文化。
それらが相まって、米国トップの状況が生まれた。
…では、④発想資本主義の
時代ではどうでしょうか?
(ここから引用)
(引用終わり)
「妥協しつつバランスを取りながら
シンプルに突き詰める日本人」!
「発想資本主義」にぴったりです。
…しかし、濱口さんのような
ビジネスデザイナーは、希少ですよね。
いいポテンシャルがあっても
そこまで突き抜けられない人や会社が
日本には多いように思います。
…なぜなのでしょう? それは、
それが理由だ、と濱口さんは言います。
知らない、慣れていない、だけ。
だからこそ、濱口さんは
『SHIFT:イノベーションの作法』
という本を世に出し、
まずは「知ってほしい」「慣れてほしい」
と思われたのではないか。
「道を究めることに喜びを感じる」
日本人に、彼のSHIFTの方法論を伝えて、
これを究めようと励んでくれれば、
世界を動かすほどの
イノベーションを起こせていく…!
それが、濱口さんの想いであり、願い。
私も及ばずながら、挑戦します。
最後に、まとめましょう。
「イノベーションを生み出す具体的な条件」
としては、次の3つ全部が必要とのことです。
実行できない空想ではダメ。
たとえ実行できても
議論して練らないとダメ。
厳しいが、本質的な意見です。
…これはよく誤解されるところですよね。
「イノベーション」というと、①のような
◆『先入観を壊す』
◆『荒唐無稽なアイデア』
「だけ」を考えがちなのですが、それではダメ。
アイディアは、SNSなどを通して
どんどん「見える化」「見せる化」して
他人の目にさらしてみる。
見る専、読む専で、自己完結させない。
アウトプットを積極的に行う。
そういう姿勢も必要だと感じました。
(具体的な発想の方法は
『SHIFT:イノベーションの作法』
に詳しく書かれています。
よろしければ、ぜひご一読を!)
では、濱口さんの名言をご紹介して
本記事を締めましょう。
…読者の皆様はいかがでしょう?
カラフルな情報の海に溺れていませんか?
誰かのマニュアルに依存していませんか?
「自らの」イマジネーションを
日々、発揮しているでしょうか?
私もついつい溺れがちです。
イマジネーションをこそ、
今日も意識していこう、と思います。
※本記事は以前に書いた記事を
リライトしたものです↓
『発想に悩む方へ ~濱口秀司さんと「発想資本主義」~』
引用元の記事へのリンクも載せています。
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