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「V8」と聞いて私が真っ先に思い浮かぶのは
「V9」じゃないの?ということ。

戦後日本で読売ジャイアンツの9連覇を
「V9」と呼ぶのはよく知られていますが、
当然ながら日本以外では
そんなこと知られちゃあいない。

他国では「V8」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは
「野菜ジュース」だったりするのです。
特に、アメリカでは。

本記事では「野菜ジュース」のお話を少々。

缶入りスープで有名な「キャンベル社」は、
「V8」と呼ばれる野菜ジュースを販売しています。
ブイエイト、日本風に読めばブイハチ。

ベジタブル(野菜)が、8種類。
だから「V8」です。
トマト、にんじん、セロリ、ビーツ、
パセリ、レタス、クレソン、ほうれん草。

1948年にアメリカでこのV8が売り出された時、
自動車会社のフォードでも、V8を導入していました。

…もちろん野菜ジュースで
車が動くわけではありません。
「V型8気筒」と呼ばれるエンジン形式のことです。
このエンジンのV8が、
当時は新型・上位機種と見なされており、
それにあやかったのか、V8はよく売れました。

ただし、元々はこの野菜ジュース、
V8という名前ではなくて、
「Vege-min」という名前だったんですね。

作っていたのもキャンベル社ではなく、
ピーコックという人です。
1933年、このVege-minが売れないため、
ピーコックは「Vege-min 8」、
次いで「V-8」と商品名を変えます。
これが、大成功を収めた。
そこでスープ販売の大手、キャンベル社が
V8をピーコックから買収し、大々的に売り出した。
それが1948年、ということなのです。

このキャンベル社、広告には
とても強い力を持っていました。
後の大統領、レーガンを広告に起用。
そのためアメリカでは
「野菜ジュースと言えばV8」
というほど浸透しているそうです。

一方、日本は、というと。

アメリカからV8が輸入されたりして、
1960年代頃から徐々に
野菜ジュースが普及していきましたが
(トマトジュースブームなんてのもありまして)

いま、野菜ジュースと言えば、
「カゴメ」と「伊藤園」の商品が中心ですよね。

この歴史は意外に浅いものです。
1992年に伊藤園が「充実野菜」を販売し、
1995年にカゴメが「野菜生活100」を販売。
ただしトマトジュースをカゴメが販売し出したのは
はるかに前、1933年のことですので、
カゴメのほうに一日の長はあります。

折りしも健康ブームが到来し、
「1本で1日分の野菜」を取れる!という宣伝で
野菜ジュースの需要が伸びていきます。

2004年に伊藤園は「1日分の野菜」を販売。
同じく
2004年にカゴメも「野菜一日これ一本」を販売。

お互いにバチバチと火花を散らして
ライバル視しつつ切磋琢磨、
コンビニに両社の野菜ジュース(と他社の商品)が
ずらりと並んでいる、という経緯があるのです。

ここで、一つ疑問が浮かびます。

本家本元の「V8」の野菜ジュースは、
日本ではあまり見かけないですよね…?

もちろん「コストコ」に行けば
売っているとは思います。ですが、
伊藤園やカゴメの商品と並んで売られている、
というイメージはありません。

ただ日本の中でも、よく見かける地域があります。

沖縄です。

沖縄では「アメリカ統治」の歴史もあって、
キャンベル社の商品はなじみ深いものなのです。
キャンベル社の缶入りスープが家に常備され、
ソウルフードになっていることもあるとか。

当然、V8も販売されています。
「沖縄土産」として
シークワーサードリンクとともに
V8が買っていかれたりする
のです。

以上、野菜ジュースの歴史と地理でした。
最後に、まとめます。

手軽に野菜が取れる「野菜ジュース」は、
現代人に必須のアイテムとなりつつあります。
特に、栄養が偏りがちな
ビジネスパーソンにとっては。

しかし、当然のことながら
加工の過程で熱処理を行うために、
熱に弱いビタミンCは、失われがちです。
酵素や食物繊維も、
生の野菜やフルーツほどでは、ない。

大事なのは
「野菜ジュースを飲んでいるからいいや」
と開き直ることではなく、

「日々の食事でもしっかり野菜を摂ること」
ですよね。

これは、ビジネスにも共通することだと思うんです。

時間がとにかく足りないので、
「パッケージ」になって「摂取しやすい」知識や商品に
ついつい手を出してしまう…。
もちろん、時短の面からは悪いことではありませんが、
あまりにそれが行き過ぎると、
「中身の成分」を見極めることなしに
便利だからとそれに無意識に
依存してしまうことにもなりかねません。


野菜ジュースに「依存」するのではなく、
野菜ジュースを「活用」する。

成分を、自分の目で、しっかり見極める。

その積み重ねが
「健康的なビジネス」につながると思います。
ロングセラー商品を生み出すこと、
つまり「連覇」「V9」も夢ではない…。

と、タイトルを回収したところで、

読者の皆様は、野菜ジュース、飲んでいますか?
どんな野菜ジュースが好きですか?
野菜ジュース的な商品を「活用」していますか?

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