夏が近づくと夏休みを思い出します。

去年(2020年)は休校騒ぎの中で
大幅に夏休みが短縮になった
学校もあるそうですが、
今年(2021年)は通常通り
約40日間のほど休みになる
学校も多いそうですね。

で、夏休みというと
思い出す俳句がありまして。
それがタイトルにも取り上げた俳句。

『算術の少年しのび泣けり夏』

西東三鬼(さいとうさんき)さんの句。
「歯医者 兼 俳者」という、
複業クリエイターの模範みたいな人

とても私が好きな俳人の一人です。

「算術の少年」この表現が
まず、いい。
厳密に言えば「算術(算数)の問題を
解いている少年」なんでしょうけど
「の」だけでつなげることで
とてもシンプル、快速で表現している。

「しのび泣けり」も、またいい。
しのんで、つまり我慢しながら
泣いているんです。
「けり」は「詠嘆」つまり
「泣いていたなあ…!」と
感情がこもっています。
子どもなりに頑張って解いているけど
難しくて解けない…。
宿題が多すぎる、間に合わない…。
ちゃんと初日からしておけばよかった…。
そんな感情があふれてきます。

そして最後の「夏」
「ああ、夏休みの宿題が
終わらないんだろうなあ」と
この句を読む人に季節と
自分の少年時代とを重ね合わさせる。
この余韻が、またいい。

たった五・七・五の
限られた言葉によって
色々な感情を湧き起こさせる句を
「名句」というのであれば、
私はこの句は、名句だと思います。

…さて、読者の皆さんは
「夏休みの宿題」はいかがでしたか?
今年の「宿題」は、どうですか?

小学生などの子どものいる方は特に、
少しずつ計画的にするだろうか?
ちゃんとためずにできるだろうか?
しのび泣かないだろうか?
ちょっと心配な方もいるかもですね。

社会人ともなれば、
約40日間もの長い休みというのは
なかなか取れないものですが、
「宿題」は毎日生まれてくるようなもの。

お仕事やビジネスは、
いかに続出する「宿題」を突破するか、
ためこまずどんどん解決していくか、

そこが「課題」のようにも思います。

なお、私は中年世代ですので、

『ビジネスの中年しのび泣けり夏』

そうならないように
頑張りたいと思います。

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