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聖徳太子・源頼朝・西郷隆盛という三人が、
日本の政治史においては特に重要!
という記事を、以前に書きました
(リンクを貼りますのでぜひ)↓

なぜならこの三人は、
大きく「国のかたち」が変わることに
寄与した人物だからです。

◆聖徳太子:天皇中心の国づくり
◆源頼朝:朝廷とは別の武家政権の樹立
◆西郷隆盛:江戸幕府から近代国家へ

…ですが、これは数多いる人物の中から
「政治」的に影響が大きい三人を挙げろ、
と言われた時に挙げる人物であって、

もちろんそれ以外にも、
時代のキーパーソンはたくさんいます。

では、もし「あと三人追加で!」
「おかわり」を要求された場合、
いったい誰を挙げるべきでしょうか?

それを考えた結果が、本記事です。

上記の三人は、国のかたちを変えた。
ではこの三人、天寿を全うしたか、
「幸せな生涯」であったか、というと、
なかなかそうは言えない。

「国のかたちを変える」というのは、
旧勢力からの攻撃、恨みつらみ、
そういったものをかぶりやすい。
精神的なダメージとストレスは、
計り知れないと思います。
ある意味、常人を超えた存在でないと
乗り越えられない
ものです。

聖徳太子(厩戸皇子)は、
物部氏を滅ぼし、蘇我氏を牽制、
豪族たちからの圧力をうまくかわして
天皇・朝廷の権威・権力を増そうとします。
ゆえに、豪族たちからは、疎まれる。
彼自身は皇族の大物ですので
倒されることはなかったのですが、彼の子、
山背大兄王(やましろのおおえのおう)
とその一族は、蘇我入鹿たちによって
滅ぼされることになります。

源頼朝は『鎌倉殿の13人』でも
描かれているように、征夷大将軍に就任し、
鎌倉幕府を作った人物。
ただ、平家を滅ぼさせたり、
兄弟である義経たちを殺したり、
朝廷とは別の武家政権を作ったりと、
まさに戦いに次ぐ戦い、粛清だらけ。
向けられた恨みも、半端ありません。
そのせいか、源氏の将軍家は、頼家、実朝の
三代で絶え、北条氏に権勢を取って代わられる。

西郷隆盛の生涯もまた、
幸せかどうか、というのは難しいですね…。
島津斉彬という名君に見いだされて
活躍するものの、斉彬は志半ばで死去。
その後、自殺を図るは、島流しに遭うは、
討幕軍の大将になるまでの彼は
けっこう大変な道のりなのでした。
幕府を滅ぼしたら滅ぼしたで、
征韓論などの意見は通らず、
政府から危険視され西南戦争を起こすなど、
かなりストレスフルな日々だったのでは…。

彼ら三人の波乱の生涯を見てもわかるように
なかなかすぐには、時代は安定しません。
むしろ、混乱します。
「安定」させる人も、大事。
そこで、この三人の時代の「間」や「後」に、
もう三人選ぶとすると誰だろう、と考えます。

◆聖徳太子:天皇中心の国づくり
 ↓
①(?)
 ↓
◆源頼朝:朝廷とは別の武家政権の樹立
 ↓
②(?)
 ↓
◆西郷隆盛:江戸幕府から近代国家へ
 ↓
③(?)
 ↓
◆現在

さあ、読者の皆様ならば、
①②③に、誰を挙げますか?





…もし私ならば。

①藤原道長(藤原一族)
②徳川家康
③吉田茂

を挙げようと思います。

①藤原道長は、藤原氏の代表。
知名度抜群ですので彼。ですけれども、
大化の改新を中大兄皇子(のちの天智天皇)と
一緒に行った中臣鎌足(のちの藤原鎌足)の
時代から、綿々と藤原氏は権力を伸ばしています。
藤原不比等、藤原冬嗣、良房、基経などなど。

藤原一族は、他の貴族たちを蹴散らし、
道長(と子どもの頼通)の時代に最高潮に達した。

この藤原氏の功績を考えると、
けっこうそれまで血なまぐさかったり
相次ぐ遷都や混乱を招いたりしていた
「天皇親政」、言うなれば
「個人の政治」から「集団の政治」へと
転換させたこと
ではないでしょうか。
(そもそも、聖徳太子も、
推古天皇の「摂政」として
政治を行っていましたし…)

「平安時代」と言いますが、
聖徳太子の時代から平安時代になるまでは、
壬申の乱は起こるわ、
奈良時代は道鏡は出てくるわ、
遷都ばっかりやってるわで
あまり安定していなかったんです。
けっこう、殺伐としていました。
それを、いわゆる「摂関政治」によって
「個人」頼みから
「集団」政治(藤原一族の政治)に移行して
安定させた
のは、影響が大きいかな、と。

②徳川家康は、いうまでもなく
「戦国時代」を終わらせた人。
③吉田茂も、いうまでもなく
「日本のGHQ占領時代」を終わらせた人。

つまり、私がこの三人を挙げたのは、

聖徳太子・源頼朝・西郷隆盛が
(半ば強引に)作った「国のかたち」を
「(期間限定で)安定」させたから、です。

まとめていきましょうか。
先ほどの間を埋めるとすると、以下の通り。

◆聖徳太子:天皇中心の国づくり
 ↓(混乱)壬申の乱、遷都続き…
藤原道長(藤原一族):摂関政治で安定
 ↓(安定)平安京で国風文化が栄える
◆源頼朝:朝廷とは別の武家政権の樹立
 ↓(混乱)元寇・応仁の乱・戦国…
徳川家康:江戸幕府で安定
 ↓(安定)約260年も続く泰平の世
◆西郷隆盛:江戸幕府から近代国家へ
 ↓(混乱)帝国主義・世界大戦…
吉田茂:戦後日本の枠組みをつくる
 ↓(安定)高度経済成長、経済大国
◆現在

ただし「安定」とは書いたものの、

藤原氏の政治の末期は
それこそ「平家物語」の世界。
「院政」や「源平合戦」とかで
大混乱がありましたし、

江戸幕府の政治の末期は
いわゆる「幕末」の世界。
「安政の大獄」や「戊辰戦争」とかで
大混乱がありました。

では、戦後日本はどうか?

「バブル崩壊」「東日本大震災」「コロナ禍」
とかが起こり、「失われた三十年」は
四十年、五十年となりそうな雰囲気。
年金、いずれはもらえなさそうな雰囲気…。

すでに戦後日本は「末期」を
迎えている
、のかもしれませんよね。
そもそも「第二次世界大戦」からすでに、
80年近く経とうとしていますし。

安定から混乱へ…。

そういう時代の変わり目、
「源平合戦」や「幕末」の混乱と
同じような時代に、私たちは
生きているのではないでしょうか?

さて読者の皆様が、
三人、六人、日本史の中で
特に重要な人物を挙げるとしたら、

いったい誰を挙げますか?

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