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『崖急に 梅ことごとく 斜めなり』

かの俳人、正岡子規は、
茨城県水戸市の偕楽園の梅を見て
こう詠んだ、と言われています。

偕楽園の梅が、見ごろです(2022年3月上旬現在)。
偕楽園とは、かいらくえん、と読み、
「民と偕(とも)に楽しむ」
「みんなで一緒に楽しもう」という意味。
幕末の徳川斉昭公(烈公)が作りました。
日本三名園の一つ、です。

今年(2022年)は寒い日が多かったせいか
梅の開花が、2週間ほど遅いんですね。
例年ならば3月上旬には散り気味なのに
まだ蕾も多い、という開花状況。
次の土日(3/12~13)あたりが満開かな、と。
※偕楽園のホームページに開花情報があります。

しかし、満開となると
「人出」のほうも満開になるものです。
このコロナ禍で人混みの中に行くのもな…
と思っている方に、ちょっとしたご提案。

偕楽園は、早朝から、開いているんですよ。
午前六時から…(こそっと耳元で囁くように)。

観梅の時期には駐車場も有料に
なってしまうのですが、
場所によっては「午前八時から有料」
なんていうところもあります。
駐車場代も節約できるかも(せこい)。
駐車場に停めるのに渋滞、
ということもないんです、午前六時なら。

早朝に偕楽園に入ると、
(最近、入場が有料化されたこともあり)
ほとんど人影はなく、
偕楽園中の梅を
独占したかのような錯覚まで味わえます。
もちろん、かぐわしい梅の花の香りも…。
(ただし、好文亭やお土産屋さんは
まだ開いていないのでご注意を。
梅娘や水戸黄門ご一行もまだいませんので、
朝ご飯食べて、弘道館や徳川博物館に行って、
お昼辺りに再入場するのも、ありです)

私のオススメは、ずらり並んだ梅林も
もちろん見応えはあるのですが、

冒頭の正岡子規の句で詠まれた
「梅ことごとく斜めなり」の崖の梅です。
好文亭の下のあたり。
ちょっとマニアックな場所。
そう、偕楽園の中心部は崖の上にあるんです。

どんなに急な勾配に生まれても、
その地形に合わせ、自分なりの花を
懸命に咲かせている…。
どんなに辛い一年であっても、
春になればいつもと変わらず
素晴らしい花を咲かせる…。

そのさまに、なぜか涙を誘われるのです。

読者の皆様も、
それぞれの場所で、地形に合わせて、
皆様なりの花を
どうぞ咲かせていただけますように。

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