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90年代の名作RPGのひとつに、
『ロマンシング サ・ガ』(ロマサガ)
というものがある。

スクウェア(現スクウェア・エニックス)
が1992年に発売した。
ファイナルファンタジーの路線とは
異なるRPGである。

前年の1991年に発売された
ファイナルファンタジーⅣ(FFⅣ)は
ほぼ一直線のシナリオで、
プレイヤーの自由裁量が
あまりないゲームだった
(ⅢやⅤは逆に自由度が高いですが)。

ロマサガは、違う。
プレイヤーの自由裁量が
「あり過ぎる」ゲームだった。

世界各地に8人の主人公がいて、
誰かを選んでゲームスタートする。
強制的なイベントはほとんどない。
発生したイベントに参加するか
不参加にするかも自由だ。
仲間を集めても集めなくてもいい。
…おそらくFFⅣとは真逆の路線を
目指したのではないだろうか?

そもそもRPGとは、
ロールプレイングゲーム、
すなわち「役割を演じる」ゲームだ。
役割はシナリオやイベントにより
あらかじめ決まっていることは、ある。
しかしそうではなく、
自由、フリーに進むことだって、ある。

ロマサガは、「自由」だった。
人助けやモンスター退治を
強制はされることは、ない。
それどころか善人を倒して
アイテムを奪い取るなど、
「悪人プレイ」すらできた。

「役割を演じる」というRPGの
基本原則に照らし合わせてみれば、
この自由度こそが、
決められたイベントを味わうのとは
また異なる醍醐味だった。

本記事は
FFⅣとロマサガのどちらが良いかを
決める、というようなものではない。
どちらも一長一短。
人によって好き嫌いは分かれるだろう。

映画のようにきっちりと
決まったストーリーを味わいたいなら
FFⅣのほうが良いかもしれない。
近年ブームの『マインクラフト』など
自由度が高いゲームを好きな方は
ロマサガのほうが性に合うかもしれない。

いま、「性に合う」と、書いた。

『性』という漢字は、「性格」などを
あらわすことができる。
しょう、もしくは「さが」

ロマサガの「サガ」とは、Sa・Ga。
1989年のゲームボーイ版の
「魔界塔士Sa・Ga」が初出である。
この「魔界塔士Sa・Ga」は
「統一感のない世界観」が売りで
ファンタジー世界をベースにしつつも
「原子力発電所に突入する暴走族」
「倒した敵のマンガ肉を食べる」
など、かなりフリーダムな世界だった。

サガ(サーガ)とは、
古ノルド語で書かれた
物語群の総称でもある。
ノルマン人の英雄伝説などを
まとめた物語。
転じて、壮大な歴史物語や
ファンタジックな冒険を指す。

混沌としたこの令和時代の冒険。
筋の通ったシナリオを作って進むのも、
自由にロマンシングに進むのも本人次第。

「王道」「覇道」「正道」「極道」…
この世界には、たくさん道がある。
人生や役割は一本道ではなく、
無数に別れ道が、ある。
エンディングも、決まっていない。

読者の皆様も、
その「さが」に応じて、
ロールプレイングしていく
のは
いかがでしょうか?

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