「布団からのぞく雪白まろやかにーー」ヒスイのシロクマ文芸部
「布団からのぞく雪白まろやかに
姉の気配が母に似てきた」ヒスイ
(ふとんから のぞくゆきしろ まろやかに
あねのけはいが ははににてきた)
今日は久しぶりに、短歌を作りました。
つくるというか、
この感情をおさめる形は、
短歌がいちばんいいかな、というかんじです。
短編にするには、ヒスイの感情の網目がやや粗すぎて、
俳句にするには、ひろがりがあって
詩にするには、軽さがありすぎた、っていうかんじです。
まあ、感覚的な事なので
ヒスイにもよくわからないのです(笑)。
最近、母の病のことがあり、
ひさしぶりに、姉の隣で寝ました。
こんなの、たぶん数十年ぶり(笑)
ふと、夜中に目がさめて、隣を見ました。
姉の首筋が、白く浮かび上がっていました。
その白さが、かつての母の白さに似ていて。
ああ、女系というのは、皮膚の色や気配や動きといった『身体的要素』でつながっているのだなと、改めて思ったのでした。
もともと、姉は母に似ておらず。
父とは生き写しだと言われていましたが、
今見ると、
やはり母に似ている。
というか、
母に似てきた。
姉は気が遠くなるような時間をかけて、
母にちかづき、
母に同化し、
母から離れて、
じぶんと母が入り混じった存在になった。
それは、この家を引き継ぐために必要な作業であったのかもしれないし、
あるいは、
姉自身が気づかないうちに、
『家の記憶を受け継ぐ器』に成長したのかもしれないなと
不肖のヒスイは、
ぼんやりと思ったのでした。
その日はちょうど、名古屋では珍しいほどに雪が降った日で
朝になると屋根にも庭にも
白さがつもっていました。
この雪はまるで、
姉ちゃんがかついでいる
純白の冠のようだなと
おもったものでした。
階下から、出汁をひく匂いがして。
姉がキッチンで立ち動く気配がして。
その動作のタイミングが、またおどろくほどに、母に似ていて。
ああ、この家では、何かの継承が無事に進んでいるのだなと
思いました。
安心して
ヒスイはまた眠りました。
目がさめても、屋根の雪は白いままでした。
姉の頭上の
かんむりのように。
「布団からのぞく雪白まろやかに
姉の気配が母に似てきた」ヒスイ
本日は、小牧幸助さんの #シロクマ文芸部 に参加しています。
ねえちゃん、ありがとう。
なおなお、ヒスイと姉ちゃんの話は、ここでも読めます。
ヒスイのシロクマ文芸部作品は、ここで読めます。
ヘッダーは はそやⅿ画伯からの借りものです(笑)。
ではまた、ここでお会いしましょう💛
ヒスイをサポートしよう、と思ってくださってありがとうございます。 サポートしていただいたご支援は、そのままnoteでの作品購入やサポートにまわします。 ヒスイに愛と支援をくださるなら。純粋に。うれしい💛