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「失恋・秒針セレナーデ」ヒスイの毎週ショートショートnote

秋の空は、底の底まで透きとおって、青い。

「……失恋中の俺まで、青くなりそうだ」
「バッカじゃないの。失恋は失恋よ」

公園の芝生に座り、出汁巻き卵とおむすびにパクつく女友だちのユカ。
ちなみに弁当もおむすびも、俺が作った。

「料理上手でまじめな俺。なんで、フラれた?」
ぼやくとユカが、
「あのね、人にはそれぞれ個別の考え方、個別のタイミングってもんがあるの。
 彼女には彼女に考えがあったんでしょ。
 それをリスペクトしないと、お互いに無駄な傷が残るわよ」

おむすびの上で指がぶつかった。ユカが持っていく。

「大丈夫、タイミングが合わなかっただけよ。
 どっかに合う人がいるからさ」

フン。
ああ、コーヒーを飲みたいな。買いに行くか。
そこへすっと水筒が出てきた。

「はい、ホットコーヒー。豆から挽いたよ」
「…サンキュ」

俺はまじまじとユカを見た。
タイミングの合うやつ……案外近くにいるかも。

青い青い秋空のどこかで
かちっと、長針と短針が重なった気がした。

【了】(改行含めず408字)

本日も、たらはかに さんの
#毎週ショートショートnote  に参加しております。
お題は「秋空時計」

とにかく、あらゆるお題を
恋愛小説にしたいヒスイです(笑)!!
なにしろ
「恋愛ノベリスト」で
「小粋でポップな恋愛小説家」ですから(笑)!

なんでも言ったもん勝ちですわー(笑)

相方、へいちゃんのは、これです!

これ、相当好きですね、ヒスイは。
ノスタルジックな空気感が
たまりません。


みなさまも、秋の空を見上げて
ほのかなセンチメンタルに
ひたってみてくださいねー。


失恋からも
立ち直れるかも(笑)

明日はシロクマ文芸部の日です。
ヒスイ、がんばりまっせー!

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