「手のひらでは、たりない愛」ヒスイの毎週ショートショートnote
俺は特異体質。強く念じた事が手のひらに、文字として浮かぶんだ。
本心がバレると面倒なので、何も念じないことにしている。
人目につかず、無感情。忍者みたいな20年だ。
「ユーヤってクールよね」
同じゼミのミカが言う。
『そんなことねえよ、頭の中はいろいろなこと(ミカの事)でいっぱいだよ』
言い返したいが黙る。本心をバラさないためだ。
しょっちゅうカランでくるミカとの会話がしんどい。
感情と体のギャップがキツいからだ。
ある日、ゼミの飲み会でミカがふざけて、俺のシャツにビールをこぼした。
「あっ、ごめんね……えっ!?」
ミカはシャツを拭こうとしたのに、顔を真っ赤にして、行ってしまった。
「なんだよ……あっ……!」
ビールでぬれたシャツの鎖骨あたりに、文字が浮かんでいた。手のひらでは足りなかったんだ。
『すげえ好き、すげえ好き……ちょっとヤリてえ……もっと好きだ』
忍者のごとく隠したつもりのラブレター。
それにしても、まずい文言が……。
【了】(改行含まず405字)
本日も たらはかに さんの #毎週ショートショートnote に参加しています。
お題は「忍者ラブレター」。
相方へいちゃん、今週は忙しいらしく、秀逸なエッセイを残してお休み中です。
これ、よんで。
さらりとした日常日記だけど、それだけに「日常」が鮮やかに浮かび上がっています。
個人的には
「洗濯物をとりこんで、なんだろうこれ、と思ってみたらウールのスーツだった。」が好き。
ただ、淡々と描かれた一行ですが、根拠のない『おかしみ』がにじんでいる。
一目で気にいり、はりきって買った古着屋のパーカーが、タグを見たらユニクロだった、みたいな軽いガッカリ感(笑)が、ほのかなおかしみになっている。
あ、これ、今日のヒスイです(笑)
こういう、期せずしてでてきたユーモアこそが、へいたという書き手の奥の深さなのだ。
ヒスイはこういうのが、無性に好きです!
あと
「いい小説は書く人のリミッターが外れているもの」という文言が響いた。
もっとリミッターを外さなきゃ。
好きなものを、好きなように、好きな分だけぶっ飛んで書きたい。
書いてもイイ、という許可をじぶんに出しつづけていこう。
明日はシロクマ文芸部です。
また、書きます。
だって大好きなんだもの。
世界はスキ!で満ちている。
ヒスイはそう思う。
また、あした♡
ヒスイの小粋でポップな410字は、ここで読めます!
詠めば元気になる。恋愛運も上がる、きっと(笑)
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