見出し画像

「とけないで、この呪い」ヒスイの毎週ショートショートnote 410字

愛猫を亡くした。享年17才……どのカレシよりも長く一緒だったのに。
最後のお別れのとき、あの子の匂いをかいだ。
太陽の匂い、ほのかな臭み。
以来、日なたに出るのがつらくなった。まるで呪いのようだ。

呪いのまま、
恋愛も友人も捨てて、ひたすら仕事をした。
直属の上司から、

「おまえ、働きすぎだ。どうした?」
と、サシ飲みで心配される始末。
まさかペットロスとは言えず、

「大事な存在を亡くして……」
「そうか、俺も妻を亡くした後はめちゃくちゃ働いたよ。
 体には気をつけろ」

ぽんと頭をたたかれたとき――あの匂いが!

「におう!」
「あ、すまん、このスーツ、裏地をアイロンで焦がして」
「じゃあ、私もアイロンをします! 好きなんです、この――」

『匂いが』といいかけたら、上司は真っ赤になり、

「年の差があるからあきらめていたが……実は、俺も好きなんだ」

誤解って言おうとして……そうだ私も、前から好きだったんだ。

ふいに光があふれて、呪いの匂いが消えていった。

【了】(改行含めず411字)



本日も たらはかに さんの #毎週ショートショートnoteに
参加しています。
お題は「呪いの臭み」。


相方へいちゃんは、表お題・裏お題、2種類を
全く違うテイストで書いていますよ!
ヒスイは、表お題のほうが
意外と好きだなあ……。



さて、明日はシロクマ文芸部の日なんですが、
ヒスイは終日おでかけデー。
更新されていたら

全力で、ほめてください(笑)!!!

さきに ほめを要求しておこう(笑)。
最近リアルな生活で
あんまり、褒められていないからさ(笑)

ではっ!


これまでの410字は、ここで読めまーす💛
もちろん、全話無料やで(笑)


ヒスイをサポートしよう、と思ってくださってありがとうございます。 サポートしていただいたご支援は、そのままnoteでの作品購入やサポートにまわします。 ヒスイに愛と支援をくださるなら。純粋に。うれしい💛