2024年に勝負できる大手製薬のカタリストまとめ
セクターランキング記事番外編、第6弾は大手製薬セクターです。
第1弾は商社セクター・第2弾は食品セクター・第3弾は住宅セクター・第4弾はゲームセクター・第5弾は半導体製造装置セクターでした。もしよろしければ、ご一読くださいませ。
大手製薬セクターは決算に向けてのみでカタリストがあるというよりは、決算以外のタイミングでもいろいろ出てきます。
そのため、今回はランキングや3Q決算のみにフォーカスせず、2024年通じて最低ココだけは見ておけば大体製薬企業の動きが読めるというネタをまとめてみました。
昨年の振り返りの後、本題の2024年の製薬企業のネタをまとめていきたいと思います、宜しくお願い致します!
2023年はGLP-1作動薬、2024年もGLP-1作動薬
2023年はまさに肥満症関連(GLP-1)の薬のカタリストのある銘柄が上昇、期待値も含めてすごいことになりました。
特に日本よりも海外が中心に話題をかっさらいました。
注目銘柄は「Novo Nordisk」「Eli Lilly」です。
日本においてはEli Lillyに「orforglipron」導出している中外製薬が年間通じて非常に高パフォーマンスをあげました。
今後注目のニュースフローとしては、Novo NordiskのWegovyとEli LillyのMounjaroなどが注目です。
そのほか、塩野義製薬のS-309309も肥満症に対してP2試験を行っており、今年の前半にはある程度の結果が見えてきそうです。
2023年はファイザーのDanuglipron、そーせいのLotiglipronが開発中止に迫られ、大きく株価を落としました。それまではGLP-1の薬に対する期待値が非常に高かったことを示しております。
一方、そーせいの他のシーズである、PF-6954522が再びGLP-1の薬としてファイザーが開発を開始し、そーせいにとってGLP-1から脱落、ゲームオーバーと思われましたが、首の皮一枚つながり、すごろくで言う振出しに戻るという状況になりました。
とにかくGLP-1と名前が付くだけで株価が盛り上がる年だったといえます。
ただし、GLP-1はこれからの薬でもあります。
実際2024年も開発が引き続き進捗し、結果が出てくる年でもあります。当たりはずれは当然あります。ファイザーやそーせいが脱落したように、今期待値の高いNovo NordiskやEli Lillyも脱落するリスクもあります。しかしながら当たればデカイ薬であることは間違いないということです。
そのため、今年も医薬品セクターは引き続きGLP-1が主役の一つになると考えますし、これ抜きにしては語れないと思います。
主要医薬品銘柄の株価パフォーマンス
1位 中外製薬 +78.39%
2位 大塚製薬 +41.29%
3位 塩野義製薬 +14.15%
4位 第一三共 +12.73%
5位 武田薬品工業 +7.47%
6位 小野薬品工業 -8.24%
7位 エーザイ -8.58%
8位 アステラス製薬 -9.17%
9位 協和キリン -16.30%
医薬品企業はやはり個社カタリストで動いていることが多いので、銘柄ごとのパフォーマンスに大きな差が生まれております。
大手製薬の中でも上記の通りGLP-1作動薬をEli Lillyに導出している中外製薬が圧倒的にトップ。
大塚HDがコンセンサスを上回る決算公表を行い、年前半に上昇。
塩野義製薬はコロナ治療薬・ワクチン関連のニュースフローで堅調
第一三共はTROPION-Lung01試験の微妙な結果で弱含む
武田薬品工業は決算での下方修正を嫌気され年後半失速
小野薬品工業はオプジーボの売上の弱含みで厳しい
エーザイはアルツハイマー(レケンビ)次第
アステラス製薬はフェゾリネタント次第
協和キリンはノーコメント・・・w
製薬企業投資の重要な論点
さて、では2024年はどんな年になるか?何が注目点か?
特に医薬品業界、特に大手の製薬については、製薬が成功するか失敗するかが一番重要です。
しかし、それは運も多分に含まれてます。結果が良いか?悪いか?なんて、実際の研究者すらもわからない。彼ら自身も受験を受けて合格発表を待っているようなレベル。内部にいてもわからないことを、外野の投資家がわかるわけがない。
本当に大切なのは論点はいつどこでどの製薬の結果が出て、どの程度注目されるかを把握することです。
「試験の難しさ」「試験日」「試験合格発表日」「その薬の市場規模」「浸透率」などです。
結果発表も何もない製薬もっても面白くない。結果発表の前後にニュースフローを待ちながら勝負する。
知らないから失敗したが起こりやすいのが製薬投資。
運以外のあらゆることを塗りつぶすのは、定石だ。
そうして隙間を埋めていって、
「運だけが純粋に残ったときー最高の賭になるのさ。」
この状況にまで持っていけるように以下、日本の主要製薬企業の重要なカタリストだけを端的にまとめていきたいと思います。
宜しくお願い致します!
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