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優柔不断を突き抜けろ 慎重派人間に即行動は必要ない

心療内科に通っていたとき、その病院の医師に言われて今でも覚えている言葉が、「欠点は突き抜ければ長所になる」ということ。

優柔不断な慎重派も決断力のある即行動派も、どちらもそれを貫けばよくて、優柔不断でなかなか決められない慎重派が即行動派になろうとしたり、即行動派が失敗を恐れてよく考えてから行動する慎重派になろうとすると悲劇が始まる。

優柔不断な人は行動する前にいろいろ調べたり考えたりするから行動に移せたときに失敗が少ない。

また、行動を始めてからも間違っていないか時々チェックしたりやり方を見直したりするので、間違った状態のまま突っ走ってしまう可能性が低い。

ただ、職場の上司や同僚によっては、そういう人のことを仕事が遅い人と見る人もいる。

逆に、即行動派は行動が早い分、失敗することも多い。でも、初動が早いのでやり直しがきくし、周りの人から仕事をするのが速いと思われることもある。

「優柔不断な慎重派」も「決断力のある即行動派」もどちらにも良いところがあり、職場でどちらの人が好ましいと思われるかは、社風やその職場の雰囲気や上司や同僚による。

この動画を見て思ったのだが、優柔不断な人はHSPすなわち「繊細さん」が多く、即行動派の人は非HSPすなわち「非繊細さん」が多いのではないだろうか。

優柔不断な慎重派で、考えすぎてしまって仕事になかなか早く取り掛かることができない人のなかには、「みんなは簡単にこなせていることが自分にはできない」と考える人もいるだろう。

でもどんな自分であっても、自分の特性を活かせばいい。

自分以外の何者かになろうとするのをやめよう。

優柔不断も突き抜ければいいことがある。

私も優柔不断なところがあり、ブログ名を「じゅっこう部」(「じゅっこう」は「熟考」のこと)にしてしまうほど、常に熟考しているのだが、優柔不断や熟考することにはメリットも多い。

最近の例を挙げると、今まで美容院はずっと前から通っていた県外の美容院(私自身が引っ越して県外になってしまった)にずーっと行っていたのだが、最近になって「そんなに遠くの美容院に行かなくてもいいか」と思い、自宅近辺の美容院をネットで調べ始めた。

決断力のある即行動派であれば、検索で出てきた美容院のなかから適当に選んですぐに予約をして美容院に行くだろう。

しかし私は、最寄り駅近くの美容院を調べたり、数駅先の美容院を調べたり、10分くらいで髪を切ってくれるお店はどうなんだろう?と調べたり、自宅から一番近いところにしようか、美容師の人が気が合いそうな人がいるところにしようか、予約なしでも切ってくれる10分カットのお店に行ってみようか、それともこのまま髪を伸ばし続けようか、ちょっとした時間でちょこちょこ検索したり考えたりして髪を切らずに2週間くらい経っていた。

すると、ヘアサロンなどの総合予約サイトから期間限定のポイントが500ポイント(500円分)付与されたのである。

けれども、その期間限定ポイントの500ポイントと今貯まっている通常ポイントの200ポイントを用いて自宅近くのカットが一番安い美容院でご新規様限定のカット2600円の料金プランを選択したとしてもカット代は1900円。自宅近くにある10分カットのお店の1200円の安さには及ばない。

なので10分カットのお店に行ってみようかと思ったのだが、その前に10分カットってどう思う?と知人に聞いてみたところ、なんとその人は10分カットを利用したことがあった。

話を聞くと、その人は髪の量が多く、髪をたくさん梳いてもらわないと髪型が整わないとのことなのだが、10分カットでは梳く時間が足らず、納得のいく髪型にならないとのことだった。

そこで、自宅の近くにある、カット料金が10分カットの次に安い美容院を予約して、1900円で納得のいくカットをしてもらうことができた。

すぐに決めないことで、良い結果を生むこともある。

まぁ、「その考えたり調べたりしている時間で500円分のポイント分くらい損している」と言ってくる人もいるかもしれない。

けれども、ポイントを使ってお得に何かを買えたり利用できたりするのって、すごく得した気分になって嬉しくなる。

それに、美容院やカットのお店を比較検討し、事前に調査したおかげで、10分カットに行ってイマイチな髪型になる可能性を回避できた。

500円分お得にヘアカットできたし、失敗も回避できたのである。

優柔不断なら優柔不断を突き抜けて、優柔不断な自分でも確信を持って決断できるまで、その物事について調べまくればいい。

自分が欠点だと思っていることも、実はそれを自分で認めてとことん貫き通してしまえば、むしろ長所なのである。


岡本太郎は著書『自分の運命に楯を突け』でこのように言っている。

”マイナスをプラスに考えよう”と言ってるんじゃないよ。マイナスこそ、イコール、プラスであると考えているんだ。(中略)
すべてのマイナスをプラスの面でつらぬけば、マイナスだと思っているものがプラスに転換するんだ。
岡本太郎『自分の運命に楯を突け』p. 20
コンプレックスを持っていると、どうしても人の視線が気になると言うかもしれないが、それは劣等コンプレックスを持っている者が勝手にそう思い込んでいるだけで、いつもみんながバカにして見ているわけじゃない。
岡本太郎『自分の運命に楯を突け』p. 82


アルフレッド・アドラーは『生きるために大切なこと』という著書でこのように言っている。

人は誰でも劣等感を持っている。劣等感それ自体は病気ではない。むしろ健全な向上心につながるきっかけになるだろう。劣等感が病的になるのは、無力感があまりにも大きく、向上心を殺してしまうときだけだ。人は無力感に圧倒されると、気分が落ち込み、成長できなくなる。
アルフレッド・アドラー『生きるために大切なこと』p. 70


優柔不断であることを欠点だと思っている人もいるだろう。

でも、優柔不断にもメリットはある。

優柔不断な自分を変えて即行動できるようにするのではなく、とことん迷って、でもその代わり決断できるまで調べまくって考えまくろう。

欠点を克服するのではなく、欠点だと思っている方向へもっと突き抜けると決め込む。

そうすれば、その欠点はもう欠点じゃない。



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