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マサチューセッツ州第2の都市ウースター

こんにちは!TAROです!
昨日、マサチューセッツ州のウースター(Worcester)に住んでいる友達の家に遊び行ってきました。おそらくボクら日本人にとって、ウースターはあまり馴染みがない(というか聞いたこともない)場所かと思いますが、実はウースターは、いろんな特徴を持つ場所だったということが分かったので、今日はボクが学んだことについて記していこうかなと思います。

ウースターの基本情報
ウースターは、マサチューセッツ州のほぼ中心に位置しており、人口18万人強(2010年度の国勢調査)を擁する、同州第2の都市になります。

マサチューセッツ州内におけるウースターの位置
(濃い赤がウースター、青い点がボストン)
※Wikipediaからの引用

またWikipedia情報によると、ウースターの町の歴史は古く、1673年からヨーロッパ人の入植が始まり、1722年には正式なタウンになっているそうです。さらに、1731年にはウースター郡という行政区分が設置されているんですが、その時、ウースターには同郡の行政府が置かれたらしく、18世紀の前半から、マサチューセッツ中部の中心地として機能していたことが分かるんじゃないかなと思います。

そんなウースターですが、僕が訪れた際に気づいた点は、大きく2つになります。

学術都市としてのウースター
1点目は、ウースターの学術都市としての側面です。マサチューセッツの学術都市と聞くと、ボストン大学擁するボストンや、ハーヴァード大学・MITを擁するケンブリッジを思い浮べる人が多いんじゃないかなと思うんですが、実は、ここウースターにも、多くの大学が位置しています。クラーク大学 Clark University、ウースター州立大学 Worcester State University、ウースター工科大学 Worcester Politics Instituteなどがこれに該当します。

ボクも初めて聞くような大学ばかりでしたが、これらの大学は、すべて一流の研究機関らしく、例えばクラーク大学だと、心理学の研究がめちゃめちゃ盛んらしいです。精神分析で有名なジークムント・フロイト(Sigmund Freud)も、このクラーク大学を訪れていたっぽくて、クラーク大学のキャンパス内にはフロイトの像が建っていました。

さらに余談ですが、クラーク大学の心理学では、かつて精神疾患を患った患者さんを治療したり、脳の状態を研究したりするために、イスに人間を座らせて、頭を固定し、脳の前頭部分を切開し、前頭葉部分を取り出すという方法が存在していたらしく、そのとき使われていたイスが、同大学の正面キャンパス(下図)最上階に保存されています。そのため、このキャンパスにはゴーストが出るという噂があるっぽいですが、興味がある人はぜひ訪問してみてください。入れるかどうか知りませんが。(笑)

クラーク大学のキャンパス
キャンパス内にあるフロイトの銅像

個人的には、ボストンやケンブリッジの他にも、マサチューセッツ州内に大学のハブとなっている都市があったということに少し驚きました。「マサチューセッツはかなりリベラルだよ!」とか「マサチューセッツはブルーステイトだよ!」という話を聞いたことがある人もいるかと思いますが、これだけ研究機関が1つの州に集中していることも、それを示す1つの証左なのかなあと感じました。

ウースターで感じたアメリカ産業革命の痕跡
ボストンからウースターまでは、コミューターレイルという快速電車みたいなものに乗って1時間半ぐらいかかります。

下の写真は、ウースターの玄関口『ユニオン・ステーション(Union Station)』。かなり立派な建物ですが、ここに最初に到着した時に、面白いものを発見しました。

ユニオン・ステーション(外観)
ユニオン・ステーション(内観①)
ユニオン・ステーション(内観②)

下にある写真は、ユニオン・ステーションの改札出て階段を降りたところに建てられていた、ジェローム・ウィーロック(Jerome Wheelock)という人物の銅像です。横にキャプションが添えられていたので読んでみると、どうやらこの人は、コルリス型(?)の蒸気エンジン(たぶん、蒸気機関を利用した水平方向の円筒型エンジン)を開発し、これを基にウースターで会社「ウィーロック・エンジン会社 the Wheelock Engine Company」を開業したらしい。後で調べて分かったんですが、彼は、1834年にマサチューセッツ州のグラフトンという場所で生まれ、ウースターに移り住む前に、同州ト―ントン(Taunton)にある蒸気機関車の製造会社で下積み時代を過ごしていたらしい。

ジェローム・ウィーロック像
横にあったジェローム・ウィーロックに関するキャプション

ボクのガチガチの専門は、植民地期(アメリカ合衆国建国前)の時代なので、合衆国建国後、特に19世紀のことについては、知らないことが多いですが、それでも、19世紀前半にアメリカ北部の繊維産業を中心に、産業革命が展開していたことは知っていました(おそらく、世界史専攻していた人とか歴史好きな人もご存じだと思います)。従って、ニューイングランドには、そうした産業革命期の雰囲気や実際の工場跡地を色濃く残している場所が点在しているんですが、このウースターもその1つだったみたいです。

さらに、ジェローム・ウィーロックが活躍し出した19世紀半ばの時期は、蒸気機関が本格的にあらゆる分野の産業に搭載されていく時期になります。例えば、蒸気船の場合だと、初めて蒸気船の実用化に成功した例は、1807年、アメリカ人のロバート・フルトンによるものですが、これを境に、一気に帆船から蒸気船に移行したのではなく、徐々に蒸気船シフトしていったことが知られています。ジェローム・ウィーロックは、こうした”蒸気機関トレンド”に乗って経済的成功を収めた人物だというふうにも捉えることができると思います。

また、ジェローム・ウィーロックの他にも、ウースターには産業革命期の名残がありました。ボクの友達は、アパートに1人暮らしをしていたのですが、そのアパートは、かつての工場跡地をリノベーションして、アパートに作り替えてありました。写真撮るの忘れた(しまった~~!)ので、記述での説明になりますが、外観はがっつりレンガ造りのまさに「工場!」って感じで、中に入ると新築のキレイなマンションって感じでした。こうした新旧織り交ざってる感じが、さすがニューイングランド!さすがアメリカ!って感じがしましたね。元々なんの工場だったのかまでは分かりませんが、こうしたレンガ造りの”工場マンション”は、日本にはない、早い段階から産業革命を経験したアメリカならではの不思議な建物でした。

ウースターに滞在したのは、ほんの1日程度だったんですが、いろんな発見があり、メチャメチャ面白かったです。他にも、ウースターの歴史資料館的なところにも訪問したんですが、着いた時間がギリギリだったので、ゆっくり見ることはできませんでした(マジやらかした!)。ただ、その時聞いた話によると、ベトナム戦争時の難民がウースターにたくさん入ってきているらしいので、ウースターのベトナム料理屋は美味いらしい。ボクは食べませんでしたが、誰かボクの代わりに味わって、本記事のコメント欄で食レポお願いしやす!(笑)

いやあ、ぜんぜん知らないことだらけだったけど、いろいろ興味深くて、楽しかった!雑なまとめですが、この辺で締めます!!現場からは以上です!

Peace out!!!


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