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Fusumaのお陰でマルチジェスチャー可動=Zephyrus G14、ほぼ理想に近いモバイルLinuxマシンに

この記事の続き、です。↓

Fusuma(ふすま)はイイ。

Pop OSのお陰で指紋認証以外のディバイス周りがすべて問題なく可動し、ほぼ理想に近いモバイルLinuxマシンとなってきた「ASUS Zephyrus G14」ですが・・・まだひとつだけ、不満がありました。それが

タッチパッドの「マルチタッチジェスチャー」

です。結論から言いますと、

「Fusuma」導入で上手くいきました。

タッチパッド(Macではトラックパッド)でピンチによる拡大・縮小、スワイプによるページの戻る・進むやアプリケーションランチャーの表示、ウィンドウの一覧などが可能になりました。

これでほぼMacBookのUXに近いモバイルLinuxマシンが完成です。

Linuxのマルチタッチ実現は3パターン

Linuxの場合マルチタッチジェスチャーを実現するには以下の3つの方法があります。(いずれもgithubで公開されています。)

①Libinput-Gestureを導入する方法

②Toucheggを導入する方法

③Fusumaを導入する方法

3つ目がこの「Fusuma」です。なまえの「Fusuma」はふすまを開ける動作に似てるのが由来だそうです。日本語名であることからも推測されるように、Kohei Yamadaさんという日本人エンジニアが開発しています。そして使われている開発言語はこれまた日本発のRuby言語です。日本人としては応援したいですよね。

①「Gestures」と②「Touchegg」は設定GUIアプリがあるので敷居が低く感じられ導入してみたものの、Pop OS &Zephyrus G14ではうまく可動しませんでした。
①はインストール自体はエラーなく出来るが可動せず。どうやら次期ウィンドウシステムの「Wayland」では標準対応になる予定なものの、現行のXorgでは動かない機種がある模様。
②は、動作はするものの動作が重い。特にピンチによるウェブページ拡大・縮小は動作は激重。

最後の③Fusumaは、名前が「ふすま」で日本風な画像のアイコン。
Discordの「Linux on Zephyrus」のスレッドに質問を投げてやり取りをしたところ、「Fusuma」がイイぞ、と紹介されたのがきっかけで知りました。

GUIアプリによる設定が出来ないなどもあってちょっと敷居が高く感じられたため最初は導入を躊躇しましたが、結局①と②が上手くいかなないので最後に試してみました。

そしたら拍子抜けするくらい、あっさり、可動。動作も軽い。ウェブページのピンチもOK。スワイプでの戻る・進むもOK。これでタッチパッド周りはMacにかなり近くなり快適になりました。

カスタマイズ 

細かい設定は、設定ファイルを以下のように作ることで可能になります。

~/.config/fusuma/config.yml

公式サイトのドキュメントや開発者さんのサイトを参考に、とりあえずこのような設定にしてみました。

swipe:
 3:
   left:
     command: "xdotool key alt+Right" # History forward 
   right:
     command: "xdotool key alt+Left" # History back
   up:
     command: "xdotool key super" # Activity
   down:
     command: "xdotool key super" # Activity
 4:
   left:
     command: "xdotool key ctrl+Super+Down" # Switch to next workspace
   right:
     command: "xdotool key ctrl+Super+Up" # Switch to previous workspace
   up:
     command: "xdotool key ctrl+Super+Down" # Switch to next workspace
   down:
     command: "xdotool key ctrl+Super+Up" # Switch to previous workspace


pinch:
 in:
   command: "xdotool keydown ctrl click 4 keyup ctrl" # Zoom in
   threshold: 0.75
 out:
    command: "xdotool keydown ctrl click 5 keyup ctrl" # Zoom out
    threshold: 0.75

threshold:
 swipe: 1
 pinch: 1

interval:
 swipe: 1
 pinch: 1

特に3本でアクティビティ一覧表示、4本指スワイプでワークスペース切り替えは便利です。

自動起動するように設定

ログイン時に自動可動するように設定します。何も考えず、とにかく以下のコマンドをTerminalにコピペして実行しておけばOKです。

cat << EOF > .config/autostart/fusuma.desktop
[Desktop Entry]
Type=Application
Version=1.0
Name=Fusuma
Comment=Multitouch gestures with libinput driver on X11, Linux
Exec=/usr/local/bin/fusuma -d
Terminal=false
Categories=Utility;
EOF

参考URL↓

Macのジェスチャーに近づけるべきか?

結論からいうと、別に近づけなくてもいいかな、と思いました。ちょっとMacのジェスチャーに近づけるべく設定をいろいろ弄ったりしてみましたが・・・OSの世界観や価値観が違うところがあるので、LinuxはLinuxで、違う感じのマルチタッチでいいかなと思いました。

Macの場合、トラックパッドの操作感が充実しているのは「キーボードだけでのOSのコントロールが完結しない」という側面もあります。
キーボードで呼び出せないメニューも多いです。スリープ・再起動・シャットダウンや「OK」ボタンをキーボードだけで操作することすら未だに許されていません。「最終意思決定の権限はマウスやトラックパッドありき」で設計されているわけです。

Linuxではキーボード操作が充実しているのでトラックパッドは補佐的な範囲で十分です。極論を言えばマルチタッチは「あれば便利」という感じで、なくてもキーボードだけでOSをコントロール出来ます。

LinuxとMacのマルチタッチの違いは、例えば「戻る・進む」だと
・Mac=「縦移動も横移動もすべて2本指」
・Linux=「縦移動=2本指・横移動=3本指」
という違いがあります。Macはテキトー感覚でもOKというか、2本指だけでコントロール出来るのが良い点です。Linuxの場合Macユーザー感覚でやろうとするとちょっと慣れが必要です。ただ、適当な感覚で動かせない反面、操作の意思表示を明確に切り分けている感じがするので、慣れればこれはこれでアリ、という感じです。


まとめ

Pop OS+Zephyrus G14を導入して以来、iPhoneをUSBでつないでテザリングしたり、ワイヤレスマウスを使ったり、BluetoothでWacomのワイヤレスペンタブをつなげたり、HDMIやUSB-Cで外部ディスプレイ出力したりと、モバイルマシンならではの機能を一通り試しつつ使ってますが、全く問題なし。
・デスクトップに負けないパワーのあるRyzen 搭載
・NVIDIA GeforceとAMD Radeon搭載ハイブリッドGPU
・メモリもゆとりの40GB搭載
・バッテリー駆動環境に合わせてGPUモードもいろいろ選べる
・サスペンドからの復帰も早い
・Fusuma導入でMacBookに近いトラックパッド操作感実現
ということで、ほぼ理想に描いていたものに近いモバイルLinuxマシンとなりました。


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