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夜勤明けのあんたがたどこさ

あんたがたどこさ

視力がほぼ0に近い認知症のある高齢患者さんがいるのですが、底抜けの明るさにいつも笑顔を貰える。
夜勤明けいつものように眠たい頭に聴こえてきたのは、ベッド上からの
「あんたがたどこさー」
だった。目が見えないため、ナースコールが押せない。患者さんなりのユーモアを交えて人を呼んだのだと思う。
つい訪室した時の第一声が「ひごさ」になった。
続いて「ひごどこさ」が返ってくる。

しばらく2人で掛け合うが、
「煮てさ、焼いてさ、食ってさ」の後が2人して分からない。
適当に鼻歌で誤魔化して「ちょいとかぶせ」をハモった(笑)
家に帰ってきて歌詞を調べた。



あんた方(がた)何処(どこ)さ 肥後(ひご)さ
肥後何処さ 熊本さ
熊本何処さ せんばさ
せんば山には 狸(たぬき)がおってさ
それを猟師(りょうし)が 鉄砲(てっぽ)で打ってさ
煮てさ 焼いてさ 食ってさ
それを木の葉で チョッとかぶせ

「ちょいと」ではなく「チョッと」が正しいよう。

良い夜勤明け業務だった。

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