(逝去時)旅立ちのケア
ご逝去時のケア=旅立ちのケア
回復期病棟では、2~3ヶ月に1人ほど、ご逝去される患者さんがいる。よりよく旅立てるように看護師が行う逝去時のケアをまとめようと思う。
①口腔ケア
→死後硬直、下顎が閉じる目安が一時間前後なので、始めに行う。
→愛護的にマウスウォッシュ&スポンジ付スワブ(なければガーゼ)後に保湿ジェルをたっぷりと。
②下顎を閉じる
→丸めたタオルを顎の下に挟む&枕を首がやや前傾になるように置くとうまく唇が閉じる。
③顔のクレンジングと清拭後の保湿
→タオルは抑え拭きで。保湿はたっぷり。
→病棟ではクレンジング省かれることが多い。
→浮腫や乾燥・皮膚の菲薄化が進んでるので、上肢や下肢を支える時は下から腕全体で持ち上げるように。
→家族と一緒に行うとグリーフケアに繋がる
→腐敗を防ぐため、お湯は40度程でOK。
④創部のケア
【褥瘡】ガーゼとドレッシング材、フィルムで密閉
【ストーマ】新しいパウチへ。
【CV】浸出液に合わせて、ガーゼやドレッシング材の選択、フィルムで密閉を。
【人工呼吸器、胃ろう】医師のもと抜去。浸出液に合わせて(略)
【膀胱留置カテーテル】看護師抜去OK。
⑤更衣
家族が着せたいもの、患者が生前着たがっていたもの。おむつから下着に変えた場合は尿取りパッドを当てることを忘れずに。
⑥メイク
→赤みがあるファンデーションを全体につけ、ほお紅(チーク)で頬の血色が良くなるように。
→(希望あれば)まゆずみで眉を整えたり、口紅(又はリップ)を薄く塗るなど。(病棟ではあまりやりません。)
⑦温めない
→病院では霊安室の冷蔵庫に入ることができるが、在宅など出来ない場合は体幹に保冷剤などでクーリング。部屋の温度を下げる。シーツは1枚のみ掛ける。
⑧ご移送
→葬儀会社へ申し送りとお別れの挨拶。
→ご家族がいる場合はご家族がメインで、看護師はサブ。
※今は積極的にやらないこと。
【綿詰め】漏液や脱糞は1度漏出が始まれば、綿を用いても防げない。鼻が変形するように綿を詰めるのは家族の悲しみに繋がる。臭いを抑える効果はあるが、粘膜を傷つけるリスクもあることを忘れずに。
【指と手を組む】
抹消部の循環障害を招く。業者が手を組むのは、移送する際に手がぶらんと落ちないようにするためなので、看護師はやらなくて良い。
【白い布をかぶせる】
顔面の外傷や損傷が激しい時以外は、家族は最後まで顔を見てお別れをしたいもの。
組織の慣習や風習によっては、今は積極的にやらないこともやってしまうことがあるかと思う。
上司や先輩は同じチームなので、戦う必要はない。
行うケアの根拠を知ろうとする努力、患者さんの体を傷つけない配慮、後にはプロが控えているから任せるといった棲み訳を意識することが大事。
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