昨日は惨め

今までの人生で、一番惨めな誕生日だった。

だけれども、これからは、もっと人生が惨めになるとも分からないから、あくまでも、今までの中で。

仕事では、大きな失敗をするし、友達付き合いでは、一人と縁を切る事になり、気晴らしに観に行った映画は、明日からの間違いで、全てが上手く行かない様な、そんな気分に染まってしまった。

だけれども、仕事は転職したばかりで、試用期間でもあるから、その間に、大きな失敗をするのは、必ずしも悪い事ではないし、友達付き合いも、正直、この人に合わせていると、時間を奪われているな、と感じてしまっていたから、どこかで引きたいなと思いつつ、こちらからは言い出せずにいたので、渡りに船だったとも思う。

映画は、今日、休みだから、これから観に行けばよい。

だから、本当によくなかったのは、自分の心の有り様であって、自分の置かれた状況ではない訳だ。

それを、まあそんなもんか、と思うまでに、一日費やしてしまった、それこそは惨めな事ではあるまいか。

昨日は、夜勤明けで、そのまま恵比寿まで行って、映画がやってなかったので、代わりに写真美術館で、”あしたのひかり“という展覧を観た。

新進作家の作品展で、美しいと見えるもの、そうでもないもの、よく分からないもの、解りきったもの、様々、展示されていた。

映像作品もあって、一つ一つ見ていったのだけれども、途中で眠くなって来て、立って見ているのに、そのまま崩れ落ちそうに何度もなった。

ああ、これは今日、映画やってなくて良かったな。

交通費が勿体ない気がして、恵比寿から渋谷駅まで歩いて帰ったら、ちょうど、正午頃だったので、とてもいい天気で気持ち良かった。

暑さもさほど感じはしなかった。

最寄駅の手前で降りて、スーパーに寄ったら、鶏肉が安かったので、まとめて買って、また歩いて家まで帰った。

荷物は重かったけれども、やっぱり陽射しが心地好かった。

けれども、ズボンのポケットに入れていた財布の中のレシートが、家に帰って見たら、びしょびしょだったので、それだけ汗をかいたらしかった。

夏の終わりに、夏らしい事が出来て、何より嬉しくなった。

そういう日を、どうして惨めに染めてしまったのか。

悪手だな。

東京は、今日もよい天気だ。

秋の気配が漂う空色に、夏の雲が漂っている。

音楽を聴きながら歩こうと思い、オランダのレミーというハーピストの自作自演をセットした。

この人は、顔が気に入って好きになったのだけど、演奏も素敵だ。

YouTubeにヒナステラのハープ協奏曲の動画があって、容姿も演奏最高だ。

だけれども、アルバムとなると、音楽の方向性は、余り自分の好みとは合致しない。

けど、好きな人だから、それでもいいの。

今日は、そんな幕開け。

映画、満席で観られなかったら、、、

レミー・ヴァン・ケステレン(1989-)

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