見出し画像

【ひすみ短歌365日】244日目~273日目 【まとめ】

◇はじめに

こんにちは。
今年の1月より「1日1題2首以上」お題に沿った短歌を詠むことを習慣に、日々短歌を作っています。
8か月を達成したのでまとめました~。
色々なお題で詠んでいるのでよかったら見てみてください~!

↓↓耳でも楽しめる短歌としてYouTubeもしています♪↓↓


◇短歌


244日目【天使】2023.9.24

恋をした瞬間、胸が痛むのは恋の天使が射った矢の跡

黒ならばどんな色でも打ち消して己でいられる堕天の利点


245日目【時間】2023.9.25

時は真っ直ぐ進むのに人はアナログの時計のように繰り返してる

世は可処分時間戦争 限られた時間を奪え 私に寄越せ


246日目【朝】2023.9.26

カーテンでせきとめていても夜は散り必ず朝が勝って眩しい

「明朝体で提出して」と言われてもグループのなかのどの子でしょうか


247日目【雷】2023.9.27

大粒の雨とともに鳴り響く鬱なる空の慟哭の音

曇天に亀裂が走る 青空の片鱗すらも見えない光


248日目【紅葉】2023.9.28

紅葉した木の葉に思うこの赤は余命替わりの美しさだと

青かった日などなかった面をする紅葉と大学生は似ている


249日目【白色】2023.9.29

白い服ばかり詰められた引き出しに滲み出ている逆さの願い

真っ白なルーズリーフを真っ黒にするのが我の創作の門


250日目【リボン】2023.9.30

さあリボンをかけてみれば特別に守られている花束となる

あばかれてみたくて私の秘密にはリボンで鍵をしているのです


251日目【階段】2023.10.1

上るたび後ろの一段無くなって崖っぷちから大人にされる

神社前の石階段は永遠に辿り着けない チヨコレイト


252日目【台風】2023.10.2

台風で荒れ狂っては晴れ晴れとする夏空はメンヘラのそれ

大雨の轟音に耳傾けて嘆ける強さが欲しいと思う


253日目【羽】2023.10.3

飛べるほど大きさのない羽だけど可能性は肥大していく

いつまでもサナギでいたい羽化すれば空の上まで基準となりぬ


254日目【香水】2023.10.4

いたずらに季節外れの香水を纏いて他人の季節を奪う

商品の名前は知らず誰々の香りで記憶される香水


255日目【寿司】2023.10.5

サーモンしか頼まぬ君の姿見て我への好意に合点がいった

不愉快な辛みをすぎて爽快になればわさびのない寿司はなし


256日目【バイオリン】2023.10.6

思い出をなだめるような音を持つ老いた木の葉の形の楽器

しなやかな音を奏でる指先に涙で塞いだ古傷がある


257日目【梅雨】 2023.10.7

梅雨明けは澄んだ雨の残り香と虹のかけらが放たれている

雨ばかりの日もお日様の強い日もしきつめられた果実的夏


258日目【ひだまり】2023.10.8

温かさの謎を知りたき白猫は陽だまりのなか微睡んでいく

陽だまりのスポットライト浴びている書きかけばかりの便箋の山


259日目【涙】2023.10.9

許されるために泣いてはいないのでただの芥と思っておいて

涙には未来を閉じた水晶のごとき言葉が渦巻いている


260日目【動画】2023.10.10

履歴にも残っていない君に出会う前の日々は思い出せない

一本にかけているのは一分で語りきれない募った欠片


261日目【正しさ】2023.10.11

正しさに任せてしまう人生を己を否定されないように

正しさを説く人の目にその裏の縫い目はまるで見えないらしい


262日目【カービィ】2023.10.12

その身体はきっとどんな姿にもなれるように球体である

月さえも食べてしまえるような君は数多の星を守る戦士だ

兄弟の鬱陶しさも喜びもはじめてだった 夕焼けの空


263日目【音】2023.10.13

数年も経てばあなたの本当の心音を知る日が来るのだろう

死ぬ時まで音を鎮めるすべはなく人はずっと騒音がする

264日目【才能】2023.10.14

気づきたくない傷跡が痛むゆえ才能という蓋をしたがる

才能を才能であると認められる才能を見つけられる才能


265日目【冬休み】2023.10.15

冷たさが冷たいままで終わってく降る雪がただ積もる二週間

食べ待ちのみかんに顔を描く日々でもう顔文字のストックがない


266日目【枯葉】2023.10.16

おろしたてのショートブーツの足音を枯葉が消してしまう十月

穴だらけの枯葉に思う治らない痛みを負ってもまだ続くのか


267日目【太鼓】2023.10.17

心音で花火の音も聞こえない轟き渡る和太鼓のごと

打った音がそのまま我にこだまして真正面から鼓舞される夜


268日目【友達】2023.10.18

本当の友だと信じておりました 貴方が刃を向けてくるまで

お互いに害を感じるその日まで友達としているにすぎない


269日目【鍵】2023.10.19

諦めるたびに錆びた鍵となる私の夢の扉も朽ちる

もう逃げないために全ての鍵穴に負の感情を詰まらせておく


270日目【嘘】2023.10.20

嘘に嘘を重ねるうちに本当は君から消えて久しいだろう

優しさのつもりでついた嘘の奥に自衛心が透けて見えてる


271日目【冬】2023.10.21

みな少しずつ厚くなる室内に入れば誰もが着痩せする冬

幸せは柔軟剤が香り立つ毛布にぬるく溶かされるとき


272日目【クリスマス】2023.10.22

着飾られた街で薄まる星明りと二人でかわす杯の美味

人々は特別感で簡単に愛して別れて忘れて愛す

ただのショートケーキの苺をサンタにす母がサンタに見えたあの頃


273日目【川】2023.10.23

人間から星になっても変わらない流れるる天の川の影の方

ロマンなどいらない川のせせらぎが一生続くような恋でいい

◇おわりに

YouTubeに音声付で投稿もしています♪
よかったら耳でも楽しんでみてください~!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?