見出し画像

【ひすみ短歌365日】91日目~120日目 【まとめ】

◇はじめに

こんにちは。
今年の1月より「1日1題2首以上」お題に沿った短歌を詠むことを習慣に、日々短歌を作っています。
4か月を達成したのでまとめました~。
色々なお題で詠んでいるのでよかったら見てみてください~!

↓↓耳でも楽しめる短歌としてYouTubeもしています♪↓↓


◇短歌

91日目【風】2023.4.24

来世では晴天の雪に風花と名付けるような佳人でありたい

雨が風に押されて斜めに降る天気の主導権は風が持ってる

風吹けば回る風車素直さがこの世を生きるコツと思えり


92日目【本】2023.4.25

見られたくない本棚は頭のなか題名つけて並べているよう

本当を捜しています吹聴や虚偽に紛れて行方不明で

積読は生きるをずっと温めていつかを作る本との共生


93日目【彼岸花】2023.4.26

あの人の煙を思い起こさんと彼岸の花は一面に燃ゆ

空気すら喰っているだろう血管を伸ばして仰ぐ心臓の花

94日目【漢字】2023.4.27

書くたびに由来や意味を乗せている漢字一字の物語性

飾り気ない余白ばかりの総画数少ない文字が輝く習字


95日目【ブラウス】2023.4.28

デート用ブラウス大きめフリルが良い胸の高鳴り隠してくれる

白色であればあるほど潔白でいられるようなそんな初夏の日


96日目【神社】2023.4.29

神なんていない神社は歴史的建造物としてある空箱

賽銭は神社が永劫残ること願って投げるそれだけのもの


97日目【死】2023.4.30

現実は雪国である死にたさの責苦が雪崩となって追い込む

この命が朽ち果てるまで懸命になることを指す必死は遠い


98日目【通販】2023.5.1

通販は楽だけれども段ボール処理する手間は通販だけだ

ボタン一つで何でも届く便利さの裏に便利を動かす人あり

手に取った感触、匂い、重さなど知りたいことは画面にはない


99日目【チョコレート】2023.5.2

善悪は混ざり続けるチョコレートキスで美醜を含めるように

常備しているチョコレート、お守りの感覚で食う持病の薬


100日目【紙】2023.5.3

紙質や質量を感じながら読む紙媒体の本は愛しい

書き初めに載せた思いは半紙へと滲んでとれなくなる決意ごと


101日目【真夜中】2023.5.4

真夜中の哲学タイム独りでに世界を知った気になる心地

真なる無音は存在しないのだ静まる夜にもノイズは散って

偉そうに登る朝日が夜を食う前に宴だ 月星明かり


102日目【新しい】2023.5.5

新しいノート、友達、思い出に昔が無くなるような恐怖が

おろしたてローファーで歩む一日は痛みのなかに誉があった

罪深きものだわ 直ぐさま乗り換えて古きを捨てる流行り廃りは


103日目【手芸】2023.5.6

私の糸から生まれる君の名のイニシャルひと針ずつ想い刺す

花柄の刺繍を胸の傷口が塞がるように縫う夢手術


104日目【放課後】2023.5.7

夕暮れの教室 他人の匂いなど濾過されて澄む主観の記録

真っ直ぐに帰らぬことが大人への一歩であった青い五時半


105日目【銃】2023.5.8

銃声がした心臓を貫いた君の言葉で恋をした音

目で見るな機械のように肉体が記憶しているリズムで放て


106日目【男】2023.5.9

優しい目のままで男となる君におさまりながら考える愛

男だとか女だとか君だとかあなただとかもう、らしくなら良い

男は楽、女は楽と比較している間は分からぬ差別と区別も


107日目【平凡】2023.5.10

平凡であることを嫌うそれすらも平凡である象徴だった

映画ならエンドロールに流れない名無しのままで死ぬような役

才能を引き換えとして安全な道を歩める権利と言える


108日目【ピアノ】2023.5.11

ウグイスの赤子のようにたららたら、たたらたら鳴る昼のエチュード

五線譜に閉じ込められた旋律がピアノの階段上り旅立つ


109日目【歯磨き】2023.5.12

歯磨きは生存のため食べることの毒素を洗う治療の一環

理由なく母を独り占めできた幼き頃の仕上げの時間


110日目【別れ】2023.5.13

出会いより別れの数があるような手を離さずにいる難しさ

もう二度と会わなくなる人ばっかりの電車で別れの曲が流れる


111日目【信号】2023.5.14

鳥たちは世界の止める掟など知らず無限な空間を飛ぶ

人生は安全保障も危険もない永久に黄色の信号を行く


112日目【舟】2023.5.15

元々が泥舟みたいな身であるし沈むも進むも時任せ旅

雨粒は流れる笹の舟に乗る川の一部とならないために


113日目【少年】2023.5.16

体だけ季節とともに大人へと変化する心夏色のまま

死にかねん怪我の重さを知らぬゆえかすり傷だと思っている時期

知ったのだ顔も描かれぬ村人は自分であると。彼ではないと

これからを描けるような染められてしまえるようなワイシャツの白


114日目【ひな祭り】2023.5.17

桃の花のように色めく頬の色の続いてゆくこと願う一日

ちらし寿司の日だと思えるほどに子の生きられる世になった幸せ


115日目【午後】2023.5.18

地続きの時間に区切りをつけている取れない付箋を貼るかのように

午後ティーを午前に飲みし人のごと被害者のない罪を真似たい

正午から一分過ぎれば午後とするくらいに全て切り替えれたら


116日目【学校】2023.5.19

均等と平等学ぶ校舎にて人の手札の異なりを知る

暗闇に朝が希望を告げるような一番乗りの教室が好き

知ることは叶わぬ思いが刻まれたカーテン裏の壁の刻印


117日目【文化】2023.5.20

当たり前にしていることもされていることも誰かの残した文化

文化的に過ごす日として真っ先に本を手に取る祝日の昼


118日目【約束】2023.5.21

生きている意味なんてないただ君と会う約束をして延ばす寿命

約束は繋がりを持ち続けたい証のような小さき花束


119日目【アイス】2023.5.22

限界は伝わらないよパルムとかピノの中身が溶けだしてても

思い出も包まれているセブンティーンアイスの食べにくさも懐かしい

もう大人になってしまったチョコスプレー、アイスにかける夢の拙さ


120日目【快楽】2023.5.23

美しき人も賢き人もみな溺れる快楽ある愚人たち

肉体が己を離れて君の手に同化しているような微睡み


◇おわりに

YouTubeに音声付で投稿もしています♪
よかったら耳でも楽しんでみてください~!






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?