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桜吹雪と格闘

 多肉植物のアナカンプセロスと試行錯誤しながら付き合っている話。
 先に経過を述べておくと、我が家の桜吹雪たちは①購入後の植え替え(9月)→②根腐れ疑惑で再植え替え→③鉢のサイズダウンのため再々植え替え(12月)→④用土が気に食わず再々々植え替え(2月。今ここ)と、半年も経たないうちに4回植え替えさせられている。管理人が初心者・見通しが甘い・短気というトリプルパンチにより苦労が絶えない。申し訳ない。でも今のところはなんとか同居を継続している。
 色んな方のブログ、書き込みにいつも助けていただいているので、こんな無茶をやっても何とかなっているという私の経験もいつか誰かの役に立つことがあればいいなあ~と思って残しておきます。


1.購入~根腐れ疑惑(葉が落ちる)

 9月、購入当初はみずみずしい緑の葉が繁り、花芽もあった。店員さんには「これからの変化が楽しみですね」と言われ、植え替えてから数週間。根本に触れると葉がぽろぽろと落ちるようになった。ちょっとした刺激でちぎれてしまうものか?と思っていたが、少し様子を見ても止まる気配がない。変色する、ブヨブヨになる(いわゆる「ジュレ」る)といったことはなく、ただただ葉が落ちる。花芽が萎れた時点で、さすがにおかしいと思ってインターネットで情報を集めた。
 薄々感づいてはいたが、水のやりすぎ・蒸れによる根腐れの可能性が高そうだった。

購入直後の様子。可愛くて世話を焼きたかった。

2.再植え替え(根腐れからの救出)

 根腐れした場合の救出方法を調べたところ、いったん掘り出して状態を見る→腐ってしまった部分は切り落としてしばらく乾かす→植え直す、とのことだったので、そのようにした。3号サイズの鉢から取り出すときにも大量に葉が落ちた。
 最初の植え替えではあまり触らないようにしていた土と根を思い切ってほぐしてみて、初めて複数の株が縒り合わさっていたことを知った。こまかく枝分かれした繊細そうな根っこがぐるぐる絡み合っていた。明らかに腐っている部分はなかったが、時間の問題だったと思う。手に余る長さの根は切ってひとつずつに分け、適当な紙の上において乾かし、距離を置いて植え直した。とにかくもうあの「ぽろり」感を味わいたくないという一心で、大きめの鉢を用意した。
 不用意に触って傷つけるのは怖いけれど、最初にしっかり状態を確認しておかないと結局植物に余計な負担をかけてしまうという当たり前のことを身を以て学んだ。

3.再々植え替え(鉢のサイズダウン)

 再植え替え後、気候が良い時期が続いたので基本的にはベランダに放置、土が乾いても数日は我慢→水やりを繰り返す。ぎゅうぎゅう詰め状態から解放されたからか、桜吹雪たちは元気を取り戻して紅葉もした。よかった。ピンク色が可愛い。
 しかしある日ふと、このまま冬を越してスペースいっぱいに増えるようなことになったら、ちょっと手に余るな?さすがに鉢が大きすぎたのでは?ということに気が付く(12月下旬)。その頃には多少知恵がついており、工作意欲も抱いていたので、空のペットボトルやプラカップを使って即席のミニポットをこしらえた。彼らはまたもや掘り返され、3~4株ずつの寄せ植えに再編成されることになった。しばらく広い場所で養生していたからか、この時は特に落葉もせず、無事に植え替えが終わった。

しっかり根が伸びていてほっとした。

4.再々々植え替え(用土・水やり問題)

 休眠期(冬)は水やりをしなくてもいいくらいだ、ということだったので、たまに霧吹きをかける以外は断水。しかし、どうにも元気がないように見える。プラ製品を再利用した透明ポットで土と根の様子が見えることから、一度、カラカラになったところを見計らってたっぷり水やり→観察したところ、以下のことに気が付いた。
 ・用土(百均・繊維質多め)がスカスカで水が浸透しづらい
 ・おそらく保水にも難があり、断水前から水不足だった可能性がある
 ・ポットが深すぎ、いざ土が水分を含んだ後の乾燥にムラがある
 12月の植え替え時点ではさすがにもう春まで置いておこうと思っていたのに、気になりだすと余計にしょんぼりして見えてしまう。ちょうど別の植物の手入れのために土を買い足したこともあり、植え替えを決行。ちなみにポットはSeriaで見つけたスリット鉢(小サイズ、2つで110円)を使いました。
 現在(2月下旬)、植え替え時の水やりと気温の上昇により葉がツヤツヤ、複数の子株も出てきた。おそらく購入以来いちばん元気。

3つに小分けされてやっと落ち着いた図。

5.格闘所感

なんだかんだで強い
 根腐れ未遂、適期以外の度重なる植え替えにもめげないので、色々なところで見かける初心者向け・難易度低、というのはその通りだと感じる。
葉からの発根率:低いっぽい
 落ちた葉が勿体なくてしばらく土の上に置いておくということもしていたが、発根することはほとんど無かった(最初のトラブルで10個以上落ちた葉のうち、1つだけ小さな根が出たので、経過観察中)。他の方も仰っているように、葉挿しの成功率はかなり低そう。逆に、徒長した部分を丸ごとカットしたもの(3つ)からはすべて根が出た。
 実生で増やすことも可能らしいので、まずは健康を維持し花を咲かせるところから頑張りたい。
生長速度:ゆっくり
 これは年明けに他の多肉植物を迎えたことで感じることができた。5センチほどの挿し穂をいただいたルビーネックレスのスピード感がすごい。土に埋めてから1週間足らずで長い根が伸びたし、寝て起きるたびに葉が一回り大きくなっているような気がする。もし再植え替え時の鉢に移植されたのがルビー氏だったら…と想像すると恐ろしい。それに比べると、桜吹雪は根も葉ものんびりしている。
参考になったもの
 各種サイト・ブログやYouTubeの情報は勿論のこと、私が水やりについて自制できるようになったのは、「自生地の多肉植物」という書籍を読んだことが大きい。こんな環境で生きているのか~!と視覚で理解でき、そりゃあ多湿・蒸れなんてもってのほかだと納得した。アナカンプセロスだけでなく自生地ごとに沢山の多肉植物の写真が収録されていて、盗掘や気候変動など現地の問題にも言及があり、とても勉強になった。

 事前にインプットしていたはずの情報も、実際に触れて、見て、変化があって初めて「本当にそうなんだ」と自分の知識として積み重なり、次に活用できるものになっていくなあと感じる。おそらくこれからも格闘は続くが、大切に育てていきたい。植え替えは極力しない方向で……。

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