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「正常な骨格筋系の働き:機能的な動作を理解しよう」

こんばんわ。本日もお疲れ様です。

今回もファンクショナルトレーニングに関係することを書いていこうと思います。

まずヒトの動作は、関節を動かす筋肉の収縮・弛緩によって成り立っています。

しかし、正常な骨格筋系の働きは単純な筋力だけではなく、関節包や帯、軟部組織の状態も重要です。

さらに、筋や関節に存在する固有受容器は中枢神経に情報を伝え、最適な動作をサポートします。

今回は、正常な骨格筋の働きを機能解剖学的な分類とファンクショナルな分類に分けて詳しく解説します。

【機能解剖学的な分類】


骨格筋の働きは姿勢や力の発揮、動作の方向によって異なります。以下に分類します。

  1. 主働筋: 動作を行うための主要な筋肉です。 例: 股関節屈曲における腸腰筋

  2. 拮抗筋: 動きに対して反対の動きを生む筋肉です。 例: 膝屈曲動作における大殿筋

  3. 協同筋: 主働筋を補助する筋肉です。 例: 股関節屈曲における大腿直筋と腹筋群

  4. 固定筋: 主働筋や協同筋によって生み出された力を効率的に使うために体や関節を安定させる筋肉です。 例: 下肢の動きに対して体幹の固定に働く腹横筋、内腹斜筋、多裂筋など

【ファンクショナルな視点での分類】

筋肉を機能的な視点で分類すると、以下のようになります。

  1. ローカルスタビライザー: 体の最も深層部に位置する単関節筋で、関節の安定性を保つ役割を果たします。持続的な収縮により関節を固め、ニュートラルポジションを保持します。例えば、多裂筋や回旋筋などの脊柱深部筋群が該当します。

  2. グローバルスタビライザー: 体の浅層部に位置する単関節筋で、関節の動きを安定させる役割を果たします。エキセントリック収縮により回旋モーメントを生み出し、関節の制御を行います。特に力の吸収時に重要な役割を果たします。内側広筋や後脛骨筋などが代表的なグローバルスタビライザーの筋肉です。

  3. グローバルモビライザー: 体の最も浅層部に位置する二関節や多関節筋肉で、大きな力と動きを生み出し四肢の動作を担当します。コンセントリック収縮により屈曲や伸展などの動きを実現します。特に力の発揮時に重要な役割を果たします。大胸筋や大腿直筋、上腕二頭筋などが代表的なグローバルモビライザーの筋肉です。

【重要性とファンクショナルトレーニングへの応用】

正常な骨格筋の働きを理解することは、運動パフォーマンスや身体の安定性を向上させる上で重要です。

特にファンクショナルトレーニングでは、単関節運動よりも多関節運動を重視し、ランニングなどの実際の動作に近いトレーニングを行います。

ウエイトトレーニングの中には特定の筋肉を重点的に鍛える種目もありますが、ファンクショナルトレーニングでは全身の筋肉をバランスよくトレーニングすることが重要です。

単関節運動ではなく、多関節運動を取り入れることで、筋肉の総合的な動作能力を高めることができます。

まとめ

:正常な骨格筋系の働きは、機能解剖学的な分類とファンクショナルな分類によって理解することができます。

機能解剖学的な分類では、主働筋や拮抗筋、協同筋、固定筋などがあります。一方、ファンクショナルな分類では、ローカルスタビライザー、グローバルスタビライザー、グローバルモビライザーの3つに分けられます。

それぞれの筋肉が異なる役割を果たし、身体の安定性や動作の制御に関与しています。

正常な骨格筋の働きを理解することは、日常生活やスポーツパフォーマンスにおいて重要です。

適切な筋肉のバランスと機能は、怪我やパフォーマンスの低下を防ぐために不可欠です。

ファンクショナルな視点での分類は、特にトレーニングやリハビリテーションの分野で重要な役割を果たしています。

例えば、スポーツパフォーマンスを向上させるためには、グローバルモビライザーの筋肉を重点的にトレーニングすることが有効です。

また、怪我の予防や回復においては、ローカルスタビライザーの筋肉を重視したトレーニングやエクササイズが効果的です。

ファンクショナルトレーニングでは、単純な筋肉の増強だけでなく、筋肉の協調動作や身体のバランスを重視したトレーニングが行われます。

例えば、バランスボードやボス(BOSU)ボールを使ったトレーニングや、プロプリオセプティブトレーニング(身体の位置や動きの感覚を改善するトレーニング)が取り入れられます。

正常な骨格筋の働きを理解し、適切なトレーニングやケアを行うことで、身体のパフォーマンスや健康を向上させることができます。これらの知識を活かして、日常生活やスポーツにおいてより良い動作やパフォーマンスを実現しましょう。

今回はこれまでです。ありがとうございました。

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