「名言との対話」10月23日。福原麟太郎「毎日つづけるということが読書の秘訣である」
福原 麟太郎(ふくはら りんたろう、1894年10月23日 - 1981年1月18日)は、日本の英文学者、随筆家。
広島県福山市生まれ。旧制福山中学(誠之館)を経て、東京高等師範画稿英語科、研究科で学ぶ。1921年、母校の助教授。1929年、英国のロンドン大学とケンブリッジ大学で研究。1931年に帰国し東京文理科大学助教授。
1930年、母校の東京高師教授に就任。戦後、日本英文学会会長。戦後の学制改革で東京高師から名前を変えた東京教育大学の文学部長をつとめた。定年退官後は、共立大学、中央大学で教授。
英国留学時代からのテーマであった「トマス・グレイ」の研究で、博士号に加え二度の読売文学賞を受賞している。1968年、文化功労者。
福原は福山誠之館の出身である。梅棹忠夫著作集第7巻「日本研究」にこの藩校・誠之館のことがでてくる。卒業生の有名人があがっている。福原麟太郎(英語教育の大御所)の他に、森戸辰男(文部大臣)、井伏鱒二(作家)、藤井崇治(電源開発総裁)、挟間茂(住宅公団総裁)、小塚泰一(明治製糖社長)、葛原しげる(童話作家)、宮地伝三郎(京都大学教授)、藤原弘達(明治大学教授)、、、。
人材産出率は非常に高いと書いている。さらに調べると、山本譲(宇部興産社長)、丸山鶴吉(警視総監)、重政誠之(農林大臣)、高橋等(警視総監)、栄久庵憲司(工業デザイナー)、袴田茂樹(学者)、菅波茂(国際医療ボランティアAMADA創設者)、島田荘司(小説家)、などがいる。最近では映画監督や漫画家なども出ている。この藩校の後継学校は、「修身斉家」ではなく、「治国平天下」が戦前の教育方針だったことが影響している。
トマス・グレイは18世紀のイングランドの詩人、古典学者でケンブリッジ大学の教授である。福原が30代のころかた追い続けたこのテーマで、福原は後に博士号をとり、二度の読売文学賞を受賞している。福原は英文学、英語教育の第一人者である一方で、随筆の名手であった。学殖豊かな滋味のあるエッセイは多くの人を魅了した。
福原は1923年から1977年まで50年以上にわたって間断なく著書を刊行している。その結果、専門の英国・英語を中心とした『福原麟太郎著作集』全12巻(1968-69)と『福原麟太郎随想全集』(1982)が編まれている。
随想では『人生十二の智慧』『中流人の幸福』『停年の設計』『永遠に生きる言葉』『芸は長し』『天才について』『幸福について』など、読書欲をそそる題名が並んでいる。
ここでは『読書と或る人生』から、読書について教えを乞うことにしよう。
「速読精読にいずれにしても、毎日つづけるということが読書の秘訣である」の後には、「いつのまにかたくさんの本を読んでいるものだ。読みたいときに読む、などというのは、たくさん本を読む法ではない」が続いている。
どういうやり方でもいいから、毎日本を読みなさいというアドバイスだ。本を読んで終わりではなく、何らかのアウトプットをするという習慣を持つと読書によって得る知恵が積み重なってくる。読書カード、読書日記、読書会など、やり方はいくつもある。私の場合は、この「名言との対話」を書くために、強制的にあらゆる分野の本を速読せざるを得なくなっている。福原のアドバイスはよくわかる。これを機会に福原麟太郎のエッセイを手にしよう。
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