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「名言との対話」8月25日。エドゥアール・ミシュラン「ミシュランガイド」

エドゥアール・ミシュラン(1859年6月23日ー1940年8月25日)は、フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」の初代社長。

ミシュランは世界最大規模のタイヤメーカー。道路地図から始まったレストランを格付けした「ミシュラン・ガイド」が有名。

ミシュランは1889年に兄のアンドレと弟のエドゥアールのミシュラン兄弟によって創業された。初代社長は法学士で画家の修業中だった弟のエドゥアールである。

1891年、着脱可能な自転車タイヤを開発し、自転車レースで優勝。1895年、空気入りゴムタイヤを開発し、各地の自動車レースで優勝。1910年、道路地図を発行。1913年にはフランス全土の道路地図を発行し、ドライバーの支持を得た。1929年に鉄道用空気入りタイヤ、1938年には耐久性の高い「メタリック」を発売。

アンドレエドゥアールの死後も、ミシュランラジアルタイヤを開発し、30年間にわたり世界のトップメーカーとして圧倒的な存在となった。現在では、日本のブリジストンが首位に立っている。

さて、「ミシュランガイド」のことである。最初は自動車での遠距離ドライブには欠かせないガソリンスタンド、修理工場、トイレ、レストラン、ホテルなどが網羅された画期的な無料ガイドの冊子を配っていた。有料化にあたって、優良レストラン星の数でランク付けをしてみた。この冊子には広告を載せず、ランク付けは覆面調査員が行って公平な評価をしたことで、1900年以降、大ヒットする。

2007年、「ミシュランガイド東京」がアジアで初の発刊となり話題になったことは私も覚えている。このガイドは、橘川幸夫さんが一枚かんでいるという話を聞いたことがある。現在では、北海道、本州、九州まで多くの県や都市で発行されている。

ランク付けは、レストランの場合は、3つ星はそのために旅行する価値がある卓説した料理、2つ星は遠回りしてれでも訪れる価値がある素晴らしい料理、1つ星はそのアテゴリーで特に美味しい料理という定義だ。
観光地の場合は、3つ星は「必ず見るべき」、2つ星は「とても面白い」1つ星は「面白い」というようになっていて、日本の観光地で3つ星は、松島、日光、東京、高山、姫路城、京都、奈良、上野で、山では富士山と高尾山が入っている。
高尾山は、東京近郊であること、体力に応じていくつものコースが用意されていて、一番楽なコースは高齢者でも楽しめるように舗装されていること、途中で茶店やレストラン、休憩所がかなりあることなどが評価されたのでないだろうか。ミシュラン効果で、高尾山口駅の利用者は2007年度は前年対比で12%増の110万人に達したそうだ。若いカップルと外国人が大きく増えているという。

2010年、東洋経済新報社から発刊した「知の現場」を発案した清末部長(私の20年前に出した最初の単行本「図解の技術」の編集者!)と編集を担当した中村さんへの御礼の会を赤坂のメゾン・ド・ユーロンで開催したことがる。この店は2010年版のミシュランで一つ星を獲得した店で、さすがに料理も珍しいものが多く、パンもおいしかった。

タイヤメーカーのミシュランは、最盛期には「自動車はタイヤの一部に過ぎない」とい豪語した。しかし、タイヤという本業から派生したガイドの方が、有名になったようだ。ミシュランを抜いたブリジストンも、創業者の石橋正二郎の絵画蒐集によってできた美術館が有名だ。本業以外の活動が、本業のイメージを高めることの例であると理解しよう。

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