20230924タバコは悪って誰が決めた?に参加しての感想
最近ひょんなことでお知り合いになったみんなの健康らぼさん。
理事のつぼんぬセンセと色々盛り上がっているのですが、セミナーをされるということで参加してきました。
日時:2023年9月24日
場所:オンライン参加(youtube & slidoでの投稿)
主催:みんなの健康らぼ
杉谷さん、竹林さん、つぼんぬさんの3名のお話し
杉谷さんは愛煙家 政策関係にお詳しい方
竹林さんはex-smoker(昔喫煙していたけど禁煙した) 経済と公衆衛生にお詳しい方
つぼんぬさんは多分never smoker 公衆衛生の専門家
いやいやいや、愛煙家の方が入っていての議論とか、座組がすでにユニーク。
こういう喫煙/非喫煙の議論って大抵どちらかに偏ってされている気がする。
セミナーの内容についての感想
初めはまず喫煙と健康についてのエビデンスから。確かに30年くらい前ってまだまだ喫煙って飲食店とか学校でも普通にしてましたよね。
内容は、糖尿病etcの慢性疾患にも 相通ずるところがあったので、感想を書いておこうかなと思います。私が気になったキーワードはこちら。
最初に議論の対象者を3つに分類することで、議論が明確になってる。
層別化と構造化、とっても分かりやすい。
禁煙したいと思っていない喫煙者に禁煙を勧める必要があるのか、はとっても重要なテーマに感じました。
医師になってまだ5年くらいの頃は、夜中の救急外来とかでヘビースモーカーの患者さんが肺炎で来たり、肺がんの患者さんがまだ喫煙しているのをみて、なんのために医療をやってるんだろうとか、喫煙して病気になっている人を医療で見る必要があるのかと思ってたわけです。故意に病気になろうとしている人を社会保障の医療で見ているような気がして、矛盾を感じていたわけですが、まあ最近は医療ってそんなもので、何が原因であろうとそこにいて待ち続けることに価値があるんだろうなと思っています。5年前の自分がこのセミナーを聞いていたら、また違った感想を持ったんじゃないかと思います。
医療費について、「喫煙者の方が短命になって結果的に医療費は多くならない」とかいう議論もあって、昔どこかで「韓国は高齢者にタバコを吸わせていて早死にさせるので認知症が少ない」という話を聞いたのを思い出しました。本当かどうかは知りませんけど笑
糖尿病専門医として感じたこと
似ている点
数値を良くしたいと思っているがコントロールの悪い人と、数値を良くしたいと思っていない人がいる
同調圧力や現在バイアス、心理的リアクタンスが働く
ナッジの議論がある
これまた「よくしたいと思っていない人」に我々医師はおせっかいをしがちなのですが、現在バイアスの問題であとから後悔される方も往々にしてみるわけですよ。あとで合併症で悲惨な末路になっても「全部本人が決めたことだ」って突き放すのも全然可能ですが、医療者ってただのコンサルになったらなんか違うって思っちゃうんですよね。
違うなと思った点
発症に遺伝的背景が強く影響する
他者への害は糖尿病ではあまり問題にならない
この辺はちょっと違う議論をしないといけないんじゃないかなと。
気になる点
糖尿病患者で厳しいコントロールをしている人は幸福度が低いのか?むしろ高くなるのか?
良くしたいと思っていない人は、頭ごなしに否定するのではなく、関係を続けていくことが医師の役割ではなかろうか(私見)
とかまあ普段から考えていることがもう少し明確になりました。
あと、公衆衛生の先生はエビデンスだけで物事を判断する人だと思っていましたが、意外な内容で衝撃でした。
また色んなセミナーをされると思うので今後も楽しみにしています。
あと、みんらぼさんの取り組みは大変面白いので今月末に紫波町にお邪魔して意見交換をしてくることにします。
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