有季と無季  季節限定か非限定か

A: 公園の花を我が家の花と見る
B: レンギョウの黄色い花がまた咲いた

どちらも、今朝、3月20日の朝、近くの公園で得た印象や思いを五七五句にしたものである。作った季節は春だが、Aの句には季節が表現されていない。公園に花が咲く季節ならば、どの季節にも当てはまる。私が実際に見たのはモクレンと水仙とレンギョウと咲き初めた桜と盛りを過ぎた山茶花であった。が、そのどの花も文字に表現されていない。だから、この句を受け止める人にとっては、無季の句であり、季節非限定の句ということになる。
他方、Bの句は、目の前にレンギョウの花が咲いていることが明らかなので、有季の句であり、季節限定の句ということになる。とは言え、この春は今年の春の背後に去年の春、その前の年の春とさかのぼって、これまでの春が重なって見える春である。過去の春であっても、春は春である。
季節限定と言っても、その限定範囲には広狭まざまある。
私は自らの作句を有季に限定することなく、有季無季両方の良さを楽しみたい。
無季有季、境を超えて五七五遊ぶ

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