わたしばっかりわたしだけ
わたしがなんにも映さないので
テレビは帰りたがっている
わたしが仕事を与えないので
冷蔵庫は旅に焦がれている
私が何も求めないので
本は風に吹かれたがっている
私が眠ってばかりいるので
布団は内臓を傷めている
私がからだを休めたので
この部屋は呪いをためこんでいる
私がごみを捨てるので
この街はしかめつらをきめている
私がなにでもない様子なので
この国はどんどん膨らんでいる
私がため息をついたので
この星は希望を少しだけ削る
Writer of Wide Scence